= 労働安全衛生コンサルタント試験(筆記試験)の得点状況 2025 年度版 =

安全衛生コンサルタント試験の最近の難易度の動向




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レクチャーをする女性

※ イメージ図(©photoAC)

労働安全衛生コンサルタント試験は、筆記試験と口述試験があり、筆記試験は、専門一般(択一)、関係法令(択一)、専門(記述)の3科目に分かれています。しかし、ここ数年、急速に難易度が高まっているといわれています。

一般に将来性のある資格は、受験者数が増加する傾向にあり、必然的に難易度が高くなってゆく傾向があります。そのような資格は、将来のキャリアを有利にするために、また、リスキリングのためにも「ねらい目」の試験であるということができます。

本稿では、過去5年間の受験者の実際の得点状況を分析し、労働安全衛生コンサルタントについての難易度の変化を解説しています。結論を言えば、難易度は急速に高まっており、将来の自己価値の向上のために受験しておくことが望ましい試験と言えます。

労働者の職業性疾病の防止や健康の確保は、SDGsの高まりの中で、その重要性を今後とも増してゆくことでしょう。本稿では、択一試験の最近の各科目ごとの得点分布状況をお示ししています。これからの産業界に必要不可欠な専門家への登竜門であるコンサルタント試験の受験をお勧めします。



1 得点分布の調査の方法と回答数

執筆日時:


(1)調査の方法

学習する医療関係者の男女

※ イメージ図(©photoAC)

本稿の得点分布の調査の方法は、当サイトを閲覧頂いている方に対してWEB上でお願いし、2021年度(令和3年度)から、実際の試験で解答した内容のアンケート調査を行うことによっている。

なお、解答を入力して頂いた方には、メリット(incentive)として会員サイトのIDコードとパスワードをお知らせしている。会員サイトにおいては、それまで一般に公開していた試験直後の「正答予想」を会員サイトに移動したほか、メールまたは掲示板でご報告いただいた口述試験の結果を掲載している。


(2)回答数

実際に回答して頂いた方の数は、次のようになった。いずれも筆記試験の実施日から口述試験の最終日までにご入力を頂いた方の統計である。

表:回答者数
実施年度
2021年度 2022年度 2023年度 2024年度 2025年度
労働衛生 労働衛生法令 143 193 275 324 355
労働衛生一般 51 68 101 108 162
労働安全 産業安全法令 269 243 214 297 339
産業安全一般 252 246 209 294 330

※ 半数以上の問題について「無解答/忘れた」と解答した方、及び、筆記試験全免除の受験者で架空の値を入力したことが判明した方のデータは統計から除いた。

なお、重複して入力したと思われる方(メールアドレスの一致、氏名(ハンドルネーム)が酷似し解答状況が完全一致など)のデータは、最後の入力のみを残した。

ここで、労働衛生コンサルタント試験について回答して頂いた方の数は年を追うごとに増加しているのに対し、労働安全コンサルタントの方は 2023 年度までは減少したが 2024 年度に急増したのが分かると思う。この原因は必ずしも明確ではない。安全コンサルタントの 2023 年度までの減少は難易度が高くなったためとも思える(※)が、それでは 2024 年度の急増の説明がつかない。

※ 回答をして頂いた方には会員サイトの ID コードを発行しているのだが、会員サイトには正答の予測と口述試験の過去問が掲示されている。おそらく、安全コンサルタント試験の 2023 年度までは筆記試験を受けた方が、合格をあきらめてしまったために、回答数も落ち込んだというのが理由のように思える。

ガッツポーズの男性

※ イメージ図(©photoAC)

では、受験者のうちどの程度の割合の方が回答して頂いたのだろうか。2024 年度の労働安全衛生コンサルタント試験の筆記試験の受験者数は、(公財)安全衛生技術試験協会の「統計のページ」によると、安全コンサルタントが 1,503 人、衛生コンサルタントが 858 人とされている(※)

※ 受験申請者数ではなく、欠席者を除いた実際の受験者数である。

実際には、労働安全衛生コンサルタント試験は、各科目を免除される受験者の範囲がきわめて多いので、それぞれの科目については、全体の筆記試験受験者の半数程度しかいないのが実態である(※)

※ 免除を受けた受験者数は公表されていない。なお、労働衛生一般について回答して頂いた方は、労働衛生法令に回答して頂いた方はよりもかなり少ない。これは、労働衛生一般を免除によって受けなかった方(ほぼ全員が医師の方)が多いためである。

