労働安全コンサルタント試験 2025年 産業安全一般 問05

ディペンダビリティ(総合信頼性)用語




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※ イメージ図(©photoAC)

 このページは、2025年の労働安全衛生コンサルタント試験の「産業安全一般」問題の解説と解答例を示しています。

 解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等を削除した場合があります。

 他の問題の解説をご覧になる場合は、「下表の左欄」、グローバルナビの「安全衛生試験の支援」又は「パンくずリスト」をご利用ください。

 柳川に著作権があることにご留意ください。

2025年度(令和07年度) 問05 難易度 これは JIS の記述を覚えていないと正答はできない。捨て問と考えても良いレベル。
信頼性理論  5 

※ 難易度は本サイトが行ったアンケート結果の正答率に基づく。
5:50%未満 4:50%以上60%未満 3:60%以上70%未満 2:70%以上80%未満 1:80%以上

問5 JIS Z 8115「ディペンダビリティ(総合信頼性)用語」における用語とその定義に関する次の文中の A  D に入る語句の組合せとして、適切なものは(1)~(5)のうちどれか。

故 障:アイテムが要求どおりに実行する能力を失うこと。

 A :計算上、観察上又は測定上の値又は条件と、真の、規定の若しくは理論的に正しい値又は条件との相違。

 B :他のアイテムの故障又は C によって直接、又は間接に引き起こされるものではないアイテムの故障。

 D :使用において課されるストレスによって引き起こされる累積的劣化による故障。

(1) フォールト 単一点故障 エラー 超過ストレス故障
(2) フォールト 単一点故障 エラー 摩耗故障
(3) フォールト 一次故障 エラー 超過ストレス故障
(4) エラー 一次故障 フォールト 摩耗故障
(5) エラー 単一点故障 フォールト 摩耗故障

正答(4)

【解説】

問5試験結果

試験解答状況
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本問は、正答の(4)と解答した受験者が一番少ないという結果になってしまった。確かに、信頼性理論に詳しい一部の受験者を除けば、JIS の用語を覚えていることはないだろう。そうなれば、試験場で考えるしかないが、この問題はかなり難しい。捨て問と割り切っても良いかもしれない。

JIS Z 8115:2019「ディペンダビリティ(総合信頼性)用語」には、次のように定められている。

なお、定義の列の原文には詳細な注釈があったが、ここでは略してある。また、下の2行(※)は参考までに記したもので、本問の正答とは直接は関係はない。

※ 下の2行は「c)192-03,192J-03:故障」の表ではなく、他の表にある。

従って(4)が正答であるが、本問の正答率は極端に低かった。本サイトで各解答のアンケートを取り始めて以来、最悪の正答率である。さすがに試験協会としても、今後、同種の問題は出題しないだろう。

【c)192-03,192J-03:故障】

番号 用語 定義 参考
対応英語 関連情報
192-03-01 故障 アイテムが要求どおりに実行する能力を失うこと。 (略) (略)
192-03-02 エラー,誤り 計算上,観察上又は測定上の値又は条件と,真の,規定の若しくは理論的に正しい値又は条件との相違。 (略) (略)
192-03-06 一次故障 他のアイテムの故障又はフォールトによって直接,又は間接に引き起こされるものではないアイテムの故障。 (略) (略)
192-03-15 摩耗故障,劣化故障 使用において課されるストレスによって引き起こされる累積的劣化による故障。 (略) (略)
192-04-01 フォールト,故障状態 アイテム内部の状態に起因して,(アイテムが)要求どおりに実行できない状態。 (略) (略)
192-10-01 単独故障,単一点故障 構成アイテムの唯一の故障によって引き起こされるシステムの故障。 (略) (略)
※ JIS Z 8115:2019「ディペンダビリティ(総合信頼性)用語