問17 厚生労働省の「工作機械の構造の安全基準に関する技術上の指針」に関する次のイ~ホの記述について、適切なもののみを全て挙げたものは(1)~(5)のうちどれか。
イ この指針は、金属加工用の工作機械への接触等による災害を防止するため、工作機械の設計及び製造に関する留意事項について規定したものである。
ロ 自動工作機械には、切削くず及び切削油による労働者の危険を防止するため、必ず覆い又は囲いを設ける。
ハ 研削盤には、動力が遮断されたときに、回転中の砥石軸を急停止させるためのプレーキを必ず設ける。
ニ 電気装置で 50V を超える電圧がかかっている充電部分に設けられた扉については、電源開開器と当該扉とがインターロックされる方法により、電源開開器を「切」にしなければ扉を開くことができないようにする。
ホ 電動機を逆相制動により停止させる制御回路は、電動機が停止後逆転しないものとし、かつ、電動機が停止状態にあるときは、電動機の軸を手で動かしても電気的に作動しないものとする。
(1)イ ロ ハ ニ
(2)イ ロ ニ ホ
(3)イ ロ ホ
(4)ロ ハ ニ
(5)ハ ニ ホ
※ イメージ図(©photoAC)
このページは、2025年の労働安全衛生コンサルタント試験の「産業安全一般」問題の解説と解答例を示しています。
解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等を削除した場合があります。
他の問題の解説をご覧になる場合は、「下表の左欄」、グローバルナビの「安全衛生試験の支援」又は「パンくずリスト」をご利用ください。
柳川に著作権があることにご留意ください。
| 2025年度(令和07年度) | 問17 | 難易度 | 安全装置に関する基本を問う問題。実際に合格した後の実務でも必要な知識。正答できなければならない。 |
|---|---|---|---|
| 工作機械の安全 | 5 |
※ 難易度は本サイトが行ったアンケート結果の正答率に基づく。
5:50%未満 4:50%以上60%未満 3:60%以上70%未満 2:70%以上80%未満 1:80%以上
問17 厚生労働省の「工作機械の構造の安全基準に関する技術上の指針」に関する次のイ~ホの記述について、適切なもののみを全て挙げたものは(1)~(5)のうちどれか。
イ この指針は、金属加工用の工作機械への接触等による災害を防止するため、工作機械の設計及び製造に関する留意事項について規定したものである。
ロ 自動工作機械には、切削くず及び切削油による労働者の危険を防止するため、必ず覆い又は囲いを設ける。
ハ 研削盤には、動力が遮断されたときに、回転中の砥石軸を急停止させるためのプレーキを必ず設ける。
ニ 電気装置で 50V を超える電圧がかかっている充電部分に設けられた扉については、電源開開器と当該扉とがインターロックされる方法により、電源開開器を「切」にしなければ扉を開くことができないようにする。
ホ 電動機を逆相制動により停止させる制御回路は、電動機が停止後逆転しないものとし、かつ、電動機が停止状態にあるときは、電動機の軸を手で動かしても電気的に作動しないものとする。
(1)イ ロ ハ ニ
(2)イ ロ ニ ホ
(3)イ ロ ホ
(4)ロ ハ ニ
(5)ハ ニ ホ
正答(2)
【解説】
本問は問題文にもあるように「工作機械の構造の安全基準に関する技術上の指針」(昭和 50 年 10 月 18 日技術上の指針公示第4号(最終改正:令和4年 12 月 20 日技術上の指針公示第 23 号)。以下「指針」という。)からの出題である。
過去、2012 年度以降では本指針に関する問題は出題されたことがない。それもあるのか、正答率はやや低かった。しかも、すべての肢について、正答と解答した受験者が一定の割合でいるのである。しかし、コンサルタント試験の近年の難易度の高さから考えると、このような問題を落とすと合格が厳しくなる。
イ 適切である。指針の1-1(趣旨)によれば、この指針は(本肢にあるように)、金属加工用の工作機械への接触等による災害を防止するため、工作機械の設計及び製造に関する留意事項について規定したものである。
【工作機械への接触による災害防止】
1 総則
1-1 趣旨
この指針は、金属加工用の工作機械(以下「工作機械」という。)への接触等による災害を防止するため、工作機械の設計及び製造に関する留意事項について規定したものである。
