豊洲市場で発生した小型運搬車のターレット(ターレットトラック)に乗った男性がエレベータの扉とターレットの「背もたれ」に頸部を挟まれて死亡した労働災害事例について考えます。
事前に予防することができなかったかについて検討しています。
- 1 事故の経緯
- (1)事件の発生
- (2)事件についての疑問点
- (3)事件の経緯
- 2 事故の本質と問題点
- (1)「ルールを守らなかったのだから労働者が悪い」のか
- (2)ルールを決めるという対策だけで十分なのか
- 3 最後に
1 事故の経緯
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(1)事件の発生
2019年4月8日、朝日新聞、毎日新聞、NHKなど報道数社が、豊洲市場で小型運搬車のターレット(ターレットトラック)に乗った男性がエレベータの扉とターレットの"背もたれ"に頸部を挟まれて死亡したという痛ましい事故を報じた。亡くなった方のご冥福をお祈りするとともに、遺族及び関係者の方に心よりお悔やみを申し上げたい。
(2)事件についての疑問点
この事故について分かっていることは、報道各社が短く報じたもののみなので、軽々に論評することは差し控えるべきかもしれない。しかし、報道されたことの中で、災害防止の観点から、いくつか気になることがある。災害発生の本質的なことなので、簡単に論じておきたい。
報道の中で気になることとは、次の3点である。
【豊洲タ―レ事故の報道で気になること】
- ① 事故のあったエレベータは、ターレットに乗ったまま入ることができるものである。入る前に一旦停止するルールになっていたが、この事件では被災者がそれを守らなかったという趣旨の、被災者に一方的な責任があるかのような説明を都が行ったと報道されていること。
- ② 同種の負傷災害が昨年10月から3件発生しており、また、事故後のインタビューで、これまでもターレットに乗っていてエレベータの扉にぶつかったヒヤリハット災害が多いなどの証言があること。
- ③ 写真や映像で見る限り、エレベータの扉は鋼鉄製で、激突すれば重大な事故になることは予想がつくと思われること。
(3)事件の経緯
ア 事故関連施設の状況等
まず、事故の状況について簡単に説明しておこう。なお、先ほども断ったが、あくまでも短い報道内容からの判断なので、事実関係が実際と異なっている可能性があることをお断りしておく。あくまでも報道された事実関係はこうなっているということで、ご理解いただきたい。
まず、事故が発生したエレベータとターレットについて、簡単に説明しよう。
(ア)エレベータ及び扉
被災したエレベータは、高さ3m、奥行き4.5mで、先述したようにターレットに乗ったまま入ることができるものである。扉は上から下へ向かって閉まるようになっており、鋼鉄製の3段の扉だった。
エレベータの扉には、何かに接触すると上昇するセンサーが取り付けられていた。都によれば、このセンサーは、今回の事故の際にも作動可能な状態だったという。その上で、都は、作動したのであるから、センサーの「改修は検討しない」としているという。
しかし、作動したにもかかわらず事故を防げなかったのであるから、そもそも今回のような事故の防止には役に立たないものだったということである。報道が事実とすれば、都の主張は理解に苦しむものと言わざるを得ない。
(ア)ターレット
※ 図をクリックすると拡大します
資料出所:毎日新聞2019年04月08日記事「運搬車「ターレ」運転の男性死亡 エレベーターの扉に挟まれ 東京・豊洲市場」(記事の内容と写真は無関係)
図2:ターレットの例
報道されたところによれば、問題の発生したターレットは一人乗りの荷物搬送車で、運転者は、円筒形の運転台と背もたれの間の小さな空間に、立ったままで乗る構造である。操作は、円筒形の運転台の上にあるハンドルで行う。荷物は背もたれの後ろに固定された荷台に乗せることとなる。
なお、運転席の形状が小型のリーチフォークリフトに似ており、リーチフォークリフトと同じように、背もたれにもたれかかって運転すると姿勢が安定するのではないかと思われる。
イ 被災時の状況等
報道によると、防犯カメラに事故発生時の様子が写っているとのことである。その画像によると、被災したターレットは、運転者が搭乗したまま、扉が3分の1程度閉まりかけていた状態のエレベータに入ろうとして事故に遭ったという。
その報道が正しければ、事故の直接の原因が被災者の不安全行動にあったということはいえるかもしれない。だが、問題は、なぜ被災者が不安全な行動をとったかである。誰も事故に遭いたいと思ってはいないのだ。
にもかかわらず、不安全な行動をとったのはなぜなのか、そこを明確にしない限り、事故の再発は防げないのである。だが、そのことはひとまず後に回し、災害発生までの状況をみてみよう。
ウ 過去の同種災害等の発生状況
(ア)同種災害等の発生状況
