第1種衛生管理者試験 2018年4月公表 問44

ホルモンとその働き




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合格

 このページは、試験協会が2018年4月に公表した衛生管理者試験問題の解説を行っています。

 解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除しました。

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2018年04月公表問題 問44 難易度 ホルモンの働きに関する基本的な問題である。確実に正答できるようにしておこう。
ホルモンの働き

問44 ホルモンとその働きに関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

(1)副腎皮質から分泌されるコルチゾールは、血糖値を上昇させる。

(2)副腎髄質から分泌されるアドレナリンは、血糖値を低下させる。

(3)副甲状腺から分泌されるパラソルモンは、睡眠と覚醒のリズムの調節を行う。

(4)松果体から分泌されるメラトニンは、体内のカルシウムバランスの調整を行う。

(5)胃粘膜から分泌されるガストリンは、胃酸の分泌を抑制する。

正答(1)

【解説】

(1)正しい。コルチゾールは副腎皮質から分泌されるストレスホルモンである。グルカゴンやアドレナリンの作用を高めるとともに、筋肉や脂肪におけるインスリン抵抗性を助長する。これにより、肝臓での糖の新生を促進し、血糖値を上昇させる。

(2)誤り。アドレナリンが副腎髄質から分泌されることは正しい。しかし、アドレナリンは、肝臓におけるグリコーゲンをグルコースに変える反応を促進する。従って、血糖値を増加させる。

(3)誤り。パラソルモンが副腎髄質から分泌されることは正しい。しかし、パラソルモンは、破骨細胞に働いて骨を溶解したり、尿細管でのCaの再吸収を促進するとともにリン酸の再吸収を抑制させて、血中のCa濃度を上昇させる働きがある。なお、甲状腺から分泌されるカルシトニンは血中のCa濃度を低下させるように働く。

(4)誤り。メラトニンが松果体から分泌されることは正しい。しかし、メラトニンは季節のリズムや概日リズム(睡眠と覚醒のリズム=サーカディアンリズム)の調節作用がある。

(5)誤り。ガストリンが胃粘膜(G細胞)から分泌されることは正しい。しかし、ガストリンは、胃液(胃酸)の分泌を促進する。

2019年10月14日執筆

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