※ 厚生労働省「工作機械の構造の安全基準に関する技術上の指針」(昭和 50 年 10 月 18 日技術上の指針公示第4号)」より
ロ 適切である。指針の1-7(切削くず処理装置)の(2)のなお書きにあるように、自動工作機械には、切削くず及び切削油による労働者の危険を防止するため、必ず覆い又は囲いを設ける必要がある。
【切削くず及び切削油による危険防止】
1 総則
1-7 切削くず処理装置
(1)(略)
(2)工作機械は、切削くず及び切削油による労働者の危険を防止するため、覆い又は囲いを設けることが望ましいこと。なお、自動工作機械には、必ず覆い又は囲いを設けること。
(3)(略)
※ 厚生労働省「工作機械の構造の安全基準に関する技術上の指針」(昭和 50 年 10 月 18 日技術上の指針公示第4号)」より
ハ 適切ではない。指針の1-5(ブレーキ)の(1)の但書きにあるように、研削盤には、動力が遮断されたときに、回転中の砥石軸を急停止させるためのプレーキを必ず設ける必要はない。
砥石軸の固定ナットは軸が回転すると締まる方向となっている。このため、回転中の砥石軸は急停止させると、固定ナットが緩む方向に力が加わるため危険なのである。
【砥石軸へのブレーキ設置の適否】
1 総則
1-5 ブレーキ
(1)工作機械には、動力がしゃ断されたときに、回転中の主軸を停止させるためのブレーキを設けることが望ましいこと。ただし、研削盤のと石軸については、この限りでないこと。
(2)(略)
※ 厚生労働省「工作機械の構造の安全基準に関する技術上の指針」(昭和 50 年 10 月 18 日技術上の指針公示第4号)」より
ニ 適切である。指針の1-11-2(保護)の(1)のイにより、電気装置で 50V を超える電圧がかかっている充電部分に設けられた扉については、電源開開器と当該扉とがインターロックされる方法などにより、電源開開器を「切」にしなければ扉を開くことができないようにする。
【砥石軸へのブレーキ設置の適否】
1 総則
1-11 電気装置
1-11-2 保護
(1)電気装置で 50V を超える電圧がかかっている充電部分には、とびら又は覆いを設け、次のいずれか1以上の方法により労働者に危険を及ぼすおそれのないものとすること。
イ 電源開閉器を「切」にしなければとびらを開くことができないように、電源開閉器と当該とびらとがインターロックされる方法
ロ~ニ (略)
(2)~(5)(略)
※ 厚生労働省「工作機械の構造の安全基準に関する技術上の指針」(昭和 50 年 10 月 18 日技術上の指針公示第4号)」より
ホ 適切である。指針の1-11-3(制御回路)の(6)により、電動機を逆相制動により停止させる制御回路は、電動機が停止後逆転しないものとし、かつ、電動機が停止状態にあるときは、電動機の軸を手で動かしても電気的に作動しないものとする。
本肢の「電動機を逆相制動により停止させる制御回路」とは、制動時にモーターの電源を逆につないでエネルギーを回生するための装置である。リーチフォークリフトの走行装置だと、走行を止めるときはアクセルレバーを走行方向の反対側へ倒して(スイッチバック)制動するが、停止した後、すぐにレバーを中立にしないと逆方向へ動き出すようになっている。
しかし、工作機械は、逆転すると危険なので停止した後、反対方向へ回転しないようにしなければ危険である。なお、「電動機が停止状態にあるときは、電動機の軸を手で動かしても電気的に作動しないものとすること」というのは、電動機が止まったときに電源がかかっていると、手で回すと電動機が回転することがあるので、そのようなことにならないようにしなければならないということである。
※ 「食品加工用機械の労働災害防止対策ガイドライン」及び「食品包装機械の労働災害防止対策のガイドライン」にも同じ表現がある。
【砥石軸へのブレーキ設置の適否】
1 総則
1-11 電気装置
1-11-3 保護
(1)~(5)(略)
(6)電動機を逆相制動により停止させる制御回路にあっては、電動機が停止後逆転しないものとし、かつ、電動機が停止状態にあるときは、電動機の軸を手で動かしても電気的に作動しないものとすること。
※ 厚生労働省「工作機械の構造の安全基準に関する技術上の指針」(昭和 50 年 10 月 18 日技術上の指針公示第4号)」より





