第1種衛生管理者試験 2019年10月公表 問11

労働衛生の3管理(作業管理に該当するもの)




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合格

 このページは、試験協会が2019年10月に公表した衛生管理者試験問題の解説を行っています。

 解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除しました。

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2019年10月公表問題 問11 難易度 作業管理に該当するものを問う基本的な問題である。確実に正答しなければならない問題。
作業管理に該当するもの

問11 労働衛生対策を進めるに当たっては、作業管理、作業環境管理及び健康管理が必要であるが、次のAからEの対策例について、作業管理に該当するものの組合せは(1)~(5)のうちどれか。

A VDT作業における作業姿勢は、椅子に深く腰をかけて背もたれに背を十分あて、履き物の足裏全体が床に接した姿勢を基本とする。

B 有機溶剤業務を行う作業場所に設置した局所排気装置のフード付近の気流の風速を測定する。

C 放射線業務において管理区域を設定し、当該場所に立ち入る必要のある者以外の者を立ち入らせない。

D ずい道建設工事の掘削作業において、土石又は岩石を湿潤な状態に保つための設備を設ける。

E じん肺健康診断の結果、粉じん業務に従事することが健康の保持のために適当でないと医師が認めた者を配置転換する。

(1)A,B

(2)A,C

(3)B,D

(4)C,E

(5)D,E

正答(2)

【解説】

労働衛生3管理の区別をせよという、この種の問題には解法のコツがある。まず、その対策が作業者が居ないときでも実施可能であれば「作業環境管理」に位置付ける。次に、作業者の体内の状況に関するものを「健康管理」とし、残ったものを「作業管理」と位置付けるのである。ただし特殊健康診断のうち生物学的モニタリングに関するものは「作業管理」にする。

これで衛生管理者の試験問題程度であれば、ほぼ正答できる。ただし、これは受験対策のコツであって正しい見分け方ではないことは忘れないこと。

なお、誤解しやすいものとして個人ばく露測定がある。これは作業者が居なければ実施できないので、このコツに従って「作業管理」に位置付けておけば衛生管理者試験では正答になる。実は、厳密には個人ばく露濃度測定は「作業環境管理」にも「作業管理」にもなるのだが、教科書的には「作業管理」に位置付けられている。

A 作業管理である。VDT作業における作業姿勢を正しくすることは、作業者がいなければ実施することは不可能である。

B 作業環境管理である。有機溶剤業務を行う作業場所に設置した局所排気装置のフード付近の気流の風速を測定することは、作業者がいなくても実施可能である。

C 作業管理である。立ち入り禁止措置は、作業者がいなければ意味はない。

D 作業環境管理である。これは、分かるだろう。ずい道建設工事の掘削作業において、土石又は岩石を湿潤な状態に保つための設備を設けることは、作業者がいなくても実施可能である。

E 健康管理である。じん肺健康診断の結果から異常を発見して増悪を防止するための措置をとることは、作業者の体内の状況に関するので「健康管理」に該当する。なお、本肢が言う対策は「配置転換」の部分のみだと考えると、やや微妙だが、3管理のいずれにも該当しないという解釈も可能かもしれない。

2020年07月19日執筆