そのように考えると、全受験者のかなりの割合の方が解答を寄せて頂いたと考えてよいのではないかと思う。解答数だけを考えれば、統計的には十分に全体を代表できる結果であると考えられる。

ただ、受験の結果を入力して頂いている方は、正答予測や口述試験の過去問が知りたいという方が多いであろうから、本気で受験している受験者や合格の可能性がある受験者に集中している可能性はある。当然のことではあるが、成績は良い方向へバイアスがかかっている(※)と考えるべきであろう。

※ 一方で、極端に正答率の低い解答が、数件、混じっていることも事実である。明らかに問題のあるケースを除き、そのようなものも統計から除いてはいない。

なお、今回のアンケートでは、受験者の属性についてもいくつかの質問をさせて頂いている。氏名(ハンドルネーム可)と受験区分だけは必須入力としたが、他の項目は任意入力としている。実際には、ほとんどすべての方から御回答を頂いた。


2 択一式試験の解答結果

(1)難易度の区分と正答率の分布

ア 難易度区分

択一試験の個々の問題の解答状況はグラフにして各問題の解説の冒頭に掲げている。また、それとは別に正答率から算定した「難易度」を示している。難易度は、正答率によって次のように分類してある(※)

※ 統計を開始した 2021 年度の結果から、すべてのレベルの解答者がほぼ均等になるように、かつ切れの良い区切れになるように設定した。しかし、2024 年度以降は安全コンサルタント試験についてはレベル5の割合が極端に増えてしまった。

表:難易度と正答率
正答率 難易度
80%以上
70%以上 80%未満
60%以上 70%未満
50%以上 60%未満
      50%未満

イ 難易度ごとの問題数分布

その結果、各科目の難易度ごとの問題数は、次のようになった。例えば、2025 年度の労働衛生法令だと、80%以上の方が正答した難易度1の問題は1問もなく、50%未満の方しか正答できなかった難易度5の問題が6問となるわけである。

表:難易度ごとの問題数
年度 難易度 正答率
40%未満
(内数)
労働衛生 労働衛生法令 2025年度
2024年度
2023年度
2022年度
2021年度
労働衛生一般 2025年度
2024年度
2023年度 11
2022年度 16
2021年度
労働安全 産業安全法令 2025年度
2024年度
2023年度
2022年度
2021年度
産業安全一般 2025年度 17 12
2024年度 15
2023年度 12
2022年度 10
2021年度

これまでの5年間の調査では、実施年度によって難易度はややばらつきはあるものの、安全一般については、難易度は年を追うごとに高くなるようである。難易度5の問題や、正答率 40 %未満の問題が、ほぼ一貫して増加している。2025 年度には、産業安全一般は、30 問中、難易度5の問題が 17 問と半数を超えた。しかも、難易度が2以下の問題も減少傾向があるようだ。

また、産業安全法令は、2025 年度はやや緩和したものの、2024 年度までほぼ一貫して難易度が上昇していた。

これに対して、労働衛生については、労働衛生一般も、労働衛生法令も年度によって上下はあるものの、難易度が一貫して上がるという傾向はない。

安全コンサルタント試験は衛生コンサルタント試験よりも筆記が難しいといわれることがある。確かに、この表を見ても、産業安全一般は、労働衛生一般に比して難易度が高いという印象を受ける。これは、実際に解説を作成していてもそのように感じる。

次の図は、労働衛生一般及び産業安全一般のそれぞれの問の正答率を、正答率の高い順に左側から並べたグラフである。このグラフ(折れ線)が下にあるほど難易度が高いということになる。正答率 70% 以上の問題にすべて正答すると、2025 年度の場合、労働衛生一般は 11 問(2023 年度では 13 問。以下、括弧内は 2023 年度のデータ)が正答できるが産業安全一般では9問(9問)しか正答できない。

労働衛生一般及び産業安全一般の正答率

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コンサルタント試験では、合格するには、18 点以上を正答しなければならない。仮に、正答率の高い問題の順に正答できるとすると、2025 年度の労働衛生一般は正答率が 64.0 %( 61.7 %)以上の問題を解ければよい。これに対し、同年度の産業安全一般については、正答率 40.2 %(44.9 %)以上の問題まで解けなければならないのである。

では、労働衛生法令及び産業安全法令についてはどうだろうか。次のグラフを見て頂きたい。2023 年度は産業安全法令の難易度はきわめて高く、これに対して労働衛生法令はかなり低かった。ところが、2024 年度になると産業安全法令は高いままで、労働衛生法令はやや難易度が高くなったのである。そして、2025 年度は、産業安全法令の難度が下がり、労働衛生法令と逆転してしまったのである。

