第1種衛生管理者試験 2017年10月公表 問26

年次有給休暇




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合格

 このページは、試験協会が2017年10月に公表した衛生管理者試験問題の解説を行っています。

 解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除し、労基法などには項番号を付しました。

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2017年10月公表問題 問26 難易度 年次有給休暇に関する基本的な知識問題である。確実に正答できる必要がある。
年次有給休暇

問26 週所定労働時聞が30時間以上の労働者の年次有給休暇に関する次の記述のうち、労働基準法上、正しいものはどれか。

ただし、労使協定とは、「労働者の過半数で組織する労働組合(その労働組合がない場合は労働者の過半数を代表する者)と使用者との書面による協定」をいう。

(1)6年6か月継続勤務し、直近の1年間に、全労働日の8割以上出勤した労働者に新たに与えなければならない年次有給休暇の日数は、18 日である。

(2)労使協定により、時間単位で年次有給休暇を与える対象労働者の範囲、その日数(5日以内に限る。)等を定めた場合において、対象労働者が請求したときは、年次有給休暇の日数のうち当該協定で定める日数について時間単位で与えることができる。

(3)法令に基づく育児休業又は介護休業で休業した期間は、出勤率の算定に当たっては、出勤しなかったものとして算出することができる。

(4)年次有給休暇の請求権は、これを1年間行使しなければ時効によって消滅する。

(5)年次有給休暇の期間については、原則として、最低賃金又は平均賃金の 100 分の 60 の額の手当を支払わなければならない。

正答(2)

【解説】

(1)誤り。本問の労働者は、まず労基法第 39 条第1項の「6箇月間継続勤務し全労働日の8割以上出勤した労働者」に該当するので、同項の規定により 10 労働日の有給休暇を与えなければならない。次に、この労働者は「6箇月を超えて継続勤務する日から起算した継続勤務年数」が6年あるので、同条第2項の規定により、さらに 10 労働日の有給休暇を与えなければならない。従って、新たに与えなければならない年次有給休暇の日数は 20 日である。18 日ではない。

なお、本問の労働者の労働時間は週当たり 30 時間であるから、労基法第39条第3項第一号の規定には該当せず、また「週以外の期間によつて所定労働日数が定められている」とは記されていないので同項第二号にも該当しないと考えられる。

※ 年次有給休暇の計算方法については、有給休暇の付与日数を参照されたい。

【労働基準法】

(年次有給休暇)

第39条 使用者は、その雇入れの日から起算して6箇月間継続勤務し全労働日の八割以上出勤した労働者に対して、継続し、又は分割した十労働日の有給休暇を与えなければならない。

 使用者は、1年6箇月以上継続勤務した労働者に対しては、雇入れの日から起算して6箇月を超えて継続勤務する日(以下「6箇月経過日」という。)から起算した継続勤務年数1年ごとに、前項の日数に、次の表の上欄に掲げる6箇月経過日から起算した継続勤務年数の区分に応じ同表の下欄に掲げる労働日を加算した有給休暇を与えなければならない。ただし、継続勤務した期間を6箇月経過日から1年ごとに区分した各期間(最後に1年未満の期間を生じたときは、当該期間)の初日の前日の属する期間において出勤した日数が全労働日の8割未満である者に対しては、当該初日以後の1年間においては有給休暇を与えることを要しない。

6箇月経過日から起算した継続勤務年数 労働日
1年 1労働日
2年 2労働日
3年 4労働日
4年 6労働日
5年 8労働日
6年 10労働日

 次に掲げる労働者(1週間の所定労働時間が厚生労働省令で定める時間以上の者を除く。)の有給休暇の日数については、前2項の規定にかかわらず、これらの規定による有給休暇の日数を基準とし、通常の労働者の1週間の所定労働日数として厚生労働省令で定める日数(第一号において「通常の労働者の週所定労働日数」という。)と当該労働者の1週間の所定労働日数又は1週間当たりの平均所定労働日数との比率を考慮して厚生労働省令で定める日数とする。

 1週間の所定労働日数が通常の労働者の週所定労働日数に比し相当程度少ないものとして厚生労働省令で定める日数以下の労働者

 週以外の期間によつて所定労働日数が定められている労働者については、1年間の所定労働日数が、前号の厚生労働省令で定める日数に1日を加えた日数を1週間の所定労働日数とする労働者の1年間の所定労働日数その他の事情を考慮して厚生労働省令で定める日数以下の労働者

④~⑩ (略)

【労働基準法施行規則】

第24条の3 法第39条第3項の厚生労働省令で定める時間は、30時間とする。

②~⑤ (略)