朝日新聞(※)によると、「警視庁によると、豊洲市場では昨年10月の開場以降、エレベーターの扉にぶつかる事故がほかに3件起きており、都は業界団体と連携して安全対策の強化を検討するという」とされている。すなわち、同種の軽度の災害は、それまでに数件程度発生していたようだ。
※ 朝日新聞DIGITAL2019年04月08日記事「豊洲市場、過去にもターレで死亡事故 都が再発防止検討」
また、TOKYO MX NEWSの当日の報道において、ターレットの運転者と思われる「市場関係者」がインタビューに答えている。それによると、「普通のエレベータは横に開くが(市場は)縦だから慣れていないのでは」「ドアも大きいし重量もある。頭をぶつけてけがをする人も多い」「角にクッションみたいなものもないから当たるとかなり痛いんだよ」と述べている。
すなわち、負傷災害に至らないまでも扉にぶつけて痛みを感じる程度の「ヒヤリハット事故」は頻発していたと思われるのである。
(ア)同種災害等への都の対応
資料出所:日刊ゲンダイ4月9日記事より
図3:東京都がエレベータ脇に貼った注意表示
毎日新聞(※)によると、2019年2月に、別のエレベータで、ターレットで乗り込もうとして扉と接触して負傷災害となった例があった。この災害を契機として、都は、乗り込む前に一時停止するようルールを定め、周知するために張り紙をしたとされている。
※ 毎日新聞2019年04月08日記事「豊洲市場で相次ぐターレ事故」より。
すなわち、いずれにせよ東京都は、ターレットがエレベータの扉に激突することによる事故が発生していることを認識しており、同種災害を防止しなければならないと感じていたことがここから分かる。
ところで、この張り紙は日刊ゲンダイ(※)に写真が載っている。大きさまでは分からないが、赤いテープで「一時停止 エレベーターのシャッターによる重大事故が発生しております。エレベータの乗り降りは慎重に。東京都」と書かれている。この張り紙で事故が防げると、東京都が本気で信じていたのかどうかは分からない。
※ 日刊ゲンダイ2019年04月09日記事「豊洲市場"戦慄のエレベーター" ターレ死亡事故には予兆があった」
2 事故の本質と問題点
(1)「ルールを守らなかったのだから労働者が悪い」のか
ア 東京都は責任がないと考えているのか
繰り返すが、報道各社が報じた「東京都側の説明」によると、ターレットのままエレベータに入るときは、その前に一旦停止することを、東京都がルール化して張り紙で周知していたにもかかわらず、被災者がそれに従わずに事故に遭ったという。確かに、防犯ビデオが残っているとのことなので、そのこと自体は事実なのだろう。
なお、念のために断っておくが、報道各社の論調からは、全面的に被災者に責任があるというニュアンスは感じられない。
一方、都がそのように考えているのではないかという印象を、私は報道から受けた(※1)。例えば、先述した日刊ゲンダイの記事は、都と豊洲市場協会が共同で発表したコメント(※2)に対して「あたかも『ターレの操縦者が悪い』と言わんばかりだ」と明確に指摘している。
※1 朝日新聞DIGITAL2019年04月08日記事「豊洲市場、過去にもターレで死亡事故 都が再発防止検討」によれば、都は、今後対策を考えるとのことなので、必ずしも被災のみに責任があるとは考えていないようにも思われる。
※2 このコメントは東京都及び豊洲市場のWEBサイトには載っていない。
イ 東京都に責任がないと考えるのは誤りだ
(ア)労働者のルール違反に、管理者の責任はないのか
しかし、被災者のルール違反で発生した事故なのだから、都には責任がないなどと都が考えているとすれば、そのような考え方は誤りだと言わざるを得ない。
その理由は、都が対策=ルールを定めて張り紙で周知=を行ったにもかかわらず、事故は発生したという事実を指摘するだけでも十分であろう。少なくとも、結果論として、現に災害が発生したのだから、都のとった対策には効果はなかったのである。
すなわち、都が十分な対策をとったにもかかわらず、想定できないような異常な行動を労働者がとったために事故が発生したとでも証明できない限り、都に責任がないなどとは言えないのである。
(イ)あまりにもおざなりな対策ではないか
では、ルールを定めて張り紙をするという対策は十分なものだったのだろうか。私には、到底、そうは思えない。
後に詳しく述べるが、ルールを定めて張り紙をすれば事故は起きなくなるなどと、単純に信じていたとすれば、あまりにも無知・無理解としか言いようがないだろう。
ウ ルールというものは定めるだけでは意味はない
また、ルールというものは、守ることができるようにしなければ意味はないのである。具体的には、①対象者に確実に伝わるように周知し、②それを遵守する必要があると理解させ、かつ③実際に守らせなければ、何の意味もないのである。
安全衛生の実務において、それまで守られていなかったことを守らせるためには、かなりの努力が必要なのだ。直接、企業に雇用されている労働者でさえ、企業が本気だと分からせない限り、労働者は上司の目の前でさえルール違反をするものなのである。