労働衛生法令及び産業安全法令の正答率

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法令は、合格するためには9問以上を正答しなければならない。2025 年度について言えば、労働衛生法令の難易度は高くなり、正答率 50.4 %(39.8 %)までの問題が解かなければならない。これに対し、産業安全法令は正答率 54.7 %(47.6 %)の問題まで解けばよいということになる。

次に、上記グラフについて、労働衛生コンサルタントと労働安全コンサルタントの試験ごとに過去5年の単純平均を取って、法令と一般でどちらが正答率が高いかを比べるためにグラフを重ねてみよう。法令は15問しかないので、法令の最も難しい問は一般の2番目、法令の2番目の問は一般の4番目と、法令は一般の難易度が2倍の試験問題のところにプロットし、空白になる部分は直線でつないでいる。

労働衛生法令及び産業安全法令の一般と法令の対比

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これを見れば分かるように、労働衛生法令は労働衛生一般よりも全体に難易度が高く正答率が低いのである。極端に難易度が低い問題は別として、合格のために必要なレベルの問題では明らかに法令の方が難易度が高い。

一方、産業安全では全体的に産業安全一般は産業安全法令がよりも難易度が低いものの、合否に影響を与えるような問題では難易度にそれほど差はないことが分かる。とは言え、やはり法令の方が難易度が高いということは厳然たる事実であろう。

これは何を意味するだろうか? 合格を有利にするという観点だけから考えるのであれば、平均的な受験者(※1)にとっては、過去5年間の傾向がこれからも続くのであれば、法令を受験するなら一般の免除を受けるべきではないということになる(※2)

※1 もちろん、それぞれの得意分野が何かによって、結論は異なる。また、免除を受けないことで、試験の機会に学習をしておけば、後の仕事に役立つということもあろう。なお、記述式の問題で、60%前後を確保できると仮定してのことである。

※2 労働衛生コンサルタント試験については、とくに 2021 年度は労働衛生法令の難易度が高かったため、この傾向が強かった。

なお、医師の資格を有する受験生はかなりおられ、ほとんどの方が労働衛生法令のみを受験しておられる。医師は法令は不得意だと思われるかもしれないが、次図を見て頂ければお分かりいただけるように、成績は医師以外の受験生(※)より、ややよい傾向がある。

※ 「保有資格」について何らかの回答をされた方で「医師」が含まれている方、及び、仕事が「産業医」であるとされた方を医師とした。なお、歯科医師は医師以外としてカウントした。「保有資格」について解答していない方は、仕事を「産業医」としている方を除き、「医師以外」とした。

労働衛生法令及び産業安全法令の正答率

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医師が筆記試験の成績を下げているというのは、統計を見る限り誤解に過ぎない。


(2)正答数の分布

次に、受験者の正答数の分布をみてみよう。次のグラフは、労働衛生一般及び産業安全一般について、正答した問題数ごとの受験者数(割合)を 2021 年度から 2025 年度までの単純平均で示している。

労働衛生一般及び産業安全一般の正答数の分布

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これを見て分かることは、5年分を平均すれば衛生の方がかなり成績が良く、しかもかなりの差があるということだろう。

合格するためには 18 問以上を正答しなければならない。安全、衛生ともに最頻値は 18 問を上回っている。ただし、他の科目(法令、記述)で高得点を取れば、正答数が 18 問を下回っても逆転合格の可能性はある。

ただし、12 問よりも正答数が少なければ、その時点で不合格である。安全も衛生も足切りになる受験生がいるが、ほとんど学習が進まないうちに「お試し」的な受験をしたケースもあるだろう。

衛生一般について、過去5年分を個別にみると以下のようになっている。受験する年によってかなりのばらつきがあるが、これは解答を入力して頂いた方が少ないためである。

労働衛生一般及び産業安全一般の正答数の分布

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2024年度まで最頻値は 18 問を上回っていた。しかし、最頻値は。2021 年度から 2023 年度まで、年々、下がっており、2024 年度はやや好転したものの、2025 年度には 18 問を下回ってしまった。

なお、12 問未満(足切りの対象)の受験生は全体にかなり少ないが、2025 年度は比較的多かったようだ。

一方、安全一般は、2023 年度まではすべての年度で最頻値が 18 問を上回っていたが、2024 年度に下回り、2025 年度はさらに下がってしまった。また、18 点未満の受験者の割合も増加しつつある。