(2)正しい。労基法第 39 条第4項の規定により、労使協定により、時間単位で年次有給休暇を与える対象労働者の範囲、その日数(5日以内に限る。)等を定めた場合において、対象労働者が請求したときは、年次有給休暇の日数のうち当該協定で定める日数について時間単位で与えることができる。

【労働基準法】

(年次有給休暇)

第39条 使用者は、その雇入れの日から起算して6箇月間継続勤務し全労働日の8割以上出勤した労働者に対して、継続し、又は分割した10労働日の有給休暇を与えなければならない。

②及び③ (略)

 使用者は、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときは労働者の過半数を代表する者との書面による協定により、次に掲げる事項を定めた場合において、第一号に掲げる労働者の範囲に属する労働者が有給休暇を時間を単位として請求したときは、前3項の規定による有給休暇の日数のうち第二号に掲げる日数については、これらの規定にかかわらず、当該協定で定めるところにより時間を単位として有給休暇を与えることができる。

 時間を単位として有給休暇を与えることができることとされる労働者の範囲

 時間を単位として与えることができることとされる有給休暇の日数(5日以内に限る。)

 その他厚生労働省令で定める事項

⑤~⑩ (略)

(3)誤り。ここにいう出勤率とは、労基法第39条第1項及び第2項但書の出勤率(8割)のことである。同条第10項の規定により、法令に基づく育児休業又は介護休業で休業した期間は、出勤率の算定に当たっては、出勤したものとみなされる。出勤しなかったものとして算出することは認められない。

【労働基準法】

(年次有給休暇)

第39条 使用者は、その雇入れの日から起算して6箇月間継続勤務し全労働日の8割以上出勤した労働者に対して、継続し、又は分割した10労働日の有給休暇を与えなければならない。

②~⑨ (略)

 労働者が業務上負傷し、又は疾病にかかり療養のために休業した期間及び育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律第2条第一号に規定する育児休業又は同条第二号に規定する介護休業をした期間並びに産前産後の女性が第65条の規定によつて休業した期間は、第1項及び第2項の規定の適用については、これを出勤したものとみなす。

(4)誤り。年次有給休暇の請求権は、労違法第 115 条の規定により2年間行使しなければ時効によって消滅する。1年ではない。

6年以上勤めていて、あまり年次有給休暇を使わないと、年の当初に 40 日間の年次有給休暇が与えられるようにみえるが、これは新たに付与される 20 日間と前年の時効にかかっていない 20 日間の合計で 40 日間となるのである。

【労働基準法】

(時効)

第115条 この法律の規定による賃金の請求権はこれを行使することができる時から五年間、この法律の規定による災害補償その他の請求権(賃金の請求権を除く。)はこれを行使することができる時から2年間行わない場合においては、時効によつて消滅する。

※ 労基法第115条は、出題当時は以下のようになっていた。改正により現在は上記のようになっているが、本問の正誤に影響はない。

(時効)

第115条 この法律の規定による賃金(退職手当を除く。)、災害補償その他の請求権は2年間、この法律の規定による退職手当の請求権は5年間行わない場合においては、時効によつて消滅する。

(5)誤り。年次有給休暇の期間については、労違法第 39 条第9項の規定により、平均賃金若しくは所定労働時間労働した場合に支払われる通常の賃金又はこれらの額を基準として厚生労働省令で定めるところにより算定した額の賃金を支払わなければならない。

【労働基準法】

(年次有給休暇)

第39条 使用者は、その雇入れの日から起算して6箇月間継続勤務し全労働日の8割以上出勤した労働者に対して、継続し、又は分割した10労働日の有給休暇を与えなければならない。

②~⑧ (略)

 使用者は、第1項から第3項までの規定による有給休暇の期間又は第4項の規定による有給休暇の時間については、就業規則その他これに準ずるもので定めるところにより、それぞれ、平均賃金若しくは所定労働時間労働した場合に支払われる通常の賃金又はこれらの額を基準として厚生労働省令で定めるところにより算定した額の賃金を支払わなければならない。ただし、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定により、その期間又はその時間について、それぞれ、健康保険法(大正11年法律第70号)第40条第1項に規定する標準報酬月額の30分の1に相当する金額(その金額に、5円未満の端数があるときは、これを切り捨て、5円以上10円未満の端数があるときは、これを10円に切り上げるものとする。)又は当該金額を基準として厚生労働省令で定めるところにより算定した金額を支払う旨を定めたときは、これによらなければならない。

 (略)