第1種衛生管理者試験 2019年4月公表 問03

特別教育を実施すべき業務




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合格

 このページは、試験協会が2019年4月に公表した衛生管理者試験問題の解説を行っています。

 解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除しました。

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2019年04月公表問題 問03 難易度 特別教育を実施すべき業務も広範にわたるが、主要なものは覚えておく。本問も正答したい。
安全衛生教育

問3 次の業務に労働者を就かせるとき、法令に基づく安全又は衛生のための特別の教育を行わなければならないものはどれか。

(1)有機溶剤等を入れたことがあるタンクの内部における業務

(2)強烈な騒音を発する場所における作業に係る業務

(3)人力により重量物を取り扱う業務

(4)ガンマ線照射装置を用いて行う透過写真の撮影の業務

(5)削岩機、チッピングハンマー等チェーンソー以外の振動工具を取り扱う業務

正答(4)

【解説】

特別教育の実施は安衛法第59条第3項によって義務付けられている。特別教育を実施すべき業務は、安衛則第36条に定められている。

【労働安全衛生法】

(安全衛生教育)

第59条 (略)

 (略)

 事業者は、危険又は有害な業務で、厚生労働省令で定めるものに労働者をつかせるときは、厚生労働省令で定めるところにより、当該業務に関する安全又は衛生のための特別の教育を行なわなければならない。

【労働安全衛生規則】

(特別教育を必要とする業務)

第36条 法第五十九条第三項の厚生労働省令で定める危険又は有害な業務は、次のとおりとする。

一~二十七 (略)

二十八 エツクス線装置又はガンマ線照射装置を用いて行う透過写真の撮影の業務

二十八の二~四十一 (略)

(1)「有機溶剤等」とか「特定化学物質等」とあったら、とりあえず特別教育は関係ないと考えてよい。なお、これらは作業主任者(技能講習)が関係してくることに留意すること。

(2)強烈な騒音を発する場所における業務については、特別教育の対象とはなっていない。なお、屋内作業場の表示、伝ぱの防止などが義務付けられることに留意すること。

(3)人力により重量物を取り扱う業務については、特別教育の対象とはなっていない。

なお、試験合格後の実務においては、1日の労働時間を2時間を超えて延長させてはならない業務に「重量物の取扱い等重激なる業務」があることに留意すること。

(4)ガンマ線照射装置を用いて行う透過写真の撮影の業務は、安衛則第36条第28号に規定されており、特別教育の対象となる。

(5)削岩機、チッピングハンマー等チェーンソー以外の振動工具を取り扱う業務については、特別教育の対象とはなっていない。

なお、試験合格後の実務においては、平成21年7月10日基発0710第2号「チェーンソー以外の振動工具の取扱い業務に係る振動障害予防対策指針について」において、「作業者を新たに振動業務に就かせ、又は作業者の取り扱う振動工具の種類を変更したときは、当該作業者に対し、振動が人体に与える影響、日振動ばく露量A(8)に基づく振動ばく露限界時間等の工具の適正な取扱い及び管理方法についての教育を行うこと」とされていることに留意すること。

2019年05月01日執筆