第1種衛生管理者試験 2018年10月公表 問02

定期自主検査の必要な局所排気装置等




問題文
トップ
合格

 このページは、試験協会が2018年10月に公表した衛生管理者試験問題の解説を行っています。

 解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除しました。

 他の問題の解説をご覧になる場合は、グローバルナビの「安全衛生試験の支援」か「パンくずリスト」をご利用ください。

 柳川に著作権があることにご留意ください。

2018年10月公表問題 問02 難易度 定期自主検査の対象は広範にわたるが、主要なものは覚えておく。本問は正答可能な問題である。
定期自主検査の対象

問2 次の装置のうち、法令に基づく定期自主検査を行わなければならないものはどれか。

(1)木材加工用丸のこ盤を使用する作業場所に設けた局所排気装置

(2)アーク溶接を行う屋内作業場に設けた全体換気装置

(3)エタノールを使用する作業場所に設けた局所排気装置

(4)アンモニアを使用する作業場所に設けたプッシュプル型換気装置

(5)屋内の、フライアッシュを袋詰めする箇所に設けたプッシュプル型換気装置

正答(5)

【解説】

定期自主検査の実施は安衛法第45条によって義務付けられ、安衛令第15条第1項に対象が定められている。そして、同項第九号は、局所排気装置等のうち省令で定めるものを定期自主検査の対象としている。

これを受けて、各特別側で定期自主検査を実施すべき局所排気装置等が定められており、粉じん則においては第17条第1項でこれを定めている。同項は第4条等に定める局所排気装置等を定期自主検査の対象と定めている。

【労働安全衛生法】

(定期自主検査)

第45条 事業者は、ボイラーその他の機械等で、政令で定めるものについて、厚生労働省令で定めるところにより、定期に自主検査を行ない、及びその結果を記録しておかなければならない。

2~4 (略)

【労働安全衛生法施行令】

(定期に自主検査を行うべき機械等)

第15条 法第45条第一項の政令で定める機械等は、次のとおりとする。

一から八 (略)

 局所排気装置、プッシュプル型換気装置、除じん装置、排ガス処理装置及び排液処理装置で、厚生労働省令で定めるもの

十及び十一 (略)

 (略)

【粉じん障害防止規則】

(特定粉じん発生源に係る措置)

第4条 事業者は、特定粉じん発生源における粉じんの発散を防止するため、次の表の上欄に掲げる特定粉じん発生源について、それぞれ同表の下欄に掲げるいずれかの措置又はこれと同等以上の措置を講じなければならない。

特定粉じん発生源 措置
(略) (略)

 別表第二第九号及び第十二号に掲げる箇所

 局所排気装置を設置すること。

 プッシュプル型換気装置を設置すること。

(略) (略)

(局所排気装置等の定期自主検査)

第17条 労働安全衛生法施行令(略)第15条第1項第九号の厚生労働省令で定める局所排気装置、プッシュプル型換気装置及び除じん装置(粉じん作業に係るものに限る。)は、第4条及び第27条第1項ただし書の規定により設ける局所排気装置及びプッシュプル型換気装置並びに第10条の規定により設ける除じん装置とする。

2及び3 (略)

別表第2 (第2条、第4条、第10条、第11条関係)

一から八 (略)

 別表第一第九号又は第十号に掲げる作業に係る粉じん発生源のうち、屋内の、セメント、フライアッシュ又は粉状の鉱石、炭素原料、炭素製品、アルミニウム若しくは酸化チタンを袋詰めする箇所

十から十五 (略)

(1)木材加工用丸のこ盤は粉じん則の対象ではなく、局所排気装置の定期自主検査は義務付けられていない。

(2)アーク溶接は粉じん則の対象ではなく(アーク切断は対象)、また全体換気装置は安衛令第15条第1項第九号の対象でもない。局所排気装置の定期自主検査は義務付けられていない。

(3)エタノールは有機則の対象ではなく、局所排気装置の定期自主検査は義務付けられていない。

(4)アンモニアは特化則の第3類物質であるが、特化則第29条によって局所排気装置の定期自主検査は義務付けられていない。

(5)屋内の、フライアッシュを袋詰めする箇所に設けたプッシュプル型換気装置は、粉じん則第17条第1項(第4条第八号及び別表第2第9号)により、定期自主検査を実施すべきものであると定められている。

2019年05月19日執筆