第1種衛生管理者試験 2018年10月公表 問16

騒音による健康障害




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 このページは、試験協会が2018年10月に公表した衛生管理者試験問題の解説を行っています。

 解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除しました。

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2018年10月公表問題 問16 難易度 やや高度な選択肢もあるが、騒音による健康障害の基本を押さえておけば正答できる問題である。
騒音による健康障害

問16 作業環境における騒音及びそれによる健康障害に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(1)騒音レベルの測定は、通常、騒音計の周波数補正回路のA特性で行い、その大きさはdB(A)で表示する。

(2)騒音性難聴は、感音性の難聴で、耳鳴りを伴うことが多い。

(3)騒音は、自律神経系や内分泌系へも影響を与える。

(4)騒音性難聴は、騒音により中耳の有毛細胞が変性することにより生じる。

(5)等価騒音レベルは、時間的に変動する騒音レベルのエネルギー的な平均値を表す量で、変動する騒音に対する人間の生理・心理的反応とよく対応している。

正答(4)

【解説】

(1)正しい。現在の騒音計には、A特性、C特性及びZ(又はFLAT)特性が装備されていることが多いが、作業環境における騒音測定では常にA特性で測定する。また、その単位はdB(A)で表示する。

(2)正しい。難聴には「伝音性難聴」「感音性難聴」「混合性難聴」の3タイプがあるが、老人性難聴や騒音性難聴は感音性難聴である。耳鳴りも騒音性難聴にはよくみられる症状で、初期には難聴よりも耳鳴りが目立つ。

(3)正しい。自律神経系や内分泌系はストレスにより影響を受けるが、騒音はストレス要因(物理的要因)となる。

(4)誤り。有毛細胞は、内耳の蝸牛の入口から奥までに存在している。中耳に存在しているわけではない。騒音性難聴は大きな音に長期間さらされたことによって起こる外有毛細胞障害に伴う慢性の感音性難聴である。

なお、有毛細胞は外有毛細胞(約12,000個)と内有毛細胞(約3,500個)の2種があり、外有毛細胞は3列、内有毛細胞は1列に並んでいる。

(5)正しい。等価騒音レベルは、時間的に変動する騒音レベルのエネルギー的な平均値を表す量である。睡眠影響やアノイアンス(人に感じられる感覚的なうるささ)との対応に優れているとされている。

2019年06月03日執筆