問5 石綿障害予防規則に基づく措置に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1)石綿等を取り扱う屋内作業場については、6か月以内ごとに1回、定期に、空気中の石綿の濃度を測定するとともに、測定結果等を記録し、これを 40 年間保存しなければならない。
(2)石綿等の粉じんが発散する屋内作業場に設けられた局所排気装置については、原則として、1年以内ごとに1回、定期に、自主検査を行うとともに、検査の結果等を記録し、これを3年間保存しなければならない。
(3)石綿等の取扱いに伴い石綿の粉じんを発散する場所において、常時石綿等を取り扱う作業に従事した労働者については、1か月を超えない期間ごとに、作業の概要、従事した期間等を記録し、これを当該労働者が常時当該作業に従事しないこととなった日から 40 年間保存するものとする。
(4)石綿等を常時取り扱う作業場の床等については、水洗する等粉じんの飛散しない方法によって、毎週1回以上、掃除を行わなければならない。
(5)石綿等を試験研究のため製造する作業場で労働者が喫煙し、又は飲食することを禁止し、かつ、その旨を当該作業場の見やすい箇所に表示しなければならない。
このページは、試験協会が2019年10月に公表した衛生管理者試験問題の解説を行っています。
解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除しました。
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2019年10月公表問題 | 問05 | 難易度 | 石綿障害予防規則に関する基本的な知識問題である。確実に正答できなければならない。 |
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石綿障害予防規則 | 4 |
問5 石綿障害予防規則に基づく措置に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1)石綿等を取り扱う屋内作業場については、6か月以内ごとに1回、定期に、空気中の石綿の濃度を測定するとともに、測定結果等を記録し、これを 40 年間保存しなければならない。
(2)石綿等の粉じんが発散する屋内作業場に設けられた局所排気装置については、原則として、1年以内ごとに1回、定期に、自主検査を行うとともに、検査の結果等を記録し、これを3年間保存しなければならない。
(3)石綿等の取扱いに伴い石綿の粉じんを発散する場所において、常時石綿等を取り扱う作業に従事した労働者については、1か月を超えない期間ごとに、作業の概要、従事した期間等を記録し、これを当該労働者が常時当該作業に従事しないこととなった日から 40 年間保存するものとする。
(4)石綿等を常時取り扱う作業場の床等については、水洗する等粉じんの飛散しない方法によって、毎週1回以上、掃除を行わなければならない。
(5)石綿等を試験研究のため製造する作業場で労働者が喫煙し、又は飲食することを禁止し、かつ、その旨を当該作業場の見やすい箇所に表示しなければならない。
正答(4)
【解説】
(1)正しい。石綿則第36条第1項により、石綿等を取り扱う屋内作業場については、6か月以内ごとに1回、定期に、空気中の石綿の濃度を測定しなければならない。また、同第2項により、測定結果等を記録し、これを 40 年間保存しなければならない。
【労働安全衛生法】
(作業環境測定)
第65条 事業者は、有害な業務を行う屋内作業場その他の作業場で、政令で定めるものについて、厚生労働省令で定めるところにより、必要な作業環境測定を行い、及びその結果を記録しておかなければならない。
2~5 (略)
【労働安全衛生法施行令】
(作業環境測定を行うべき作業場)
第21条 法第六十五条第一項の政令で定める作業場は、次のとおりとする。
一~六 (略)
七 (略)石綿等を取り扱い、若しくは試験研究のため製造する屋内作業場若しくは石綿分析用試料等を製造する屋内作業場(略)
八~十 (略)
【石綿障害予防規則】
(測定及びその記録)
第36条 事業者は、令第二十一条第七号の作業場(石綿等に係るものに限る。)について、六月以内ごとに一回、定期に、石綿の空気中における濃度を測定しなければならない。
2 事業者は、前項の規定による測定を行ったときは、その都度次の事項を記録し、これを四十年間保存しなければならない。
一~七 (略)
