問30 厚生労働省の「機能安全による機械等に係る安全確保に関する技術上の指針」において、機械等を製造する者が実施することとされている事項に関する次のイ~ニの記述について、適切なものの組合せは(1)~(5)のうちどれか。
イ 個別の機械に関する日本産業規格において、安全関連システムの要求安全度水準が指定されている場合は、それに従って当該機械の要求安全度水準を決定することができる。
ロ 数値計算によって、要求安全度水準に適合するために設計上求められる事項を決定するときは、安全度水準を平均故障時間、検査間隔、平均修理時問及び共通原因故障によって計算する。
ハ 要件の組合せによって、要求安全度水準に適合するために設計上求められる事項を決定するときは、要求されるパフォーマンスレベルを達成できるよう、安全関連システムの構造等に係る要件(カテゴリ)、平均故障確率、平均診断範囲、共通原因故障等を要求事項として定め、これらに基づいて機械等を製造する。
ニ 特定の要求安全機能について要求安全度水準を実現できたことにより、他の要求安全機能の要求安全度水準を低下させないように留意する。
(1)イ ロ
(2)イ ハ
(3)イ ニ
(4)ロ ハ
(5)ハ ニ
※ イメージ図(©photoAC)
このページは、2025年の労働安全衛生コンサルタント試験の「産業安全一般」問題の解説と解答例を示しています。
解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等を削除した場合があります。
他の問題の解説をご覧になる場合は、「下表の左欄」、グローバルナビの「安全衛生試験の支援」又は「パンくずリスト」をご利用ください。
柳川に著作権があることにご留意ください。
| 2025年度(令和07年度) | 問30 | 難易度 | 機能安全の指針に関する出題は、2018 年度以来、8年連続である。本年度は、やや細かな内容が問われた。 |
|---|---|---|---|
| 機能安全 | 5 |
※ 難易度は本サイトが行ったアンケート結果の正答率に基づく。
5:50%未満 4:50%以上60%未満 3:60%以上70%未満 2:70%以上80%未満 1:80%以上
問30 厚生労働省の「機能安全による機械等に係る安全確保に関する技術上の指針」において、機械等を製造する者が実施することとされている事項に関する次のイ~ニの記述について、適切なものの組合せは(1)~(5)のうちどれか。
イ 個別の機械に関する日本産業規格において、安全関連システムの要求安全度水準が指定されている場合は、それに従って当該機械の要求安全度水準を決定することができる。
ロ 数値計算によって、要求安全度水準に適合するために設計上求められる事項を決定するときは、安全度水準を平均故障時間、検査間隔、平均修理時問及び共通原因故障によって計算する。
ハ 要件の組合せによって、要求安全度水準に適合するために設計上求められる事項を決定するときは、要求されるパフォーマンスレベルを達成できるよう、安全関連システムの構造等に係る要件(カテゴリ)、平均故障確率、平均診断範囲、共通原因故障等を要求事項として定め、これらに基づいて機械等を製造する。
ニ 特定の要求安全機能について要求安全度水準を実現できたことにより、他の要求安全機能の要求安全度水準を低下させないように留意する。
(1)イ ロ
(2)イ ハ
(3)イ ニ
(4)ロ ハ
(5)ハ ニ
正答(3)
【解説】
本問は、問題文にもあるように「機能安全による機械等に係る安全確保に関する技術上の指針」(平成 28 年9月 26 日厚生労働省告示第 353 号。以下「指針」という。)からの出題である。
ロとハについては、かなり細かいことを聞いているが、ニは正しいことが分かるだろう。後はイとハの2択であるが、ハの「平均故障確率」は直接は安全とは関係がない(故障しても単に機会が停止するだけなら、そのことでただちに危険とは言えない)ということが分かれば、正答はできるのではなかろうか。
イ 適切である。指針の3-3の(1)の但し書きにより、個別の機械に関する日本産業規格(※)において、安全関連システムの要求安全度水準が指定されている場合は、それに従って当該機械の要求安全度水準を決定することができる。
※ 指針にある「日本工業規格」は 2019 年7月1日の JIS 法改正により、日本産業規格に名称が変更されている。従って、「日本工業規格」は「日本産業規格」と読み替える必要がある。
