第1種衛生管理者試験 2019年10月公表 問32

骨折及びその救急処置




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合格

 このページは、試験協会が2019年10月に公表した衛生管理者試験問題の解説を行っています。

 解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除しました。

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2019年10月公表問題 問32 難易度 骨折及びその救急処置に関する基本的な知識問題である。確実に正答できなければならない。
骨折及びその救急処置

問32 骨折及びその救急処置に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

(1)骨にひびが入った状態は、単純骨折である。

(2)複雑骨折とは、骨が多数の骨片に破砕された状態をいう。

(3)開放骨折では、感染を防ぐため、骨折部を皮膚の下に戻してから副子で固定する。

(4)不完全骨折では、変形や骨折端どうしが擦れ合う軋轢音が認められる。

(5)脊髄損傷が疑われる負傷者を搬送するときには、柔らかいマットの上に乗せるようにする。

正答(1)

【解説】

(1)正しい。単純骨折(閉鎖骨折)とは、皮膚が破れておらず骨が皮膚から飛び出していない骨折のことであり、骨にひびが入っただけのこともあれば、骨が完全に連続性を失っていることもある。

骨にひびが入っただけなら、皮膚が破れておらず骨が皮膚から飛び出していないから、単純骨折である。

なお、骨にひびの入った状態を「不全骨折(又は不完全骨折)」、骨が連続性を失った状態を「完全骨折」と呼ぶ場合がある。

(2)誤り。複雑骨折とは、周囲の組織も重大な損傷を受けている骨折のことである。

(3)誤り。開放骨折とは皮膚から骨が突出している骨折であるが、突出した骨は皮下に戻してはならない。

(4)誤り。骨折により骨が離断している場合は、その骨折部位を押すと圧轢音を触知することがある。耳で聞こえる音ではなく触知する程度のことが多い。不完全骨折では、このような現象は認められない。

(5)誤り。脊髄損傷が疑われる負傷者はできる限り動かさない方が良い。どうしても搬送する必要があるときは、硬い板の上に乗せて搬送する。

2020年07月23日執筆