労働衛生一般及び産業安全一般の正答数の分布

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また、2023 年度まで 12 問未満の受験生はかなり少なかった。しかし、2024 年度以降はは増加しつつある。安全コンサルタント試験については、この5年間では難易度が大きく高まっているといえそうだ。

一方、「法令」について、受験者の正答数の分布の過去5年間の平均をみると、「一般」に比べて全般に成績はあまりよくない。

これは試験問題の解説を作成していても、「法令」は「一般」よりも難しいという印象を強く受ける。あまりにも細かい内容が出題されるのだ。

労働衛生法令及び産業安全法令の正答数の分布

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なお、労働衛生法令と産業安全法令を比較すると、労働衛生法令の方がやや成績が良いことが分かる。とりわけ、5点以下の足切りになる受験者の人数が、衛生法令は安全法令よりも少ないのである。

労働衛生法令の正答数の分布

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労働衛生法令は、2021年度、2022年度ともに最頻値が合格圏の9問を下回っている。ところが、2023年度は最頻値が9問を大きく上回ったばかりか、全体に難易度が下がっている。

ところが、2024 年度には再び難易度が高まったばかりか、過去4年間で最も最頻値が低くなっているのである。しかし、2025 年度はやや好転し、最頻値は9問を下回ったものの、2024 年度よりはよくなった。しかし(もう少し様子を見るべきではあるが)、これまでの傾向からは全体として難易度が上昇傾向にあることは否めないところである。

これは、試験問題の解説を作成していても感じたが、労働衛生の常識的な知識があれば正答できる問題が 2023 年度は多かったように思う。ところが、2024 年度はかなり細かいことが問われている。ある程度、受験年度によって難易度が変動するのはやむを得ない面はあるが、やや極端だった。

一方、2025 年度の労働衛生法令では、裾切り値の6問を下回った受験者は 355 名中 68 名(19.2 %)いる。その意味では難関傾向は続いているといえよう。

産業安全法令の正答数の分布

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労働安全法令は、2021年度、2022年度ともに最頻値が合格圏の9問を上回っていたが、2023 年度は9問を下回ったばかりか全体に難易度が上昇した。

さらに、2024 年度になると最頻値が7問にまで下がったばかりか、裾切り値の6問を下回った受験者が 297 名中 104 名(35.0 %)となった。この時点では難関の試験になっていたといえよう。

ただ、2025 年度にはかなり好転し、最頻値は 2023 年度のレベルまで戻ると共に、裾切り値の6問を下回った受験者が 339 名中 41 名(12.1 %)まで下がった。

さて、ここでも、労働衛生法令について、医師の資格を有する受験者と医師以外の比較をしてみよう。次図を見れば明確だが、医師の方がその他の受験生に比してやや成績が良いことが分かる。

労働衛生法令(医師及び医師以外)の正答数の分布

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医師以外の成績は、最頻値が合格ラインの9問を下回っている。一方、医師の成績は、最頻値が合格ラインを上回っているのである。

ただし、注意しなければならないことは、労働衛生法令で6問から8問の正解をした受験者が、かなりいることである。医師の場合は、その多くが労働衛生一般と衛生管理(記述式)の免除を受けているので、6問から8問の正解をした受験者はそのまま不合格になってしまう。

ところが、医師以外の受験者の多くは労働衛生一般の免除を受けていないのである。そして、労働衛生一般は6割以上の解答をした受験者の割合がかなり高い。そのため、6問から8問の正解をした医師以外の受験者で、合格をした方もかなりいると思われるのである。このため、医師の合格率が、医師以外の受験者の合格率よりも低い可能性は否定できない。

なお、労働衛生一般に関しては、2021 年度は医師で解答の入力を頂いた方は 51 名中3名のみだったが、2022 年度は 68 名中 11 名、2023 年度は 101 名中 36 名、2024 年度は 108 名中 40 名、2025 年度は 162 名中 85 名と徐々に増加しておられる。そこで、2022 年度以降の得点の分布のグラフを次に示しておこう。

労働衛生一般(医師及び医師以外)の正答数の分布

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やはり医師の方が医師以外の受験者の方よりもやや成績は良いようだ。しかも、ほとんどの受験生が合格点の 18 点を上回っているのである。そして、さらに重要なことは、足切りの 12 点を下回っている方はかなり少ないということである。

18 点を上回った分は、衛生法令で9点を下回っていてもその分を補うことになるので、合格できる可能性が高くなることになる。

ただ、医師の方は、免除が受けられるにもかかわらずあえて受験しておられる方なので、そもそも労働衛生一般について自信のある方が多かっただろう。その意味では一般化はできないかもしれない。

