問24 労働時間の状況等が一定の要件に該当する労働者に対して、法令により実施することが義務付けられている医師による面接指導に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1)面接指導の対象となる労働者の要件は、原則として、休憩時間を除き1週間当たり40 時間を超えて労働させた場合におけるその超えた時間が1か月当たり100 時間を超え、かつ、疲労の蓄積が認められる者であることである。
(2)面接指導は、労働時間の状況等が一定の要件に該当する労働者の申出により行われる。
(3)医師は、対象となる労働者の面接指導を行うに当たり、勤務の状況、疲労の蓄積の状況の他、心身の状況について確認を行う。
(4)事業者は、面接指導の結果に基づき、当該労働者の健康を保持するため必要な措置について、面接指導が行われた後、遅滞なく、医師の意見を聴かなければならない。
(5)面接指導を行う医師として事業者が指定することのできる医師は、当該事業場の産業医に限られる。
※ 本問は出題後の法令改正により、正答となる肢が複数存在している。
このページは、試験協会が2017年4月に公表した衛生管理者試験問題の解説を行っています。
解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除しました。
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2017年04月公表問題 | 問24 | 難易度 | 長時間労働者に対する面接指導は重要事項である。確実に正答できるようにしておきたい問題である。 |
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長時間労働者の面接指導 | 3 |
問24 労働時間の状況等が一定の要件に該当する労働者に対して、法令により実施することが義務付けられている医師による面接指導に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1)面接指導の対象となる労働者の要件は、原則として、休憩時間を除き1週間当たり40 時間を超えて労働させた場合におけるその超えた時間が1か月当たり100 時間を超え、かつ、疲労の蓄積が認められる者であることである。
(2)面接指導は、労働時間の状況等が一定の要件に該当する労働者の申出により行われる。
(3)医師は、対象となる労働者の面接指導を行うに当たり、勤務の状況、疲労の蓄積の状況の他、心身の状況について確認を行う。
(4)事業者は、面接指導の結果に基づき、当該労働者の健康を保持するため必要な措置について、面接指導が行われた後、遅滞なく、医師の意見を聴かなければならない。
(5)面接指導を行う医師として事業者が指定することのできる医師は、当該事業場の産業医に限られる。
※ 本問は出題後の法令改正により、正答となる肢が複数存在している。
正答(1)及び(5) 試験協会の公表した正答は(5)であるが、働き方改革関連法の施行により(1)も正答となる。
【解説】
(1)誤り。面接指導の対象となる労働者の要件は、安衛則第 52 条の2第1項本文の規定により、原則として、休憩時間を除き1週間当たり 40 時間を超えて労働させた場合におけるその超えた時間が1か月当たり 80 時間を超え、かつ、疲労の蓄積が認められる者である。なお、本問の公表時には正しい肢であった。
【労働安全衛生法】
(面接指導等)
第66条の8 事業者は、その労働時間の状況その他の事項が労働者の健康の保持を考慮して厚生労働省令で定める要件に該当する労働者(中略)に対し、厚生労働省令で定めるところにより、医師による面接指導(問診その他の方法により心身の状況を把握し、これに応じて面接により必要な指導を行うことをいう。以下同じ。)を行わなければならない。
2から5 (略)
【労働安全衛生規則】
(面接指導の対象となる労働者の要件等)
第52条の2 法第66条の8第1項の厚生労働省令で定める要件は、休憩時間を除き1週間当たり40時間を超えて労働させた場合におけるその超えた時間が1月当たり80時間を超え、かつ、疲労の蓄積が認められる者であることとする。ただし、次項の期日前1月以内に法第66条の8第1項又は第66条の8の2第1項に規定する面接指導を受けた労働者その他これに類する労働者であつて法第66条の8第1項に規定する面接指導(以下この節において「法第66条の8の面接指導」という。)を受ける必要がないと医師が認めたものを除く。
2及び3 (略)
(2)正しい。安衛則第52条の3により、面接指導は、労働時間の状況等が一定の要件に該当する労働者の申出により行うものとされている。
【労働安全衛生法】
(面接指導等)
第66条の8 事業者は、その労働時間の状況その他の事項が労働者の健康の保持を考慮して厚生労働省令で定める要件に該当する労働者(中略)に対し、厚生労働省令で定めるところにより、医師による面接指導(問診その他の方法により心身の状況を把握し、これに応じて面接により必要な指導を行うことをいう。以下同じ。)を行わなければならない。
2から5 (略)
【労働安全衛生規則】
(面接指導の実施方法等)
第52条の3 法第66条の8の面接指導は、前条第1項の要件に該当する労働者の申出により行うものとする。
2及び3 (略)
(3)正しい。安衛則第52条の4の規定により、医師は、対象となる労働者の面接指導を行うに当たり、勤務の状況、疲労の蓄積の状況の他、心身の状況について確認を行うものとされている。
【労働安全衛生法】
(面接指導等)
第66条の8 事業者は、その労働時間の状況その他の事項が労働者の健康の保持を考慮して厚生労働省令で定める要件に該当する労働者(中略)に対し、厚生労働省令で定めるところにより、医師による面接指導(問診その他の方法により心身の状況を把握し、これに応じて面接により必要な指導を行うことをいう。以下同じ。)を行わなければならない。
2から5 (略)
【労働安全衛生規則】
(面接指導における確認事項)
第52条の4 医師は、法第66条の8の面接指導を行うに当たつては、前条第1項の申出を行つた労働者に対し、次に掲げる事項について確認を行うものとする。
一 当該労働者の勤務の状況
二 当該労働者の疲労の蓄積の状況
三 前号に掲げるもののほか、当該労働者の心身の状況
(4)正しい。安衛則第 52 条の7の規定により、事業者は、面接指導の結果に基づき、当該労働者の健康を保持するため必要な措置について、面接指導が行われた後、遅滞なく、医師の意見を聴かなければならない。
【労働安全衛生法】
(面接指導等)
第66条の8 (略)
2及び3 (略)
4 事業者は、第一項又は第二項ただし書の規定による面接指導の結果に基づき、当該労働者の健康を保持するために必要な措置について、厚生労働省令で定めるところにより、医師の意見を聴かなければならない。
5 (略)
【労働安全衛生規則】
(面接指導の結果についての医師からの意見聴取)
第52条の7 法第66条の8の面接指導の結果に基づく法第66条の8第4項の規定による医師からの意見聴取は、当該法第66条の8の面接指導が行われた後(中略)、遅滞なく行わなければならない。
(5)誤り。安衛法第 66 条の8は、「医師による面接指導」としており、産業医でなければならないとはしていない。なお、面接指導は、平成 20 年4月以降は 50 人未満の事業者も対象となっているので、産業医に限定することは不可能である。