問2 安全管理体制に関する次の記述のうち、労働安全衛生法令上、誤っているものはどれか。
(1)ーの場所において行う主要構造部が鉄骨造である建築物の建設の仕事に係る特定元方事業者は、その労働者及び関係請負人の労働者が当該場所において作業を行う場合であっても、これらの労働者の数が常時 40 人であるときは、統括安全衛生責任者を選任する必要はない。
(2)元方安全衛生管理者を選任すべき事業者は、その事業場に専属でない者を元方安全衛生管理者に選任することができる。
(3)店社安全衛生管理者を選任すべき事業者は、店社安全衛生管理者が旅行によって職務を行うことができないときは、代理者を選任しなければならない。
(4)元方事業者は、ーの場所において、その労働者及び関係請負人の労働者の数が常時 25 人であるずい道の建設の伎事の作業を行うときは、当該場所において行われる仕事に係る請負契約を締結している事業場ごとに、店社安全衛生管理者を選任しなければならない。
(5)安全衛生責任者を選任すべき請負人は、その仕事の一部を他の請負人に誇け負わせている場合は、選任した安全衛生責任者に当該他の請負人の安全衛生責任者との作業間の連絡及び調整を行わせなければならない。

※ イメージ図(©photoAC)
このページは、2024年の労働安全衛生コンサルタント試験の「産業安全関係法令」問題の解説と解答例を示しています。
解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除しました。
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2024年度(令和05年度) | 問02 | 難易度 | 重層下請構造の安全管理体制は、例年は難易度が高いが、本年の難易度は低かった。確実に正答したい。 |
---|---|---|---|
重層下請構造管理体制 | 1 |
※ 難易度は本サイトが行ったアンケート結果の正答率に基づく。
5:50%未満 4:50%以上60%未満 3:60%以上70%未満 2:70%以上80%未満 1:80%以上
問2 安全管理体制に関する次の記述のうち、労働安全衛生法令上、誤っているものはどれか。
(1)ーの場所において行う主要構造部が鉄骨造である建築物の建設の仕事に係る特定元方事業者は、その労働者及び関係請負人の労働者が当該場所において作業を行う場合であっても、これらの労働者の数が常時 40 人であるときは、統括安全衛生責任者を選任する必要はない。
(2)元方安全衛生管理者を選任すべき事業者は、その事業場に専属でない者を元方安全衛生管理者に選任することができる。
(3)店社安全衛生管理者を選任すべき事業者は、店社安全衛生管理者が旅行によって職務を行うことができないときは、代理者を選任しなければならない。
(4)元方事業者は、ーの場所において、その労働者及び関係請負人の労働者の数が常時 25 人であるずい道の建設の仕事の作業を行うときは、当該場所において行われる仕事に係る請負契約を締結している事業場ごとに、店社安全衛生管理者を選任しなければならない。
(5)安全衛生責任者を選任すべき請負人は、その仕事の一部を他の請負人に誇け負わせている場合は、選任した安全衛生責任者に当該他の請負人の安全衛生責任者との作業間の連絡及び調整を行わせなければならない。
正答(2)
【解説】
(1)正しい。安衛法第 15 条第1項但書(安衛令第7条第2項(第一号))により、建設の仕事に係る特定元方事業者は、その労働者及び関係請負人の労働者がひとつの現場で作業を行う場合であっても、それらの労働者の数が常時 50 人未満であるときは、統括安全衛生責任者を選任する必要はない。
これは、ーの場所において行う主要構造部が鉄骨造である建築物の建設にかかるかどうかにかかわらない。
なお、「表形式で見る労働安全衛生管理体制」を参照されたい。
【労働安全衛生法】
(統括安全衛生責任者)
