問9 特定機械等であるボイラーに関する次のイ~ニの記述について、労働安全衛生法令上、正しいものの組合せは(1)~(5)のうちどれか。
イ 特別ボイラー溶接士免許及び普通ボイラー溶接士免許の有効期間は2年であるが、特級ボイラー技士免許、一級ボイラー技士免許及び二級ボイラー技士免許の有効期間は5年である。
ロ 事業者は、ボイラーの点火を行うときは、ダンパーの調子を点検し、燃焼室及び煙道の内部を十分に換気した後でなければ、点火を行ってはならない。
ハ 事業者は、伝熱面積が 50 平方メートルの温水ボイラーの据付けの作業を行うときは、当該作業を指揮するため必要な能力を有すると認められる者のうちから、当該作業の指揮者を定め、その者に作業の方法及び労働者の配置を決定させ、作業を指揮させなければならない。
ニ 事業者は、ボイラーの安全弁が2個以上ある場合は、全ての安全弁を最高使用圧力以下で作動するように調整しなければならない。
(1)イ ロ
(2)イ ハ
(3)ロ ハ
(4)ロ ニ
(5)ハ ニ
※ イメージ図(©photoAC)
このページは、2025年の労働安全衛生コンサルタント試験の「産業安全関係法令」問題の解説と解答例を示しています。
解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除しました。
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| 2025年度(令和07年度) | 問09 | 難易度 | ボイラー則関連の問題は、過去問から出題されることが多い。本年度も同様で、確実に正答しておきたい。 |
|---|---|---|---|
| ボイラ災害の防止 | 2 |
※ 難易度は本サイトが行ったアンケート結果の正答率に基づく。(中途段階なので、今後、修正があり得る。)
5:50%未満 4:50%以上60%未満 3:60%以上70%未満 2:70%以上80%未満 1:80%以上
問9 特定機械等であるボイラーに関する次のイ~ニの記述について、労働安全衛生法令上、正しいものの組合せは(1)~(5)のうちどれか。
イ 特別ボイラー溶接士免許及び普通ボイラー溶接士免許の有効期間は2年であるが、特級ボイラー技士免許、一級ボイラー技士免許及び二級ボイラー技士免許の有効期間は5年である。
ロ 事業者は、ボイラーの点火を行うときは、ダンパーの調子を点検し、燃焼室及び煙道の内部を十分に換気した後でなければ、点火を行ってはならない。
ハ 事業者は、伝熱面積が 50 平方メートルの温水ボイラーの据付けの作業を行うときは、当該作業を指揮するため必要な能力を有すると認められる者のうちから、当該作業の指揮者を定め、その者に作業の方法及び労働者の配置を決定させ、作業を指揮させなければならない。
ニ 事業者は、ボイラーの安全弁が2個以上ある場合は、全ての安全弁を最高使用圧力以下で作動するように調整しなければならない。
(1)イ ロ
(2)イ ハ
(3)ロ ハ
(4)ロ ニ
(5)ハ ニ
正答(3)
【解説】
ボイラー則は、比較的条文数が少なく問題とする「ネタ」があまり多くないせいか、過去問と全く同様な内容の選択肢が出題されることが多い。本問の正答率はきわめて高いが、そのことも理由の一つかもしれない。
イ 誤り。特級ボイラー技士免許、一級ボイラー技士免許及び二級ボイラー技士免許の有効期間は定められていない。なお、安衛法の免許又は技能講習修了で有効期間が定められているのは、特別ボイラー溶接士免許及び普通ボイラー溶接士免許のみである。このことは覚えておかなければならない。
なお、本肢は2020年度問9の(2)と同じ趣旨である。
【ボイラー及び圧力容器安全規則】
(免許の有効期間)
第107条 特別ボイラー溶接士免許及び普通ボイラー溶接士免許の有効期間は、2年とする。
2及び3 (略)
ロ 正しい。ボイラー則第 30 条により、事業者は、ボイラーの点火を行うときは、ダンパーの調子を点検し、燃焼室及び煙道の内部を十分に換気した後でなければ、点火を行ってはならない。
なお、本肢は2020年度問9の(5)と同じ趣旨である。
【ボイラー及び圧力容器安全規則】
(点火)
第30条 事業者は、ボイラーの点火を行なうときは、ダンパーの調子を点検し、燃焼室及び煙道の内部を十分に換気した後でなければ、点火を行なつてはならない。
2 (略)
ハ 正しい。ボイラー則第 16 条の規定により、事業者は、伝熱面積が 50 平方メートルの温水ボイラーの据付けの作業を行うときは、その作業を指揮するため必要な能力を有すると認められる者のうちから、当該作業の指揮者を定め、その者に作業の方法及び労働者の配置を決定させ、作業を指揮させなければならない。
【労働安全衛生法施行令】
(就業制限に係る業務)
第20条 (柱書 略)
一~四 (略)
五 ボイラー(小型ボイラー及び次に掲げるボイラーを除く。)又は第6条第十七号の第一種圧力容器の整備の業務
イ及びロ (略)
ハ 伝熱面積が14平方メートル以下の温水ボイラー
ニ (略)
六~十六 (略)
【ボイラー及び圧力容器安全規則】
(ボイラー据付け作業の指揮者)
第16条 事業者は、ボイラー(令第20条第五号イからニまでに掲げるボイラー及び小型ボイラーを除く。)の据付けの作業を行うときは、当該作業を指揮するため必要な能力を有すると認められる者のうちから、当該作業の指揮者を定め、その者に次の事項を行わせなければならない。
一 作業の方法及び労働者の配置を決定し、作業を指揮すること。
二及び三 (略)
ニ 誤(ボイラー則第 28 条第2項)事業者は、ボイラーの安全弁が2個以上ある場合は、全ての安全弁を最高使用圧力以下で作動するように調整しなければならない。
なお、本肢は2020年度問9の(5)、本肢は2017年度問9の(2)と同じ趣旨である。
【ボイラー及び圧力容器安全規則】
(附属品の管理)
第28条 事業者は、ボイラーの安全弁その他の附属品の管理について、次の事項を行なわなければならない。
一 安全弁は、最高使用圧力以下で作動するように調整すること。
ニ~八 (略)
2 前項第一号の規定にかかわらず、事業者は、安全弁が2個以上ある場合において、1個の安全弁を最高使用圧力以下で作動するように調整したときは、他の安全弁を最高使用圧力の3パーセント増以下で作動するように調整することができる。