守られないルールなど、たんなる「作文」にすぎないのだということを認識する必要があろう。
(ア)関係者に対して伝わったのか
まず、本件は関係者に伝わっただろうか? エレベータの脇に張り紙をしただけでは、常識で考えても、読まない者の方が多いだろう。それとも豊洲には、エレベータの脇にある張り紙は必ず読むという慣習でもあったとでもいうのだろうか。あまりにもいい加減な周知方法である。
豊洲のターレットの運転者は仕事をしているのである。しかも歩行しているわけではない。ターレット運転者が壁の張り紙をいちいち見るなどとは考え難いことである。我々が、車を運転していて町内会の掲示板の前でいちいち止まって張り紙を確認しないのと同じことである。
そもそもルールなどというものは、ミーティングで上司から、直接、伝えてさえ、なかなか伝わらないものなのである。
【問題点1】
張り紙を張るだけで、ルールが伝わるだろうか。関係者にその内容が伝わらないルールは、定めていないのと同じなのである。
(イ)関係者はそれを遵守する必要性を理解できたのか
ルールというものは、関係者に対して、①それには効果があり、かつ②それを守る必要があると教育やミーティングによって理解させなければならない。また、それを守っても仕事の遂行に著しく支障をきたさないようにしておく必要がある。そこまでして、ルールはルールとして機能するのだ。
それをしないルールなどたんなる「形式」に過ぎないのだ。これをせずに、「ルールを決めたのだから守らない者が悪い」などと言っているだけでは、事故は無くならないのである。
仮にターレットの運転者が、都の張り出した短い文書を読んだとしても、一旦停止の必要性が伝わったとは私には思えない。表題には「一時停止」とあるのだが、本文には「乗り降りは慎重に」と書かれているだけである。いったい、どうしろというのか。
【問題点2】
ルールを決めたものは、関係者に対して、その必要性を理解できるように説明しなければならない。東京都の作成した簡単な張り紙を読んだとして、その必要性が理解できるだろうか。
(ウ)守られていることを都の責任者は検証したのか
そもそも、有効な対策を取った場合でさえ、実施した後には、必ずその効果を検証しなければならない。そして効果がないと判明すれば、新たな対策を取らなければならないのである。
この場合の検証とは、実際にルールが守られており、その結果、災害が発生するおそれがないと確認することであろう。
どのような対策でも、実施したら、検証しなければならないことはビジネスの常道であろう。都は、張り紙をして、その結果、ルールが遵守されていることを確認したのだろうか。PDCAのCが行われていたのだろうか。
仮に、都がその効果=実際にルールが守られているかどうか=について検証していなかったとすれば、そのような対策はアリバイに過ぎないと言われても反論できないのではないだろうか。
そして、報道を私が調べた範囲内では、残念ながら、都がそのような検証を行ったというものは見当たらないようなのである。
単なる張り紙をしただけで対策を取ったつもりだったとすれば、先述したように、それはたんなるアリバイに過ぎないのである。
【問題点3】
効果を検証しない対策は、たんなるアリバイに過ぎない。効果があると確認されて、はじめてその対策は「対策」になるのである。検証さえしないのでは、「対策」を講じたことにはならないのではないか。
エ ルールを定めたにもかかわらず事故は起きたのだ
そもそもどのような対策も、効果がなければ、意味はなかったということにしかならない。2月に事故が発生し、対策(ルールを定めて張り紙で周知)を取り、4月に死亡災害が発生したのである。すなわち、東京都は前兆があったにもかかわらず、重大な災害を発生させたのである。
報道から判断する限り、都に責任がないなどとは私には思えない。事故を防止するための貴重な機会(2月の事故)があったにもかかわらず、ほとんどアリバイでしかないような対策しか取らずに、4月に死亡災害が発生したとしか、言いようがないのである。
【問題点4】
対策を講じてから、2か月以内に災害が発生したのである。すなわちその対策には効果がなかったのだ。であれば、(結果的に)都は意味のある対策は取らなかったと言えるのではないだろうか。
(2)ルールを決めるという対策だけで十分なのか
ア 対策の基本は、本質安全化、次に工学的対策
東京都の行ったルールを定めてそれを守らせるというのは、災害防止対策の中では「管理的対策」に位置づけられる。すなわち、労働者の行動に頼って、事故を防ぐという思想である。
しかしながら、事故・災害というものは、労働者の不安全行為が原因の一つとなって発生することが多いのだ。すなわち、労働者の自覚に待つ対策というものは完全ではないのである。
人間は、疲労、誤解、無知などのため、常に不安全行為をする可能性があるのだ。そのことを前提にした対策が必要なのである。そのため、災害対策の基本は、危険なもの(危険源=ハザード)をなくしたり、少なくしたり、あるいは人と危険源を完全に離隔する「本質安全化」が最も優先されるべきなのである。