第15条 事業者で、一の場所において行う事業の仕事の一部を請負人に請け負わせているもの(当該事業の仕事の一部を請け負わせる契約が2以上あるため、その者が2以上あることとなるときは、当該請負契約のうちの最も先次の請負契約における注文者とする。以下「元方事業者」という。)のうち、建設業その他政令で定める業種に属する事業(以下「特定事業」という。)を行う者(以下「特定元方事業者」という。)は、その労働者及びその請負人(元方事業者の当該事業の仕事が数次の請負契約によつて行われるときは、当該請負人の請負契約の後次のすべての請負契約の当事者である請負人を含む。以下「関係請負人」という。)の労働者が当該場所において作業を行うときは、これらの労働者の作業が同一の場所において行われることによつて生ずる労働災害を防止するため、統括安全衛生責任者を選任し、その者に元方安全衛生管理者の指揮をさせるとともに、第30条第1項各号の事項を統括管理させなければならない。ただし、これらの労働者の数が政令で定める数未満であるときは、この限りでない。
2~5 (略)
【労働安全衛生法施行令】
(統括安全衛生責任者を選任すべき業種等)
第7条 (第1項 略)
2 法第15条第1項ただし書及び第3項の政令で定める労働者の数は、次の各号に掲げる仕事の区分に応じ、当該各号に定める数とする。
一 林業、鉱業、建設業、製造業のうち木材・木製品製造業、化学工業、鉄鋼業、金属製品製造業及び輸送用機械器具製造業、運送業のうち道路貨物運送業及び港湾運送業、自動車整備業、機械修理業並びに清掃業 50人
二 第2条第一号及び第二号に掲げる業種(前号に掲げる業種を除く。) 100人
(2)誤り。安衛法第 15 条の2第1項(安衛則第 18 条の3)の規定により、元方安全衛生管理者を選任すべき事業者は、その事業場に専属でない者を元方安全衛生管理者に選任することはできない。
【労働安全衛生法】
(元方安全衛生管理者)
第15条の2 前条第1項又は第3項の規定により統括安全衛生責任者を選任した事業者で、建設業その他政令で定める業種に属する事業を行うものは、厚生労働省令で定める資格を有する者のうちから、厚生労働省令で定めるところにより、元方安全衛生管理者を選任し、その者に第30条第1項各号の事項のうち技術的事項を管理させなければならない。
2 (略)
【労働安全衛生規則】
(元方安全衛生管理者の選任)
第18条の3 法第15条の2第1項の規定による元方安全衛生管理者の選任は、その事業場に専属の者を選任して行わなければならない。
(3)正しい。安衛則第 20 条は、店社安全衛生管理者に同規則第3条の規定を準用している。従って、店社安全衛生管理者を選任すべき事業者は、店社安全衛生管理者が旅行によって職務を行うことができないときは、代理者を選任しなければならない。
【労働安全衛生法】
(店社安全衛生管理者)
第15条の3 建設業に属する事業の元方事業者は、その労働者及び関係請負人の労働者が一の場所(これらの労働者の数が厚生労働省令で定める数未満である場所及び第15条第1項又は第3項の規定により統括安全衛生責任者を選任しなければならない場所を除く。)において作業を行うときは、当該場所において行われる仕事に係る請負契約を締結している事業場ごとに、これらの労働者の作業が同一の場所で行われることによつて生ずる労働災害を防止するため、厚生労働省令で定める資格を有する者のうちから、厚生労働省令で定めるところにより、店社安全衛生管理者を選任し、その者に、当該事業場で締結している当該請負契約に係る仕事を行う場所における第30条第1項各号の事項を担当する者に対する指導その他厚生労働省令で定める事項を行わせなければならない。
2 (略)
【労働安全衛生規則】
(総括安全衛生管理者の代理者)
第3条 事業者は、総括安全衛生管理者が旅行、疾病、事故その他やむを得ない事由によつて職務を行なうことができないときは、代理者を選任しなければならない。
(統括安全衛生責任者等の代理者)
第20条 第3条の規定は、統括安全衛生責任者、元方安全衛生管理者、店社安全衛生管理者及び安全衛生責任者について準用する。
(4)正しい。安衛法第 15 条の3カッコ書き(安衛則第 18 条の6第1項(第二号)/安衛令第7条第2項第一号)により、その労働者及び関係請負人の労働者の数が常時 20 人以上であり、かつ統括安全衛生責任者を選任する必要のない建設の仕事の作業を行うときは、ずい道の建設に限らず店社安全衛生管理者を選任しなければならない。
そして、ずい道の建設に限らず、建設の仕事の作業を行うときは、安衛法第 15 条第1項但書(安衛令第7条第2項(第一号))の規定により、その労働者及び関係請負人の労働者の数が常時 50 人未満である事業場では、統括安全衛生責任者を選任する必要はない。
