問29 厚生労働省の「労働者の心の健康の保持増進のための指針」において、心の健康づくり計画の実施に当たって推進すべきこととされている四つのメンタルヘルスケアに該当しないものは、次のうちどれか。
(1)労働者自身がストレスや心の健康について理解し、自らのストレスの予防や対処を行うセルフケア
(2)職場の同僚がメンタルヘルス不調の労働者の早期発見、相談への対応を行うとともに管理監督者に情報提供を行う同僚によるケア
(3)管理監督者が、職場環境等の改善や労働者からの相談への対応を行うラインによるケア
(4)産業医、衛生管理者等が、心の健康づくり対策の提言や推進を行うとともに、労働者及び管理監督者に対する支援を行う事業場内産業保健スタッフ等によるケア
(5)メンタルヘルスケアに関する専門的な知識を有する事業場外の機関及び専門家を活用し支援を受ける事業場外資源によるケア
このページは、試験協会が2017年10月に公表した衛生管理者試験問題の解説を行っています。
解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除し、労基法などには項番号を付しました。
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2017年10月公表問題 | 問29 | 難易度 | メンタルヘルス指針に関する基本的な知識問題である。確実に正答できるようにしておく必要がある。 |
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メンタルヘルス指針 | 2 |
問29 厚生労働省の「労働者の心の健康の保持増進のための指針」において、心の健康づくり計画の実施に当たって推進すべきこととされている四つのメンタルヘルスケアに該当しないものは、次のうちどれか。
(1)労働者自身がストレスや心の健康について理解し、自らのストレスの予防や対処を行うセルフケア
(2)職場の同僚がメンタルヘルス不調の労働者の早期発見、相談への対応を行うとともに管理監督者に情報提供を行う同僚によるケア
(3)管理監督者が、職場環境等の改善や労働者からの相談への対応を行うラインによるケア
(4)産業医、衛生管理者等が、心の健康づくり対策の提言や推進を行うとともに、労働者及び管理監督者に対する支援を行う事業場内産業保健スタッフ等によるケア
(5)メンタルヘルスケアに関する専門的な知識を有する事業場外の機関及び専門家を活用し支援を受ける事業場外資源によるケア
正答(2)
【解説】
本問は、完全な知識問題である。あくまでも「メンタルヘルスに何が必要か」ではなく「メンタルヘルス指針にどう書かれているか」で答えなければならない。
そして、メンタルヘルス指針は「メンタルヘルスケアは、労働者自身がストレスや心の健康について理解し、自らのストレスを予防、軽減するあるいはこれに対処する「セルフケア」、労働者と日常的に接する管理監督者が、心の健康に関して職場環境等の改善や労働者に対する相談対応を行う「ラインによるケア」、事業場内の産業医等事業場内産業保健スタッフ等が、事業場の心の健康づくり対策の提言を行うとともに、その推進を担い、また、労働者及び管理監督者を支援する「事業場内産業保健スタッフ等によるケア」及び事業場外の機関及び専門家を活用し、その支援を受ける「事業場外資源によるケア」の4つのケアが継続的かつ計画的に行われることが重要である」としている。
従って(2)の「同僚によるケア」が誤りとなる。
なお、(1)のセルフケアは、「労働者がストレスに気づき、これに対処する」ということではあるが、指針に示されているのは事業者が、労働者に対して、セルフケアに関する教育研修、情報提供を行い、心の健康に関する理解の普及を図るということであって、「労働者の自己責任」などということではない。