第1種衛生管理者試験 2019年4月公表 問35

呼吸の生理




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合格

 このページは、試験協会が2019年4月に公表した衛生管理者試験問題の解説を行っています。

 解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除しました。

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2019年04月公表問題 問35 難易度 呼吸の生理に関する基本的な問題である。確実に正答できるようにしておこう。
呼吸器系

問35 呼吸に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

(1)呼吸運動は、主として肋間筋と横隔膜の協調運動によって胸郭内容積を周期的に増減し、それに伴って肺を伸縮させることにより行われる。

(2)肺胞内の空気と肺胞を取り巻く毛細血管中の血液との間で行われるガス交換は、内呼吸である。

(3)成人の呼吸数は、通常、1分間に16~20回であるが、食事、入浴及び発熱によって減少する。

(4)呼吸に関与する筋肉は、間脳の視床下部にある呼吸中枢によって支配されている。

(5)身体活動時には、血液中の窒素分圧の上昇により呼吸中枢が刺激され、1回換気量及び呼吸数が増加する。

正答(1)

【解説】

(1)正しい。呼吸運動が、胸郭内容積を周期的に増減することによって、肺を伸縮させて行うことはとくに問題はないであろう。肺そのものが、拡張、収縮するわけではない。

やや疑問の余地があるのは、「主として肋間筋と横隔膜の協調運動によって」としている部分である。しかし、古典的な考え方においては、呼吸筋は、①横隔膜、②肋間筋及び胸壁の筋、③腹筋、④呼吸補助筋、並びに⑤上気道の筋に分類される。そして、横隔膜は最も重要なもので、安静吸気の70%は横隔膜で行われる。また、古典的な考え方においては、肋間筋は呼吸に対して重要な機能を有すると考えられている。従って、正しいとしてよいであろう。

(2)誤り。肺胞内の空気と肺胞を取り巻く毛細血管中の血液との間で行われるガス交換は、外呼吸である。内呼吸とは、血液と体内の組織細胞の間における、酸素と二酸化炭素の交換のことである。

(3)誤り。成人の呼吸数は、食事、入浴及び発熱によって増加する。また、呼吸回数は、通常、1分間に16回前後である。

(4)誤り。呼吸に関与する筋肉は、延髄にある呼吸中枢によって支配されている。

(5)誤り。身体活動時には、血液中の二酸化炭素分圧の上昇により呼吸中枢が刺激され、1回換気量及び呼吸数が増加する。

  1. (1):宮川哲夫「呼吸筋の運動学・生理学とその臨床応用」(理学療法学 第21巻第8号 1994年)を参照した。
2019年05月12日執筆