以上のことから、建設の仕事の作業を行うときは、その労働者及び関係請負人の労働者の数が常時 20 人以上かつ 50 人未満の事業場では、店社安全衛生管理者を選任しなければならない
従って、本肢の「ーの場所において、その労働者及び関係請負人の労働者の数が常時 25 人であるずい道の建設の仕事の作業を行う元方事業者」は、当該場所において行われる仕事に係る請負契約を締結している事業場ごとに、店社安全衛生管理者を選任しなければならない。
【労働安全衛生法】
(統括安全衛生責任者)
第15条 事業者で、一の場所において行う事業の仕事の一部を請負人に請け負わせているもの(当該事業の仕事の一部を請け負わせる契約が2以上あるため、その者が2以上あることとなるときは、当該請負契約のうちの最も先次の請負契約における注文者とする。以下「元方事業者」という。)のうち、建設業その他政令で定める業種に属する事業(以下「特定事業」という。)を行う者(以下「特定元方事業者」という。)は、その労働者及びその請負人(元方事業者の当該事業の仕事が数次の請負契約によつて行われるときは、当該請負人の請負契約の後次のすべての請負契約の当事者である請負人を含む。以下「関係請負人」という。)の労働者が当該場所において作業を行うときは、これらの労働者の作業が同一の場所において行われることによつて生ずる労働災害を防止するため、統括安全衛生責任者を選任し、その者に元方安全衛生管理者の指揮をさせるとともに、第30条第1項各号の事項を統括管理させなければならない。ただし、これらの労働者の数が政令で定める数未満であるときは、この限りでない。
2~5 (略)
(店社安全衛生管理者)
第15条の3 建設業に属する事業の元方事業者は、その労働者及び関係請負人の労働者が一の場所(これらの労働者の数が厚生労働省令で定める数未満である場所及び第15条第1項又は第3項の規定により統括安全衛生責任者を選任しなければならない場所を除く。)において作業を行うときは、当該場所において行われる仕事に係る請負契約を締結している事業場ごとに、これらの労働者の作業が同一の場所で行われることによつて生ずる労働災害を防止するため、厚生労働省令で定める資格を有する者のうちから、厚生労働省令で定めるところにより、店社安全衛生管理者を選任し、その者に、当該事業場で締結している当該請負契約に係る仕事を行う場所における第30条第1項各号の事項を担当する者に対する指導その他厚生労働省令で定める事項を行わせなければならない。
2 (略)
【労働安全衛生法施行令】
(統括安全衛生責任者を選任すべき業種等)
第7条 (第1項 略)
2 法第15条第1項ただし書及び第3項の政令で定める労働者の数は、次の各号に掲げる仕事の区分に応じ、当該各号に定める数とする。
一 林業、鉱業、建設業、製造業のうち木材・木製品製造業、化学工業、鉄鋼業、金属製品製造業及び輸送用機械器具製造業、運送業のうち道路貨物運送業及び港湾運送業、自動車整備業、機械修理業並びに清掃業 50人
二 第2条第一号及び第二号に掲げる業種(前号に掲げる業種を除く。) 100人
【労働安全衛生規則】
(店社安全衛生管理者の選任に係る労働者数等)
第18条の6 法第15条の3第1項及び第2項の厚生労働省令で定める労働者の数は、次の各号の仕事の区分に応じ、当該各号に定める数とする。
一 令第7条第2項第一号の仕事及び主要構造部が鉄骨造又は鉄骨鉄筋コンクリート造である建築物の建設の仕事 常時20人
二 前号の仕事以外の仕事 常時50人
(5)正しい。安衛則第 19 条(第六号)により、安全衛生責任者を選任すべき請負人は、その仕事の一部を他の請負人に誇け負わせている場合は、選任した安全衛生責任者に当該他の請負人の安全衛生責任者との作業間の連絡及び調整を行わせなければならない。
【労働安全衛生法】
(安全衛生責任者)
第16条 第15条第1項又は第3項の場合において、これらの規定により統括安全衛生責任者を選任すべき事業者以外の請負人で、当該仕事を自ら行うものは、安全衛生責任者を選任し、その者に統括安全衛生責任者との連絡その他の厚生労働省令で定める事項を行わせなければならない。
2 (略)
【労働安全衛生規則】
(安全衛生責任者の職務)
第19条 法第16条第1項の厚生労働省令で定める事項は、次のとおりとする。
一~五 (略)
六 当該請負人がその仕事の一部を他の請負人に請け負わせている場合における当該他の請負人の安全衛生責任者との作業間の連絡及び調整