労働安全コンサルタント試験 2024年 産業安全一般 問29

機械の包括的な安全基準に関する指針(全般)




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※ イメージ図(©photoAC)

 このページは、2024年の労働安全衛生コンサルタント試験の「産業安全一般」問題の解説と解答例を示しています。

 解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等を削除した場合があります。

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2024年度(令和06年度) 問29 難易度 機械の包括的安全指針は、過去問にも頻出事項。指針を知らなくても内容の可否から正答は可能。
機械の包括的安全指針  2 

※ 難易度は本サイトが行ったアンケート結果の正答率に基づく。
5:50%未満 4:50%以上60%未満 3:60%以上70%未満 2:70%以上80%未満 1:80%以上

問29 厚生労働省の「機械の包括的な安全基準に関する指針」における工作機械に設置するガードや安全装置に求められる要件に関する次のイ~ニの記述について、適切なもののみを全て挙げたものは(1)~(5)のうちどれか。

イ ロック機構付きの可動式ガードは、危検性又は有害性となる運動部分が完全に停止した後でなければガードを開けることができないこと。

ロ 危険性又は有害性となる運動部分の動作を停止する操作が行われた後一定時間を経過しなければガードを開くことができない構造とした可動式ガードにおいては、当該一定時聞が当該運動部分の動作が停止するまでに要する時間より長く設定されていること。

ハ 工作機械に蓄積されたエネルギー、位置エネルギー、機械の故障若しくは誤動作又は誤操作等により機械の運動部分の動作を停止させた状態が維持できないとリスクの増加を生じるおそれのあるときは、当該運動部分の停止状態を確実に保持できる機械的拘束装置を備えること。

ニ 可動式ガードを閉じたときに、危険性又は有害性となる運動部分が自動的に動作を開始しないこと。

(1)イ  ロ  ハ  ニ

(2)イ  ロ  ハ

(3)イ  ロ

(4)イ  ハ  ニ

(5)ロ  ハ  ニ

正答(1)

【解説】

問29試験結果

試験解答状況
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本問は、問題文本文にもあるように、「機械の包括的な安全基準に隠する指針平成 19 年7月 31 日基発第 0731001 号)」(以下「指針」という。)の「別表第3 安全防護の方法」に関する問題である。

イ 適切である。指針の別表第3の4の(3)のエにより、ロック機構付きの可動式ガードは、危検性又は有害性となる運動部分が完全に停止した後でなければガードを開けることができないこととされている。

洗濯機の蓋は、回転槽が止まらないと開かないようになっているが、それと同じだと考えればよい。

【別表第3 安全防護の方法】

 ガードについては、次によること。

(3)可動式ガードについては、次に定めるところによるものとすること。

ア~ウ (略)

 ロック機構付きの可動式ガードは、危険性又は有害性となる運動部分が完全に動作を停止した後でなければガードを開けることができないこと。

オ及びカ (略)

※ 厚生労働省「機械の包括的な安全基準に隠する指針」」(平成 19 年7月 31 日基発第 0731001 号)

ロ 適切である。指針の別表第3の4の(3)のオにより、危険性又は有害性となる運動部分の動作を停止する操作が行われた後一定時間を経過しなければガードを開くことができない構造とした可動式ガードにおいては、当該一定時聞が当該運動部分の動作が停止するまでに要する時間より長く設定されていることとされている。

当然のことであろう。

【別表第3 安全防護の方法】

 ガードについては、次によること。

(3)可動式ガードについては、次に定めるところによるものとすること。

ア~エ (略)

 危険性又は有害性となる運動部分の動作を停止する操作が行われた後一定時間を経過しなければガードを開くことができない構造とした可動式ガードにおいては、当該一定時間が当該運動部分の動作が停止するまでに要する時間より長く設定されていること。

 (略)

※ 厚生労働省「機械の包括的な安全基準に隠する指針」」(平成 19 年7月 31 日基発第 0731001 号)

ハ 適切である。指針の別表第3の6により、工作機械に蓄積されたエネルギー、位置エネルギー、機械の故障若しくは誤動作又は誤操作等により機械の運動部分の動作を停止させた状態が維持できないとリスクの増加を生じるおそれのあるときは、当該運動部分の停止状態を確実に保持できる機械的拘束装置を備えることとされている。

慣性や、重力、又は、故障等により動き出して危険を及ぼす恐れのある部分には、機械的に押さえてブレーキを掛けろということである。

【別表第3 安全防護の方法】

 機械に蓄積されたエネルギー、位置エネルギー、機械の故障若しくは誤動作又は誤操作等により機械の運動部分の動作を停止させた状態が維持できないとリスクの増加を生じるおそれのあるときは、当該運動部分の停止状態を確実に保持できる機械的拘束装置を備えること。

※ 厚生労働省「機械の包括的な安全基準に隠する指針」」(平成 19 年7月 31 日基発第 0731001 号)

ニ 適切である。指針の別表第3の4の(3)のイ。可動式ガードを閉じたときに、危険性又は有害性となる運動部分が自動的に動作を開始しないこと。

洗濯機の蓋は、回転槽が止まらない限り開けられないようになっている。ここでは、その蓋を閉めると自動的に回転槽を回すようなことはするなと言っている。

機械が故障したとき、カバーを開けたら機械が止まったので、機械の内部に入って修理をし、内部からカバーを閉めると機械がいきなり動き出せば危険であろう。

【別表第3 安全防護の方法】

 ガードについては、次によること。

(3)可動式ガードについては、次に定めるところによるものとすること。

 (略)

 可動式ガードを閉じたときに、危険性又は有害性となる運動部分が自動的に動作を開始しないこと。

ウ~カ (略)

※ 厚生労働省「機械の包括的な安全基準に隠する指針」」(平成 19 年7月 31 日基発第 0731001 号)