問6 粉じん障害防止規則に基づく措置に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
ただし、同規則に定める適用除外及び特例はないものとする。
(1)常時特定粉じん作業を行う屋内作業場については、6か月以内ごとに1回、定期に、空気中の粉じんの濃度の測定を行い、測定結果等を記録して、これを7年間保存しなければならない。
(2)特定粉じん作業を行う屋内作業場については、当該粉じん作業に係る粉じんを減少させるため、全体換気装置による換気を実施しなければならない。
(3)粉じん作業を行う屋内の作業場所については、毎日1回以上、清掃を行わなければならない。
(4)法令に基づき局所排気装置に設ける除じん装置は、ヒュームとヒューム以外の粉じんに応じて、除じん方式が定められている。
(5)除じん装置を付設すべき局所排気装置の排風機は、原則として、除じんをした後の空気が通る位置に設けなければならない。
このページは、試験協会が2018年10月に公表した衛生管理者試験問題の解説を行っています。
解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除しました。
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2018年10月公表問題 | 問06 | 難易度 | 粉じん則の内容はやや複雑であり、正答はやや難しい。しかし、正答できるようにしたい。 |
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粉じん関連規制 | 4 |
問6 粉じん障害防止規則に基づく措置に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
ただし、同規則に定める適用除外及び特例はないものとする。
(1)常時特定粉じん作業を行う屋内作業場については、6か月以内ごとに1回、定期に、空気中の粉じんの濃度の測定を行い、測定結果等を記録して、これを7年間保存しなければならない。
(2)特定粉じん作業を行う屋内作業場については、当該粉じん作業に係る粉じんを減少させるため、全体換気装置による換気を実施しなければならない。
(3)粉じん作業を行う屋内の作業場所については、毎日1回以上、清掃を行わなければならない。
(4)法令に基づき局所排気装置に設ける除じん装置は、ヒュームとヒューム以外の粉じんに応じて、除じん方式が定められている。
(5)除じん装置を付設すべき局所排気装置の排風機は、原則として、除じんをした後の空気が通る位置に設けなければならない。
正答(2)
【解説】
(1)正しい。粉じん則第 25 条は、「常時特定粉じん作業を行う屋内作業場」について測定を行うべき場所としている。また、同規則第 26 条第1項は、6か月以内ごとに1回、定期に、空気中の粉じんの濃度の測定を行うものとし、同第8項は、測定結果等を記録して、これを7年間保存すべきとしている。
なお、作業環境測定の頻度は、6月以内ごとに1回とするものがほとんどである。それ以外のものを覚えるようにすると効率的である。別途、作業環境測定の対象となる物、測定の頻度、記録の保存年限等の一覧表を示したので、併せて参照されたい。
【労働安全衛生法】
(作業環境測定)
第65条 事業者は、有害な業務を行う屋内作業場その他の作業場で、政令で定めるものについて、厚生労働省令で定めるところにより、必要な作業環境測定を行い、及びその結果を記録しておかなければならない。
2~5 (略)
【労働安全衛生法施行令】
(作業環境測定を行うべき作業場)
第21条 法第65条第1項の政令で定める作業場は、次のとおりとする。
一 土石、岩石、鉱物、金属又は炭素の粉じんを著しく発散する屋内作業場で、厚生労働省令で定めるもの
二~十 (略)
【粉じん障害防止規則】
(作業環境測定を行うべき屋内作業場)
第25条 令第21条第1号の厚生労働省令で定める土石、岩石、鉱物、金属又は炭素の粉じんを著しく発散する屋内作業場は、常時特定粉じん作業が行われる屋内作業場とする。
(粉じん濃度の測定等)
第26条 事業者は、前条の屋内作業場について、6月以内ごとに1回、定期に、当該作業場における空気中の粉じんの濃度を測定しなければならない。
2~7 (略)
8 事業者は、第1項から第3項までの規定による測定を行つたときは、その都度、次の事項を記録して、これを7年間保存しなければならない。
一~七 (略)
(2)誤り。特定粉じん発生源における粉じんの発散を防止する方法については粉じん則第4条に定められているが、全体換気装置による換気は認められていない。本肢は「特定粉じん作業以外の粉じん作業」に関するものである。
【粉じん障害防止規則】
(特定粉じん発生源に係る措置)
第4条 事業者は、特定粉じん発生源における粉じんの発散を防止するため、次の表の上欄に掲げる特定粉じん発生源について、それぞれ同表の下欄に掲げるいずれかの措置又はこれと同等以上の措置を講じなければならない。
(表略)
(換気の実施等)
第5条 特定粉じん作業以外の粉じん作業を行う屋内作業場については、当該粉じん作業に係る粉じんを減少させるため、全体換気装置による換気の実施又はこれと同等以上の措置を講じなければならない。
(3)正しい。粉じん則第 24 条は、粉じん作業を行う屋内の作業場所については、毎日1回以上、清掃を行わなければならないとしている。
【粉じん障害防止規則】
(清掃の実施)
第24条 事業者は、粉じん作業を行う屋内の作業場所については、毎日一回以上、清掃を行わなければならない。
2 (略)
(4)正しい。粉じん則第 13 条は、局所排気装置に設ける除じん装置を、ヒュームとヒューム以外の粉じんに応じて方式を定めている。
【粉じん障害防止規則】
(除じん)
第13条 事業者は、第10条の規定により設ける除じん装置については、次の表の上欄に掲げる粉じんの種類に応じ、それぞれ同表の下欄に掲げるいずれかの除じん方式又はこれらと同等以上の性能を有する除じん方式による除じん装置としなければならない。
粉じんの種類 | 除じん方式 |
---|---|
ヒューム | ろ過除じん方式 電気除じん方式 |
ヒューム以外の粉じん | サイクロンによる除じん方式 スクラバによる除じん方式 ろ過除じん方式 電気除じん方式 |
2 (略)
(5)正しい。粉じん則第 11 条は、除じん装置を付設すべき局所排気装置の排風機は、原則として、除じんをした後の空気が通る位置に設けなければならないとしている。
除じんをする前の空気が排風機を通ると、静電気を起こして爆発しかねないし、ファンが摩耗したり腐食したりする恐れがあるからである。
【粉じん障害防止規則】
(除じん装置の設置)
第10条 事業者は、第4条の規定により設ける局所排気装置のうち、別表第2第六号から第九号まで、第十四号及び第十五号に掲げる特定粉じん発生源(別表第2第七号に掲げる特定粉じん発生源にあつては、1事業場当たり10以上の特定粉じん発生源(前3条の規定により、第4条の規定が適用されない特定粉じん作業に係る特定粉じん発生源を除く。)を有する場合に限る。)に係るものには、除じん装置を設けなければならない。
2 (略)
(局所排気装置等の要件)
第11条 事業者は、第4条又は第27条第1項ただし書の規定により設ける局所排気装置については、次に定めるところに適合するものとしなければならない。
一及び二 (略)
三 前条第1項の規定により除じん装置を付設する局所排気装置の排風機は、除じんをした後の空気が通る位置に設けられていること。ただし、吸引された粉じんによる爆発のおそれがなく、かつ、ファンの腐食又は摩耗のおそれがないときは、この限りでない。
四及び五 (略)
2 (略)