問15 圧力の測定に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。
(1)圧力には絶対圧力と差圧があり、差圧は二つの系の圧力差を表すもので、大気圧を基準圧力にした差圧をゲージ圧力と呼び、工業的に広く用いられる。
(2)歪ゲージ式圧力センサーは、ダイアフラムなど圧力を受けて変形する部品に歪ゲージを取り付け、物体の伸び縮みに伴う歪ゲージの電気抵抗値の変化から圧力を測定するものである。
(3)光学式圧力センサーは、ダイアフラムで圧力を受け、変形量を LED と光ファイバーを用いて測定することにより圧力を検知するもので、電磁波ノイズの大きい場所での測定には向いていない。
(4)圧電式圧力センサーは、変形した際、変形量に応じて電荷を生み出す圧電素子を使って圧力を検知するもので、微小な変化を高精度に測定することができる。
(5)静電容量式圧力センサーは、ダイアフラムの変形を静電容量の変化として捉え、電気信号に変換するもので、歪ゲージ式より高精度な測定が行えるほか、測定できる圧力の範囲が広いといった特徴がある。
※ イメージ図(©photoAC)
このページは、2025年の労働安全衛生コンサルタント試験の「産業安全一般」問題の解説と解答例を示しています。
解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等を削除した場合があります。
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| 2025年度(令和07年度) | 問15 | 難易度 | 圧力の測定に関する設問は 2012 年度以降で初出。試験場で考えることで正答は可能か。 |
|---|---|---|---|
| 圧力の測定 | 4 |
※ 難易度は本サイトが行ったアンケート結果の正答率に基づく。
5:50%未満 4:50%以上60%未満 3:60%以上70%未満 2:70%以上80%未満 1:80%以上
問15 圧力の測定に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。
(1)圧力には絶対圧力と差圧があり、差圧は二つの系の圧力差を表すもので、大気圧を基準圧力にした差圧をゲージ圧力と呼び、工業的に広く用いられる。
(2)歪ゲージ式圧力センサーは、ダイアフラムなど圧力を受けて変形する部品に歪ゲージを取り付け、物体の伸び縮みに伴う歪ゲージの電気抵抗値の変化から圧力を測定するものである。
(3)光学式圧力センサーは、ダイアフラムで圧力を受け、変形量を LED と光ファイバーを用いて測定することにより圧力を検知するもので、電磁波ノイズの大きい場所での測定には向いていない。
(4)圧電式圧力センサーは、水晶やセラミックなどの圧電素子が、外部から加えた圧力に応じた電荷を生み出す性質を利用して圧力を検知するものである。微小な変化を高精度に測定することができる。
(5)静電容量式圧力センサーは、ダイアフラムの変形を静電容量の変化として捉え、電気信号に変換するもので、歪ゲージ式より高精度な測定が行えるほか、測定できる圧力の範囲が広いといった特徴がある。
正答(3)
【解説】
(1)適切である。圧力の表示には、基準(圧力をゼロとする圧力)をどこにおくかによって、「絶対圧(絶対圧力)」、「ゲージ圧」、「差圧」という概念がある。絶対圧は真空を基準にした圧力である。従って、真空の絶対圧はゼロになる。ゲージ圧は、大気圧を基準にした圧力である。大気圧のゲージ圧がゼロになる。
これに対して、差圧は任意の圧力を基準とする圧力である。本肢が言うように、二つの系の圧力差を表すものといえる。また、大気圧を基準圧力にした差圧をゲージ圧力と呼び、工業的に広く用いられるということも正しい。
(2)適切である。歪ゲージ式圧力センサーとは、半導体や金属に圧力が加わって歪むことで電気抵抗が変化する「ピエゾ抵抗効果」を利用した歪みセンサーである。本肢の言うように、ダイアフラムなど圧力を受けて変形する部品に歪ゲージを取り付け、物体の伸び縮みに伴う歪ゲージの電気抵抗値の変化から圧力を測定するものである。
