労働安全コンサルタント試験 2025年 産業安全関係法令 問04

はい付け、はいくずし等の作業




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※ イメージ図(©photoAC)

 このページは、2025年の労働安全衛生コンサルタント試験の「産業安全関係法令」問題の解説と解答例を示しています。

 解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除しました。

 他の問題の解説をご覧になる場合は、「下表の左欄」、グローバルナビの「安全衛生試験の支援」又は「パンくずリスト」をご利用ください。

 柳川に著作権があることにご留意ください。

2025年度(令和07年度) 問04 難易度 はいに関する問題は2021年度以来である。しかし、基本的な内容であり正答できなければならない。
はい付け・はい崩し  3 

※ 難易度は本サイトが行ったアンケート結果の正答率に基づく。(中途段階なので、今後、修正があり得る。)
5:50%未満 4:50%以上60%未満 3:60%以上70%未満 2:70%以上80%未満 1:80%以上

問4 はい付け、はい崩し等の作業に関する次の記述のうち、労働安全衛生法令上、誤っているものはどれか。

(1)事業者は、はいの崩壊又は荷の落下により労働者に危険を及ぼすおそれのあるときは、当該はいについて、ロープで縛り、網を張り、くい止めを施し、はい替えを行う等当該危険を防止するための措置を講じなければならない。

(2)事業者は、床面からの高さが2メートル以上のはいのはい崩しの作業を行うときは、中抜きを行ってはならない。ただし、当該はいをひな段状に崩すときは、この限りでない。

(3)事業者は、はい付け又ははい崩しの作業を行う場所については、当該作業を安全に行うため必要な照度を保持しなければならない。

(4)事業者は、床面からの高さが2メートル以上のはい(容器が袋、かます又は俵である荷により構成されるものに限る。)については、当該はいと隣接するはいとの間隔を、はいの下端において 10 センチメートル以上としなければならない。

(5)はい作業主任者の職務には、作業の方法及び順序を決定し、作業を直接指揮することが含まれる。

正答(2)

【解説】

問4試験結果

試験解答状況
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はい作業について「産業安全関係法令」で出題されるのは、本サイトが解説を載せている 2012 年以降では2度目の出題である。大手の製造業では、はい作業そのものを禁止している例もあり、あまり馴染みがないかもしれない。

ただ、問題の内容はかなり常識的なものである。受験者は(2)と(4)で迷ったようだが、中抜きは、不整地運搬車、貨物自動車および貨車から荷を卸す作業を行うときについても禁止されており、荷崩れを起こさないために絶対に行ってはならないことである。

(1)正しい。安衛則第 432 条により、事業者は、はいの崩壊又は荷の落下により労働者に危険を及ぼすおそれのあるときは、当該はいについて、ロープで縛り、網を張り、くい止めを施し、はい替えを行う等当該危険を防止するための措置を講じなければならない。

【労働安全衛生規則】

(はいの崩壊等の危険の防止)

第432条 事業者は、はいの崩壊又は荷の落下により労働者に危険を及ぼすおそれのあるときは、当該はいについて、ロープで縛り、網を張り、くい止めを施し、はい替えを行なう等当該危険を防止するための措置を講じなければならない。

中抜き

※ 中抜き(©illustACのイラストにより作成)

(2)誤り。中抜きとは、荷を最上段から崩すのではなく、図にあるように途中の荷を引き抜くことである。これははいの倒壊の原因となる危険な行為であり、安衛則第 431 条第1項(第一号)により、本肢のような例外規定を設けずに禁止されている。

冒頭でも述べたように、中抜きは、不整地運搬車、貨物自動車および貨車から荷を卸す作業を行うときについても禁止規定がある。出題者がどのような状態を想定していたのか考えにくいが、そもそも中抜きをしたら、ひな段状に崩すことは困難であろう。

【労働安全衛生規則】

(はいくずし作業)

第431条 事業者は、床面からの高さが2メートル以上のはいについて、はいくずしの作業を行なうときは、当該作業に従事する労働者に次の事項を行なわせなければならない。

 中抜きをしないこと。

 (略)

 (略)

(3)正しい。安衛則第 434 条により、事業者は、はい付け又ははい崩しの作業を行う場所については、当該作業を安全に行うため必要な照度を保持しなければならない。

【労働安全衛生規則】

(照度の保持)

第434条 事業者は、はい付け又ははいくずしの作業を行なう場所については、当該作業を安全に行なうため必要な照度を保持しなければならない。

(4)正しい。安衛則第 430 条により、事業者は、床面からの高さが2メートル以上のはい(容器が袋、かます又は俵である荷により構成されるものに限る。)については、当該はいと隣接するはいとの間隔を、はいの下端において 10 センチメートル以上としなければならない。

【労働安全衛生規則】

(はいの間隔)

第430条 事業者は、床面からの高さが2メートル以上のはい(容器が袋、かます又は俵である荷により構成されるものに限る。)については、当該はいと隣接のはいとの間隔を、はいの下端において10センチメートル以上としなければならない。

(5)正しい。安衛則第 429 条(第一号)により、はい作業主任者の職務には、作業の方法及び順序を決定し、作業を直接指揮することが含まれる。

【労働安全衛生規則】

(はい作業主任者の職務))

第429条 事業者は、はい作業主任者に、次の事項を行なわせなければならない。

 作業の方法及び順序を決定し、作業を直接指揮すること。

二~五 (略)