問27 労働基準法に定める育児時間に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1)生後満1年を超え、満2年に達しない生児を育てる女性労働者は、育児時間を請求することができる。
(2)育児時間は、必ずしも有給としなくてもよい。
(3)育児時間は、原則として、1日2回、1回当たり少なくとも30分の時間を請求することができる。
(4)育児時間を請求しない女性労働者に対しては、育児時間を与えなくてもよい。
(5)育児時間は、育児時間を請求することができる女性労働者が請求する時間に与えなければならない。
このページは、試験協会が2019年4月に公表した衛生管理者試験問題の解説を行っています。
解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除しました。
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2019年04月公表問題 | 問27 | 難易度 | 育児時間に関する規制は、基本中の基本である。正答できなければならない。 |
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女性・妊産婦・年少者 | 2 |
問27 労働基準法に定める育児時間に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1)生後満1年を超え、満2年に達しない生児を育てる女性労働者は、育児時間を請求することができる。
(2)育児時間は、必ずしも有給としなくてもよい。
(3)育児時間は、原則として、1日2回、1回当たり少なくとも30分の時間を請求することができる。
(4)育児時間を請求しない女性労働者に対しては、育児時間を与えなくてもよい。
(5)育児時間は、育児時間を請求することができる女性労働者が請求する時間に与えなければならない。
正答(1)
【解説】
(1)労基法の育児時間に関する規定は第67条のみである。育児時間を請求できるのは、同条により「生後満1年に達しない生児を育てる女性」であるから本肢は誤りである。
【労働基準法】
(育児時間)
第67条 生後満1年に達しない生児を育てる女性は、第34条の休憩時間のほか、1日2回各々少なくとも30分、その生児を育てるための時間を請求することができる。
2 使用者は、前項の育児時間中は、その女性を使用してはならない。
(2)正しい。雇用契約の原則は労働に対して賃金を支払うものであるから、法令等に規定がない限り、働いていない時間に賃金を支払わないことは違法ではない。
もちろん、就業規則や個別契約、慣行などで、賃金を支払うこととされていれば、支払わなければならないことは当然であるが、それは本肢とは別な話である。
なお、特殊健康診断の受診などは、有害な作業を行わせることによって必要となるものであるから、受診のための時間も賃金を支払わなければならない。これに対し、一般の健康診断を勤務時間外に受診する場合は支払わなくても=支払う方が望ましいが=必ずしも違法ではない。そのことも覚えておこう。
(3)正しい。労基法第67条のままである。
(4)正しい。労基法第67条は、育児時間を「請求することができる」としている。育児時間を与えなければならないのは、請求があった場合である。
(5)正しい。育児時間請求権に対する、使用者の側の時間を変更する権利は法令に定められていない。そもそも授乳したいときに「1時間後にしろ」などと言われては「育児時間」を与えられたことにならないであろう。