一般則よりも、個別の機械ごとに作られた規則の方が、その機械に関してはより適切なルールなのである。そのことに気付けば正答は可能であろう。
【中古の機械の再譲渡等】
3 要求安全度水準の決定
3-3 要求安全度水準の決定
(1)製造者は、労働者が危険性又は有害性にさらされる頻度、生ずる負傷又は疾病の重篤度、危険事象を回避する可能性、要求安全機能の作動が求められる頻度等を用いた定性的評価によって要求安全度水準の決定を行うこと(別紙1から別紙3まで)。ただし、個別の機械等に関する日本工業規格又は国際規格において、安全関連システムの要求安全度水準が指定されている場合は、それに従って要求安全度水準を決定することができること。
(2)(略)
※ 厚生労働省「労働安全衛生規則の一部を改正する省令の施行及び関係告示の適用等について」(平成24年3月29日基発0329第7号)より
ロ 適切ではない。指針4-1の(1)により、数値計算によって、要求安全度水準に適合するために設計上求められる事項を決定するときは、安全度水準を平均危険側故障確率(平均故障時間ではない)、検査間隔、平均修理時問及び共通原因故障によって計算する。
故障時間が長かったとしても、安全とは関係がない(保全担当者が修理している間は、操作を担当する者には事故は起きない)ということに気付けば正答できる。ただ、かなり難しいか。
【中古の機械の再譲渡等】
4 要求安全度水準に適合するために設計上求められる事項の決定等
4-1 数値計算による要求安全度水準への適合
(1)要求安全度水準のうち、安全度水準については、危険事象に至る安全関連システムの故障(以下「危険側故障」という。)の確率(以下「危険側故障確率」という。)で表され、概念的には、安全関連システムが機能していない時間を安全関連システムが機能している時間で除したもの等であり、平均危険側故障確率(検知できる危険側故障に係る確率(λDD)及び検知できない危険側故障に係る確率(λDU))、検査間隔(proof test interval)、平均修理時間(MTTR)及び共通原因故障(CCF)によって計算されること。
(2)(略)
※ 厚生労働省「労働安全衛生規則の一部を改正する省令の施行及び関係告示の適用等について」(平成24年3月29日基発0329第7号)より
ハ 適切ではない。指針の4-2の(2)により、要件の組合せによって、要求安全度水準に適合するために設計上求められる事項を決定するときは、要求されるパフォーマンスレベルを達成できるよう、安全関連システムの構造等に係る要件(カテゴリ)、平均危険側故障時間(平均故障確率ではない)、平均診断範囲、共通原因故障等を要求事項として定め、これらに基づいて機械等を製造する。
機械が壊れるだけなら、それは必ずしも危険とは言えないのである。機械が単に止まるだけなら、それほど危険ではない。問題は、危険側に故障することなのである。そのことに気付けば正答は可能である。ただ、これもかなり難しいか。
【中古の機械の再譲渡等】
4 要求安全度水準に適合するために設計上求められる事項の決定等
4-1 数値計算による要求安全度水準への適合
(1)(略)
(2)製造者は、要求安全度水準を達成できるよう、安全関連システムの多重化による共通原因故障の低減、自動的な診断等による検知できない危険側故障に係る確率の低減、検査間隔の短縮等を安全関連システムに設計上求められる事項(以下「要求事項」という。)として定め、これらに基づいて機械等を製造すること(別紙5)。
※ 厚生労働省「労働安全衛生規則の一部を改正する省令の施行及び関係告示の適用等について」(平成24年3月29日基発0329第7号)より
ニ 適切である。指針の4-3の(4)により、特定の要求安全機能について要求安全度水準を実現できたことにより、他の要求安全機能の要求安全度水準を低下させないように留意する必要がある。これは当然であろう。
【中古の機械の再譲渡等】
4 要求安全度水準に適合するために設計上求められる事項の決定等
4-3 要求事項の決定に当たっての留意事項
(1)~(3)(略)
(4)特定の要求安全機能について要求安全度水準を実現できたことにより、他の要求安全機能の要求安全度水準を低下させないこと。
※ 厚生労働省「労働安全衛生規則の一部を改正する省令の施行及び関係告示の適用等について」(平成24年3月29日基発0329第7号)より





