第1種衛生管理者試験 2017年4月公表 問08

第二種酸素欠乏危険作業に該当するもの




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合格

 このページは、試験協会が2017年4月に公表した衛生管理者試験問題の解説を行っています。

 解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除しました。

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2017年04月公表問題 問08 難易度 酸欠危険場所は基本的な内容である。確実に正答しておきたい。
酸素欠乏症等防止規則

問8 次の作業のうち、第二種酸素欠乏危険作業に該当するものはどれか。

(1)海水が滞留したことのあるピットの内部における作業

(2)相当期間密閉されていた鋼製のタンクの内部における作業

(3)果菜の熟成のために使用している倉庫の内部における作業

(4)第一鉄塩類を含有している地層に接するたて坑の内部における作業

(5)ドライアイスを使用して冷蔵を行っている保冷貨物自動車の内部における作業

正答(1)

【解説】

労働安全衛生法では1、2・・・と数字が並ぶと、だいたいは1の方が危険で、2、3と数字が大きくなるにつれて安全になるのだが、酸素欠乏危険場所だけは例外である。第1種酸素欠乏危険場所は酸欠の危険があるだけだが、第2種酸素欠乏危険場所は酸欠に合わせて硫化水素中毒の危険性もある場所である。

そして、第1種酸素欠乏危険作業と第2種酸素欠乏危険作業は酸欠則第2条第7号と第8号に定義があり、安衛令別表第6の酸素欠乏危険場所によって区別されている。第2種酸素欠乏危険場所は腐敗するようなものがあるところだと考えればよい。

【労働安全衛生法施行令】

別表第6 酸素欠乏危険場所(第六条、第二十一条関係)

 次の地層に接し、又は通ずる井戸等(井戸、井筒、たて坑、ずい道、潜函、ピツトその他これらに類するものをいう。次号において同じ。)の内部(次号に掲げる場所を除く。)

 (略)

 第一鉄塩類又は第一マンガン塩類を含有している地層

ハからホ (略)

二から三の二 (略)

三の三 海水が滞留しており、若しくは滞留したことのある熱交換器、管、暗きよ、マンホール、溝若しくはピツト(以下この号において「熱交換器等」という。)又は海水を相当期間入れてあり、若しくは入れたことのある熱交換器等の内部

 相当期間密閉されていた鋼製のボイラー、タンク、反応塔、船倉その他その内壁が酸化されやすい施設(その内壁がステンレス鋼製のもの又はその内壁の酸化を防止するために必要な措置が講ぜられているものを除く。)の内部

五及び六 (略)

 穀物若しくは飼料の貯蔵、果菜の熟成、種子の発芽又はきのこ類の栽培のために使用しているサイロ、むろ、倉庫、船倉又はピツトの内部

八及び九 (略)

 ドライアイスを使用して冷蔵、冷凍又は水セメントのあく抜きを行つている冷蔵庫、冷凍庫、保冷貨車、保冷貨物自動車、船倉又は冷凍コンテナーの内部

十一及び十二 (略)

【酸素欠乏症等防止規則】

(定義)

第2条 この省令において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

一から五 (略)

 酸素欠乏危険作業 労働安全衛生法施行令(昭和四十七年政令第三百十八号。以下「令」という。)別表第6に掲げる酸素欠乏危険場所(以下「酸素欠乏危険場所」という。)における作業をいう。

 第一種酸素欠乏危険作業 酸素欠乏危険作業のうち、第二種酸素欠乏危険作業以外の作業をいう。

 第二種酸素欠乏危険作業 酸素欠乏危険場所のうち、令別表第六第三号の三、第九号又は第十二号に掲げる酸素欠乏危険場所(同号に掲げる場所にあつては、酸素欠乏症にかかるおそれ及び硫化水素中毒にかかるおそれのある場所として厚生労働大臣が定める場所に限る。)における作業をいう。

 (略)

(1)第2種酸素欠乏危険作業である。海水が滞留したことのあるピットの内部は、安衛令別表第6第三号の三に定められており、酸欠則第2条第八号により第2種酸素欠乏危険作業となる。

(2)第1種酸素欠乏危険作業である。相当期間密閉されていた鋼製のタンクの内部は、安衛令別表第6第四号に定められており、酸欠則第2条第七号により第1種酸素欠乏危険作業となる。

(3)第1種酸素欠乏危険作業である。果菜の熟成のために使用している倉庫の内部は、安衛令別表第6第七号に定められており、酸欠則第2条第七号により第1種酸素欠乏危険作業となる。

(4)第1種酸素欠乏危険作業である。第一鉄塩類を含有している地層に接するたて坑の内部は、安衛令別表第6第一号ロに定められており、酸欠則第2条第七号により第1種酸素欠乏危険作業となる。

(5)第1種酸素欠乏危険作業である。ドライアイスを使用して冷蔵を行っている保冷貨物自動車の内部は、安衛令別表第6第十号に定められており、酸欠則第2条第七号により第1種酸素欠乏危険作業となる。

2020年08月08日執筆