(3)適切ではない。光学式圧力センサーは、ダイアフラムで圧力を受け、変形量を LED と光ファイバーを用いて測定することにより圧力を検知するものであることは正しい。しかし、光を利用したセンサーなので、電磁波ノイズとは無関係に測定ができる。そのため、電磁波ノイズの大きい場所でも測定が可能であるというメリットがある。
(4)適切である。圧電式圧力センサーは、水晶などの圧電素子に圧力が加わることで発電する「圧電効果」を利用した圧力センサーである。本肢の言うように、変形した際、変形量に応じて電荷を生み出す圧電素子を使って圧力を検知するもので、微小な変化を高精度に測定することができる。
(5)適切である。静電容量式圧力センサーは、ダイアフラムの変形を静電容量の変化として捉え、電気信号に変換するもので、歪ゲージ式より高精度な測定が行えるほか、測定できる圧力の範囲が広いといった特徴がある(※)。
※ 測定範囲、精度等は、各社、各製品によってまちまちであるが、以下に、ifm efector株式会社、株式会社クローネ及び株式会社ビジコンの3社について、各圧力センサの特徴を示したページには次のようにされている。
これらを見る限り(株式会社ビジコン社の値を別とすれば)、静電容量式圧力センサーは、歪ゲージ式(ピエゾ抵抗式、抵抗膜方式と記されているものもあるが同じものである。)より測定精度が高く、測定可能圧力範囲も広いようである。
【圧力センサの測定範囲及び精度】
ifm 圧力センサの測定セル技術概要
測定セルの種類と特長の比較を、下の表でご覧いただけます。
※ ifm efector株式会社「ifm圧力センサの測定セル技術概要」
静電容量式セラミックセル ダイアフラムシール ステンレス薄膜歪みゲージ ピエゾ抵抗式 圧力測定範囲 0.01~60 Mpa 0.1~40 Mpa 0.6~60 Mpa 0.1~1 Mpa (略) (略) (略) (略) (略) 精度 ⊕⊕⊕ ⊕⊕ ⊕⊕ ⊕ (略) (略) (略) (略) (略)
【圧力センサの測定範囲及び精度】
圧力センサの種類と用途
■ 抵抗膜方式
(前略)ピエゾ抵抗素子には、金属抵抗素子よりも小さな圧力変化を測定できる特徴があるので、低い圧力範囲で用いられます。
■ 静電容量方式
(前略)抵抗膜方式に比べると高感度で100Pa以下の微小な圧力変化を測定できる一方で、70MPaくらいまでの幅広い圧力を測定できます。(後略)
■ 圧電素子方式
(前略)電荷は圧力の変化に応じて素早く蓄積・消滅するため、高速で変化する動圧でも正確に測定できます。(中略)一方で、振動や加速度変化に対して敏感なので、用途が制限されてしまうという欠点があります。(後略)
■ 光学方式
(前略)高感度であるがゆえに、音響振動や機械振動の影響を受けやすくなります。
※ 株式会社クローネ「圧力センサの種類と用途」
【圧力センサの測定範囲及び精度】
圧力センサメーカー・製品一覧!概要や用途、種類などについても解説
圧力センサの原理
圧力センサの基本原理は、「圧力が加わると物質が変形する」という単純な物理現象を利用しています。例えば、最も一般的な「ひずみゲージ式」では、金属や半導体の薄い膜に圧力がかかると電気抵抗が変化する性質を利用。わずか0.1%程度の抵抗変化も検出できます。他にも「静電容量式」は、圧力で電極間の距離が変わり静電容量が変化する仕組み。「圧電式」は水晶などの圧電材料が圧力を受けると電圧を発生させる特性を活用しています。「光ファイバー式」は光の干渉を利用した高精度なセンサで、0.01Pa(パスカル)という微小な圧力変化も検出可能です。
圧力センサの種類
(略)
ひずみゲージ式圧力センサー
測定範囲は0〜100kPaで、応答速度は5ms以下と高速です。(後略)
静電容量式圧力センサー
測定範囲は0〜100kPaで、応答速度は5ms以下と高速です。(後略)
圧電式圧力センサー
測定範囲は10kPa〜50MPaで、応答速度は1μs以下という超高速応答が特徴です。(後略)
※ 株式会社ビジコン社のサイト「メカサーチ」の「圧力センサ」





