問17 ボイラーのバーナーの常時チェック形燃焼安全装置に関する次の文中の空欄 A ~ C に当てはまる語句として、適切なものの組合せは(1)~(5)のうちどれか。
常時チェック形燃焼安全装置に組み合わされる紫外線火炎検出器には、火炎光を定期的に遮断するシャッターが内蔵されている。火炎光をこのシャッターで遮ったときに、火炎の検出信号が A 場合は紫外線火炎検出器は正常である。一方、火炎光を遮ったときに火炎の検出信号が B 場合は C を検出できないので、そのときはボイラーのバーナーの燃焼を停止する。
A | B | C | |||
---|---|---|---|---|---|
(1) | 出力される | 出力される | 火炎有り | ||
(2) | 出力される | 出力されない | 火炎有り | ||
(3) | 出力される | 出力されない | 火炎無し | ||
(4) | 出力されない | 出力される | 火炎有り | ||
(5) | 出力されない | 出力される | 火炎無し |

※ イメージ図(©photoAC)
このページは、2024年の労働安全衛生コンサルタント試験の「産業安全一般」問題の解説と解答例を示しています。
解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等を削除した場合があります。
他の問題の解説をご覧になる場合は、「下表の左欄」、グローバルナビの「安全衛生試験の支援」又は「パンくずリスト」をご利用ください。
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2024年度(令和06年度) | 問17 | 難易度 | 試験場で問題文の意味を考えることで正答は可能。正答率は低いが、なんとしても正答しておきたい。 |
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ボイラの安全装置 | 5 |
※ 難易度は本サイトが行ったアンケート結果の正答率に基づく。
5:50%未満 4:50%以上60%未満 3:60%以上70%未満 2:70%以上80%未満 1:80%以上
問17 ボイラーのバーナーの常時チェック形燃焼安全装置に関する次の文中の空欄 A ~ C に当てはまる語句として、適切なものの組合せは(1)~(5)のうちどれか。
常時チェック形燃焼安全装置に組み合わされる紫外線火炎検出器には、火炎光を定期的に遮断するシャッターが内蔵されている。火炎光をこのシャッターで遮ったときに、火炎の検出信号が A 場合は紫外線火炎検出器は正常である。一方、火炎光を遮ったときに火炎の検出信号が B 場合は C を検出できないので、そのときはボイラーのバーナーの燃焼を停止する。
A | B | C | |||
---|---|---|---|---|---|
(1) | 出力される | 出力される | 火炎有り | ||
(2) | 出力される | 出力されない | 火炎有り | ||
(3) | 出力される | 出力されない | 火炎無し | ||
(4) | 出力されない | 出力される | 火炎有り | ||
(5) | 出力されない | 出力される | 火炎無し |
正答(5)
【解説】
本問のボイラーのバーナーの常時チェック形燃焼安全装置は、「機能安全活用実践マニュアル ボイラー編」(中央労働災害防止協会 2018 年3月)などにその例がある。
しかし、実際の機構について知らなくとも、試験会場で考えれば正答に達することができる。火炎のセンサーが正常であれば、シャッターで火炎を遮られれば火炎があるという信号は出力されない。もし、火炎があるという信号が出力されるのであれば、実際に火炎がなくなってもそのことを検知できないこととなろう。
従って、「常時チェック形燃焼安全装置に組み合わされる紫外線火炎検出器には、火炎光を定期的に遮断するシャッターが内蔵されている。火炎光をこのシャッターで遮ったときに、火炎の検出信号が出力されない場合は紫外線火炎検出器は正常である。一方、火炎光を遮ったときに火炎の検出信号が出力される場合は火炎無しを検出できないので、そのときはボイラーのバーナーの燃焼を停止する」となり、(5)が正答となる。
これは、実際のボイラーのバーナの自己診断機能に用いられており、中災防の「機能安全活用実践マニュアル ボイラー編」に次のように紹介されている。
【機能安全活用実践マニュアル ボイラー編】
火炎検出器の診断機能:
火炎検出器は構成例(1)では、24 時間に1回以上、バーナコントローラとのループで起動チェック(診断)されるが、構成例(2)では自己診断機能により火炎検出器が故障していないか、シャッターにより光感知部を2秒に1度、定期的に遮断し、火炎検出器自身が自己診断を実施する。故障を検知すると遮断弁が閉じられる。
※ 中央労働災害防止協会「機能安全活用実践マニュアル ボイラー編」(2018 年3月)
本問で(2)を選んだ受験者は、安全装置の検出器は火炎があることを検出するものという思い込みから、「シャッターで遮る」を読み誤ったケアレスミスだろうか。近年の労働安全コンサルタント試験は、難易度が上がる傾向があり、点数が取りにくくなっている。ケアレスミスが合否を決するようなこともあり得るので、十分な注意が必要である。