(2)正しい。石綿則第22条により、石綿等の粉じんが発散する屋内作業場に設けられた局所排気装置については、原則として、1年以内ごとに1回、定期に、自主検査を行わなければならない。また、同23条により、検査の結果等を記録し、これを3年間保存しなければならない。
【石綿障害予防規則】
(定期自主検査)
第22条 事業者は、前条各号に掲げる装置については、一年以内ごとに一回、定期に、次の各号に掲げる装置の種類に応じ、当該各号に掲げる事項について自主検査を行わなければならない。ただし(略)
一 局所排気装置
イ~ヘ (略)
二及び三 (略)
2 事業者は、前項ただし書の装置については、その使用を再び開始する際に同項各号に掲げる事項について自主検査を行わなければならない。
(定期自主検査の記録)
第23条 事業者は、前条の自主検査を行ったときは、次の事項を記録し、これを三年間保存しなければならない。
一~六 (略)
(3)正しい。石綿則第35条に、石綿等の取扱いに伴い石綿の粉じんを発散する場所において、常時石綿等を取り扱う作業に従事した労働者については、1か月を超えない期間ごとに、作業の概要、従事した期間等を記録し、これを当該労働者が常時当該作業に従事しないこととなった日から 40 年間保存するものとするとされている。
※ 石綿則第35条は、改正により本問出題当時とは異なっているが結論に変わりはない。
【石綿障害予防規則】
(作業の記録)
第35条 事業者は、石綿等の取扱い若しくは試験研究のための製造又は石綿分析用試料等の製造に伴い石綿等の粉じんを発散する場所において常時作業に従事する労働者について、一月を超えない期間ごとに次の事項を記録し、これを当該労働者が当該事業場において常時当該作業に従事しないこととなった日から四十年間保存するものとする。
一 労働者の氏名
二 石綿等を取り扱い、若しくは試験研究のため製造する作業又は石綿分析用試料等を製造する作業に従事した労働者にあっては、従事した作業の概要、当該作業に従事した期間、当該作業(石綿使用建築物等解体等作業に限る。)に係る事前調査(分析調査を行った場合においては事前調査及び分析調査)の結果の概要並びに次条第1項の記録の概要
三 石綿等の取扱い若しくは試験研究のための製造又は石綿分析用試料等の製造に伴い石綿等の粉じんを発散する場所における作業(前号の作業を除く。以下この号及び次条第1項第二号において「周辺作業」という。)に従事した労働者(以下この号及び次条第1項第二号において「周辺作業従事者」という。)にあっては、当該場所において他の労働者が従事した石綿等を取り扱い、若しくは試験研究のため製造する作業又は石綿分析用試料等を製造する作業の概要、当該周辺作業従事者が周辺作業に従事した期間、当該場所において他の労働者が従事した石綿等を取り扱う作業(石綿使用建築物等解体等作業に限る。)に係る事前調査及び分析調査の結果の概要、次条第一項の記録の概要並びに保護具等の使用状況
四 石綿等の粉じんにより著しく汚染される事態が生じたときは、その概要及び事業者が講じた応急の措置の概要
(4)誤り。石綿則第30条により、石綿等を常時取り扱う作業場の床等については、水洗する等粉じんの飛散しない方法によって、毎日1回以上、掃除を行わなければならない。「毎週1回以上」ではない。
【石綿障害予防規則】
(掃除の実施)
第30条 事業者は、前条の作業場及び休憩室の床等については、水洗する等粉じんの飛散しない方法によって、毎日一回以上、掃除を行わなければならない。
(5)正しい。石綿則第33条により、石綿等を試験研究のため製造する作業場で労働者が喫煙し、又は飲食することを禁止し、かつ、その旨を当該作業場の見やすい箇所に表示しなければならない。
【石綿障害予防規則】
(喫煙等の禁止)
第33条 事業者は、石綿等を取り扱い、若しくは試験研究のため製造する作業場又は石綿分析用試料等を製造する作業場における作業に従事する者の喫煙又は飲食について、禁止する旨を見やすい箇所に表示することその他の方法により禁止するとともに、表示以外の方法により禁止したときは、当該作業場において喫煙又は飲食が禁止されている旨を当該作業場の見やすい箇所に表示しなければならない。
2 (略)
※ 石綿則第33条は出題当時は下記のようになっていた。現在は改正により上記のようになっているが、本問の正誤に影響はない。
(喫煙等の禁止)
第33条 事業者は、石綿等を取り扱い、若しくは試験研究のため製造する作業場又は石綿分析用試料等を製造する作業場で労働者が喫煙し、又は飲食することを禁止し、かつ、その旨を当該作業場の見やすい箇所に表示しなければならない。
2 (略)