問16 作業環境における有害要因による健康障害に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1)窒素ガスで置換したタンク内の空気など、ほとんど無酸素状態の空気を吸入すると徐々に窒息の状態になり、この状態が5分程度継続すると呼吸停止する。
(2)減圧症は、潜函作業者、潜水作業者などに発症するもので、高圧下作業からの急な減圧に伴い、血液中や組織中に溶け込んでいた窒素の気泡化が関与して発生し、皮膚のかゆみ、関節痛、神経の麻痺などの症状がみられる。
(3)金属熱は、金属の溶融作業などで亜鉛、銅などの金属の酸化物のヒュームを吸入することにより発生し、悪寒、発熱、関節痛などの症状がみられる。
(4)低体温症は、低温下の作業で、全身が冷やされ体内温度が 35℃程度以下に低下した状態をいい、意識消失、筋の硬直などの症状がみられる。
(5)振動障害は、チェーンソーなどの振動工具によって生じる障害で、手のしびれなどの末梢神経障害やレイノー現象などの末梢循環障害がみられる。
このページは、試験協会が2019年10月に公表した衛生管理者試験問題の解説を行っています。
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2019年10月公表問題 | 問16 | 難易度 | 作業環境中の有害要因に関する基本的な知識問題。頻出事項でもあり、正答できなければならない。 |
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作業環境中の有害要因 | 4 |
問16 作業環境における有害要因による健康障害に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1)窒素ガスで置換したタンク内の空気など、ほとんど無酸素状態の空気を吸入すると徐々に窒息の状態になり、この状態が5分程度継続すると呼吸停止する。
(2)減圧症は、潜函作業者、潜水作業者などに発症するもので、高圧下作業からの急な減圧に伴い、血液中や組織中に溶け込んでいた窒素の気泡化が関与して発生し、皮膚のかゆみ、関節痛、神経の麻痺などの症状がみられる。
(3)金属熱は、金属の溶融作業などで亜鉛、銅などの金属の酸化物のヒュームを吸入することにより発生し、悪寒、発熱、関節痛などの症状がみられる。
(4)低体温症は、低温下の作業で、全身が冷やされ体内温度が 35℃程度以下に低下した状態をいい、意識消失、筋の硬直などの症状がみられる。
(5)振動障害は、チェーンソーなどの振動工具によって生じる障害で、手のしびれなどの末梢神経障害やレイノー現象などの末梢循環障害がみられる。
正答(1)
【解説】
(1)誤り。ほとんど無酸素状態の空気を吸入すると、肺胞毛細血管中の酸素濃度より肺胞内の酸素濃度の方が低くなる。こうなると、肺胞のガス交換が不可能になる。このため、酸素濃度の低い空気は一呼吸するだけでもきわめて危険である。徐々に窒息の状態になるわけではない。
(2)正しい。潜水業務における減圧症は、浮上による減圧に伴い、血液中に溶け込んでいた窒素が気泡となり、血管を閉塞したり組織を圧迫することにより発生する。皮膚のかゆみ、関節痛、神経の麻痺などの症状がみられる。
(3)正しい。金属熱は、金属の溶融作業などで亜鉛、銅などの金属の酸化物のヒュームを吸入することにより発生し、悪寒、発熱、関節痛などの症状がみられる。
(4)正しい。低体温症は、低温下の作業などで、全身が冷やされて深部体温が 35℃程度以下に低下した状態をいう。心臓や脳などが正常に働かなくなり、意識消失、筋の硬直などの症状がみられ、生命の危険を伴うこともある。
(5)正しい。局所振動障害は、チェーンソーなどの振動工具によって生じる障害で、手のしびれなどの末梢神経障害やレイノー現象などの末梢循環障害がみられる。