そして、どうしても危険源をなくせない場合に、機械設備によって危険源から人を守る「工学的対策」が求められるのである。
管理的対策は、その後にくるものなのだ。ルールを作ったのだから、あとはそれを守らない者が悪いなどという発想は、安全対策などとは言えないのである。
イ 考えられる本質安全化の対策
この事故の場合、本質安全化として、どのようなことが考えられるだろうか。やや極端な対策としては、エレベータをなくしてしまうということがある。豊洲市場全体を平屋にするか、上下階への異動にスロープを用いるようにするということである。だが、安全のためにはそれが望ましいかもしれないが、あまり現実的ではないだろう。
次に考えられるのは、エレベータのドアのエネルギーの減少である。図4は当日のANN NEWSの一場面である。このエレベータは、事故を起こしたエレベータとは別なものである。
先ほどの図1と見比べて欲しい。図1のエレベータの扉は鋼鉄製であるが、これは硬質ビニールでできているようだ。扉は上から下へ向かって閉めるのであるから、エネルギーは小さくてもいいだろう。
実際にこのビニール製の扉を下げるエネルギーがどの程度かは分からないが、無意味に大きなエネルギーにするわけはないだろう。扉の重量程度のエネルギーだったとすれば、扉とターレットの背もたれの間に挟まれても重大な事故にはならなかったのではなかろうか。
すべてのエレベータの扉をこのようなものにしておけば、今回の事故は発生しなかった可能性は高いと思われるのである。
ウ 工学的対策もないわけではない
(ア)へーどガードの設置
工学的な対策もないわけではない。ターレットにヘッドガードを付けさせるという方法もないわけではないのである。もちろん、エレベータの閉まる力で破損しないことが前提ではあるが。
(イ)ターレット前部へのバーの装着
また、閉まりかけたエレベータに入ることを防止する手段として、ターレットの前部に、エレベータの開口部の高さより若干低い硬質プラスチックのバーを立てることを義務付けることも考えられるだろう。そうすれば、誰も閉まりかけた扉に飛び込もうとはしなくなる。
(ウ)エレベータ側の対策
また、例えば、エレベータの扉が下がるときに、先行して多くの紐につるされたプラスチック製のボールを下ろすような仕組みでも作っておけば、閉まりかけた扉にターレットに乗ったまま入ろうとは、誰もしなくなるだろう。
もちろん、ボールや紐がエレベータに絡まるようなことがないようにしなければならないが、強度の弱いものを用いておけば、仮にその仕組みが故障して絡まっても大事故になるようなことはない。
エ センサに意味がなかったことは明確
先述したように、エレベータの扉には、何かに接触すると上昇するセンサーが取り付けられていた。そして、都は、このセンサーは、今回の事故の際にも作動したのだから、センサーの「改修は検討しない」としているという。
すでに述べたが、このような考え方は、あまりにも馬鹿げている。患者は死にましたが手術は成功しました、と言っているようなものだろう。センサーが働いていたにもかかわらず、事故は起きたのだからセンサーは役に立たないことが、この事故で証明されたのである。
他の対策を取らなければ、事故は再発するだろう。このようなことを担当者が言うような職場風土だから事故が起きるたのだ。
オ 管理的対策にしても、より確実な方法があったはず
また、たんにルールを決めただけにしても、もう少し確実な方法があったはずだ。①関係事業者を集めて注意喚起し、ミーティングなどで運転手に対して徹底するよう指導する、②パトロールの際に一旦停止していない者を見つけた場合に指導するなど、都は本気だということを分からせる手段は他にもあったはずだ。
張り紙だけでは、効果があがるはずもないのである。
3 最後に
最後になるが、事故・災害などというものはほとんどの場合に前兆があるものである。前兆が起きたときに、それが事故の前兆だと適切に評価し、それに対して適切な対応がなされれば多くの事故は防げるのである。
今回の事故も前兆はあった。2月に負傷災害が発生した。また、ヒヤリハット事例も多く起きていたようである。ハインリッヒの法則を地で行くような事件なのである。
これに対して、都はルールを定めて張り紙をするというおざなりな対策しかとらなかった。ANN NEWSによれば、都の職員は「本来エレベーターに乗る際は一時停止すべきルールになっていたが、今回は扉が上から3分の1閉まったところに乗り込もうとしたとみられる」と説明したとされる。
そして、その徹底のために「表示をする」などの注意喚起を図っていたというのである。
今回の都の対応は、いかにもおざなりだったと言わざるを得ないのではないだろうか。ルールを作って表示をしさえすればよいという発想がこの説明から垣間見えるのである。都が、このような発想をしているからこそ事故が起きたのだと思うのは私だけだろうか。