労働安全コンサルタント試験 2024年 産業安全一般 問03

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※ イメージ図(©photoAC)

 このページは、2024年の労働安全衛生コンサルタント試験の「産業安全一般」問題の解説と解答例を示しています。

 解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等を削除した場合があります。

 他の問題の解説をご覧になる場合は、「下表の左欄」、グローバルナビの「安全衛生試験の支援」又は「パンくずリスト」をご利用ください。

 柳川に著作権があることにご留意ください。

2024年度(令和06年度) 問03 難易度 材料に関するごく初歩的な問題。確実に正答できなければならない。
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※ 難易度は本サイトが行ったアンケート結果の正答率に基づく。
5:50%未満 4:50%以上60%未満 3:60%以上70%未満 2:70%以上80%未満 1:80%以上

問3 クレーン等に使用される鉄鋼材料の強さ、応力、変形などに関する次のイ~ニの記述について、適切なもののみを全て挙げたものは(1)~(5)のうちどれか。

イ 材料に引張荷重が作用し変形するとき、荷重が作用する前の元の長さに対する変形量の割合を引張ひずみという。

ロ 材料に荷重が作用し変形するとき、その荷重を除去すればひずみが残らず元の形に戻る変形を弾性変形という。

ハ せん断応カは、材料に作用するせん断荷重を材料の断面係数で割って求められる。

ニ 材料に荷重をかけると、材料の内部にはその荷重に抵抗し、つり合いを保とうとする内力が生じる。

(1) イ   ロ   ハ

(2) イ   ロ   ニ

(3) イ   ニ

(4) ロ   ハ

(5) ハ   ニ

正答(2)

【解説】

問3試験結果

試験解答状況
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イ 正しい。初期断面積をA(幅W × 厚さT)、評点間距離Lの単軸引張試験片に引張荷重Fをかけたとき、評点間距離がℓになったとする。このとき、公称応力 σ及び公称ひずみ ε は次式で表される。

σFA=FWT

εLL

ロ 正しい。(一社)日本機械学会の機械工学事典「弾性」によれば、「物体に力を加えて変形させた後、力を取除くと元の状態に戻る性質を弾性という。このような性質を持つ物体を弾性体といい、応力によって生じた変形を弾性変形という」とされている。

ハ 誤り。せん断応カは、材料に作用するせん断荷重を材料の断面積で除して求められる(※)

※ 荒井政大「やさしい材料力学 第1回応力とひずみ」(日本機械学会誌 Vol.122 No.1202 2019年)の図1.5「せん断応力,せん断ひずみの定義」が分かりやすい。

ニ 正しい。材料に荷重をかけると、材料の内部にはその荷重に抵抗し、つり合いを保とうとする内力が生じる(※)

※ 三上貴司「材料力学の基礎」(新潟大学晶析工学研究室解説資料)の説明が分かりやすい。