問6 次の粉じん作業のうち、法令上、特定粉じん作業に該当するものはどれか。
(1)屋内のガラスを製造する工程において、原料を溶解炉に投げ入れる作業
(2)耐火物を用いた炉を解体する作業
(3)屋内において、研磨材を用いて手持式動力工具により金属を研磨する箇所における作業
(4)屋内において、フライアッシュを袋詰めする箇所における作業
(5)タンクの内部において、金属をアーク溶接する作業
このページは、試験協会が2019年4月に公表した衛生管理者試験問題の解説を行っています。
解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除しました。
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2019年04月公表問題 | 問06 | 難易度 | 粉じん作業の種類はかなり複雑である。正答することはかなり難しい問題だろう。 |
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粉じん関連規制 | 5 |
問6 次の粉じん作業のうち、法令上、特定粉じん作業に該当するものはどれか。
(1)屋内のガラスを製造する工程において、原料を溶解炉に投げ入れる作業
(2)耐火物を用いた炉を解体する作業
(3)屋内において、研磨材を用いて手持式動力工具により金属を研磨する箇所における作業
(4)屋内において、フライアッシュを袋詰めする箇所における作業
(5)タンクの内部において、金属をアーク溶接する作業
正答(4)
【解説】
本問は、粉じん則のうち「特定粉じん作業」の定義に関する問題である。特定粉じん作業とは、発生源が「特定粉じん発生源」である粉じん作業を言うが、「特定粉じん発生源」を定める粉じん則別表第2は、難解なばかりか広範囲にわたっている。すべてを覚えることは困難なので、重要なもののみを覚えるようにしたい。
【粉じん障害防止規則】
(定義等)
第2条 この省令において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
一 粉じん作業 別表第一に掲げる作業のいずれかに該当するものをいう。ただし、当該作業場における粉じんの発散の程度及び作業の工程その他からみて、この省令に規定する措置を講ずる必要がないと当該作業場の属する事業場の所在地を管轄する都道府県労働局長(以下「所轄都道府県労働局長」という。)が認定した作業を除く。
二 特定粉じん発生源 別表第二に掲げる箇所をいう。
三 特定粉じん作業 粉じん作業のうち、その粉じん発生源が特定粉じん発生源であるものをいう。
2~6 (略)
別表第2 (第二条、第三条関係)
一~八 (略)
九 別表第一第九号又は第十号に掲げる作業に係る粉じん発生源のうち、屋内の、セメント、フライアッシュ又は粉状の鉱石、炭素原料、炭素製品、アルミニウム若しくは酸化チタンを袋詰めする箇所
十~十五 (略)
(1)屋内のガラスを製造する工程において、原料を溶解炉に投げ入れる作業は粉じん作業には当たる(粉じん則別表第1第十二号)が、特定粉じん作業には当たらない。
(2)耐火物を用いた炉を解体する作業は粉じん作業には当たる(粉じん則別表第1第十九号)が、特定粉じん作業には当たらない。
(3)屋内において、研磨材を用いて手持式動力工具により金属を研磨する箇所における作業は粉じん作業には当たる(粉じん則別表第1第七号)が、特定粉じん作業には当たらない。
(4)屋内において、フライアッシュを袋詰めする箇所における作業は特定粉じん作業(粉じん則別表第2第九号)に該当する。なお、フライアッシュとは石炭を燃焼したときに生じる灰の一種である。コンクリートの強度を増加させるためにセメントに混合させることがある。かつての石炭火力発電では、石炭を燃焼させたボイラの電気集塵器で捕集された灰をフライアッシュと呼んでいた。
(5)(タンクの内部において、)金属をアーク溶接する作業は粉じん作業には当たる(粉じん則別表第1第二十号の二)が、特定粉じん作業には当たらない。