労働安全コンサルタント試験 2025年 産業安全一般 問25

外国人労働者の労働災害発生状況




問題文
トップ
NEXT STAGE

※ イメージ図(©photoAC)

 このページは、2025年の労働安全衛生コンサルタント試験の「産業安全一般」問題の解説と解答例を示しています。

 解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等を削除した場合があります。

 他の問題の解説をご覧になる場合は、「下表の左欄」、グローバルナビの「安全衛生試験の支援」又は「パンくずリスト」をご利用ください。

 柳川に著作権があることにご留意ください。

2025年度(令和07年度) 問25 難易度 外国人労働者の労働災害統計は初出であり、多くの受験者が誤答した。今後は正答できるようにしたい。
外国人労働災害統計  5 

※ 難易度は本サイトが行ったアンケート結果の正答率に基づく。
5:50%未満 4:50%以上60%未満 3:60%以上70%未満 2:70%以上80%未満 1:80%以上

問25 厚生労働省の労働災害統計(令和5年)における外国人労働者の労働災害発生状況に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(1)外国人労働者の死傷年千人率(休業4日以上)は、労働者全体のそれを上回っている。

(2)外国人労働者の休業4日以上の死傷者数を在留資格別でみると、身分に基づく在留資格(永住者、日本人の配偶者等、永住者の配偶者等又は定住者をいう。)が最も多く、次いで技能実習である。

(3)外国人労働者の休業4日以上の死傷者数を業種別でみると、製造業が最も多くなっている。

(4)外国人労働者の休業4日以上の死傷者数を事故の型別でみると、転倒が最も多く、次いではさまれ・巻き込まれである。

(5)外国人労働者の休業4日以上の死傷者数を国籍別でみると、ベトナムが最も多くなっている。

正答(4)

【解説】

問25試験結果

試験解答状況
図をクリックすると拡大します

本年度は、一般労働者の労働災害統計の他に、外国人労働者の労働災害統計が出題された。2019 年に労働者死傷病報告の様式が改正され、外国人労働者の災害については被災者の「国籍・地域」と「在留資格」の記入が必要となった。そのため、それ以降は、外国人労働者の「国籍・地域」と「在留資格」別の労働災害の発生件数が公表されている。

当サイトでは、2025 年7月に厚労省の公表データをグラフにまとめて「外国人労働者の労働災害の状況」としてアップしている。2026 年度以降に出題されるかどうかは何とも言えないが、目を通しておいていただきたい。

外国人労働者の労働災害統計が出題されたのは、本問が最初である。さすがに正答率は低く、正答率は2割程度で、5肢選択の問題としては難問というべきであろう。

外国人労働者死傷年千人率の推移

図をクリックすると拡大します

(1)正しい。2023 年(令和5年)における外国人労働者の死傷年千人率(休業4日以上)は 2.77 であり、労働者全体の 2.36 を上回っている。

もっとも、千人率を算出するときの分母として用いる数値の出所(統計)が、日本人全体と外国人でかなり異なっており、額面通りに受け取れるかどうかは微妙であろう(※)

※ なお、本問の年度ではないが、外国人の労働災害の統計には、2021 年までは新型コロナによるものを含んでおり、2022 年以降は含んでいない。一方、日本人のデータは、新型コロナによるものを 2021 年までのデータを含めて含んでいないという問題もある。

詳細は、当サイトの「外国人労働者の労働災害の状況」を参照して欲しい。

在留資格別の外国人の労働災害発生件数の推移

図をクリックすると拡大します

(2)正しい。在留資格別の外国人労働者の休業4日以上の死傷者数を在留資格別でみると、身分に基づく在留資格が 2,258 人で最も多く、技能実習の 1,692 人がこれに次いでいる。

受験者の多くが、本肢を誤りの肢(正答)であると解答している。外国人労働者の多くが技能実習生であると考え、最も死傷者数が多いのは技能実習であると考えたためであろうか。

在留資格別の外国人労働者数を本サイトの「グラフで見る外国人労働者数の推移」にアップしているので参照してほしい。

意外に、技能実習生の占める割合は大きくはないのである。

業種別の外国人の労働災害発生件数の推移

図をクリックすると拡大します

(3)正しい。外国人労働者の休業4日以上の死傷者数を業種別でみると、製造業が 2,741 人で最も多くなっている。

要は、外国人労働者が働いている業種は製造業が多いからである。

型別の外国人の労働災害発生件数の推移

図をクリックすると拡大します

(4)誤り。外国人労働者の休業4日以上の死傷者数を事故の型別でみると、はさまれ・巻き込まれが 1,359 人で最も多く、次いで転倒が 787 人となっている。

これは、外国人労働者が働いているのが製造業が多いため、製造業で多く発生するはさまれ・巻き込まれ災害が必然的に多くなるのである。

国籍別の外国人の労働災害発生件数の推移

図をクリックすると拡大します

(5)正しい、外国人労働者の休業4日以上の死傷者数を国籍別でみると、ベトナムが 1,530 人で最も多くなっている。

これも、外国人労働者数は、国籍別ではベトナムが最も多いからである。