また、それぞれの「問題ごとに医師の方と医師以外の方の正答率を見ると、顕著に医師の方が正答率が高い問題があるものの、ほぼ医師と医師以外の方で差はなかった(※)

※ 2024 年度は顕著に医師の方が正答率が高くなっていた。その理由は明確ではないが、医師に有利な問題が多かったことは事実のようだ。

各設問ごとの正答率(医師及び医師以外)

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医師の方が20ポイント以上高かったのは、問27(33.2ポイント:疫学及び統計)の1問だけだが、15 ポイント以上高かったのは、問2(17.1 ポイント:職場における受動喫煙防止)、問8(18.1 ポイント:潜水作業に伴う健康障害)、問 10 (22.4 ポイント:騒音性難聴)、問 14 (19.0 ポイント:過重労働対策)、問 15 (17.7 ポイント:THP指針)の5問があり、医師の方が正答率が高かった問題は計 19 問である。

これに対し、医師の方が 15 ポイント以上低かったのは、問 30 (17.5 ポイント:)の1問のみである。

確かに、15 ポイント以上医師の方が正答率が高い問題は、医師(とりわけ公衆衛生の専門家)の方が有利だろうと思える問題が多い。


3 免除を受けるメリット・デメリットは

学習する男女

※ イメージ図(©photoAC)

最後に昨年度の分析結果で述べたことの繰り返しになるが、このように見る限り、労働衛生コンサルタントに関しては、労働衛生法令を受けるのであれば、労働衛生一般の免除を受けることは、一般的には避けた方がよいことになる。

また、繰り返しになるが、合格後の仕事を適切に行うためにも、試験の免除を受けずに、受験の機会を利用して学習をしておくということも考えられる。試験のためとはいえ、一定の学習の効果は、仕事においても役に立つはずである。

もちろん、それぞれの受験生ごとに、得手不得手があるだろうからなんともいえないが、労働衛生一般の難易度はそれほど高くない。労働衛生一般の免除を受けるのであれば、慎重に検討をした方がよさそうだ。

とくに医師の受験者の方は、ほとんどの方が労働衛生法令のみを受験して、労働衛生一般を受験しておられない。しかし、先述したように、労働衛生法令のみで受験していると、6問から8問を正解しても不合格になってしまう。一方、労働衛生一般の免除を受けていなければ、合格した可能性があるのだ。

医師の方で、法令はあまり得意ではないという方は、労働衛生一般の免除を受けないことも視野に入れた方がよいかもしれない。


4 今後の難易度の動向の予測

(1)労働安全コンサルタント

受験申請者(筆記試験)の推移

図をクリックすると拡大します

さて、労働安全衛生コンサルタント試験の筆記試験について、今後の動向を考えてみよう。

これまで見てきた通り、労働安全コンサルタント試験は、過去5年間に関する限り難易度は高くなる傾向を示している。とりわけ産業安全法令に関しては、2025年度はやや緩和されたものの、2024 年度には裾切り値の6問を下回った受験者が 297 名中 104 名(35.0%)となっていたのである。

産業安全一般も、年を追うごとに正答数の最頻値が低下の傾向があり、2024 年度には 17 点と合格ラインを下回った。さらに、2025 年度には最頻値が 15 点となり、17 点以下の受験者の割合が 78.5 %に達している。

これに対し、図からも分かるように、労働安全コンサルタント試験の受験申請者数は、年を追うごとに増加しているのである。そうなると、試験協会としても、合格率を上げる必要性は感じないであろう。少なくとも安全コンサルタント試験については、今後も難易度は上昇を続ける可能性が否定できないのではなかろうか。


(2)労働衛生コンサルタント

一方、衛生コンサルタント試験については、この4年間で難易度は、上昇下降を繰り返し、安全コンサルタント試験のような上昇傾向は認められない。今後、どうなるかは予断を許さないが、受験申請者数が増えている以上、一般には難易度は上がる方向で動く可能性は高いだろう。

今後、化学物質管理の在り方が、法令依存型の対策から自律的管理に変わろうとしてることからも分かるように、労働衛生管理の方向が、自ら考えて対策を行う方向に大きく舵を切り替えつつあることは間違いのないところである。

その様な中、化学物質管理のみならず、メンタルヘルス対策など、労働衛生の専門家に対する需要は高まることが予想される。

ある意味で、この試験は、今のうちに取得することが強く望まれる試験となりつつあるといえよう。


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