労働安全コンサルタント試験 2023年 産業安全一般 問26

労働衛生の三管理




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※ イメージ図(©photoAC)

 このページは、2023年の労働安全衛生コンサルタント試験の「産業安全一般」問題の解説と解答例を示しています。

 解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等を削除した場合があります。

 他の問題の解説をご覧になる場合は、「下表の左欄」、グローバルナビの「安全衛生試験の支援」又は「パンくずリスト」をご利用ください。

 柳川に著作権があることにご留意ください。

2023年度(令和05年度) 問26 難易度 過去に類問も多いためか、正答率は高かった。過去問の学習により確実に得点できる問題である。
労働衛生の3管理

※ 難易度は本サイトが行ったアンケート結果の正答率に基づく。
5:50%未満 4:50%以上60%未満 3:60%以上70%未満 2:70%以上80%未満 1:80%以上

問26 事業場における労働衛生の三管理(作業環境管理、作業管理及び健康管理)について、その種類と取組内容に関する次のイ~ホの組合せについて、適切なもののみを全て挙げたものは(1)~(5)のうちどれか。

労働衛生管理の種類 労働衛生に関する取組内容
イ  作業管理 ・・・ 腰部に著しい負担のかかる作業に従事する労働者に対し、腰痛予防体操を実施する。
ロ  作業環境管理 ・・・ アーク溶接作業を行う労働者に防じんマスクなどの保護具を使用させることによって、有害物質に対するばく露量を低減する。
ハ  作業管理 ・・・ 有機溶剤業務を行う作業場所に設置した局所排気装置のフード付近の気流の風速を測定する。
ニ  健康管理 ・・・ 健康診断結果に基づく事後措置として就業制限を行う。
ホ  作業環境管理 ・・・ ずい道建設工事の据削作業において、土石又は岩石を湿潤な状態に保つための設備を稼働する。

(1)イ  ロ

(2)イ  ハ  ニ

(3)ロ  ニ  ホ

(4)ハ  ホ

(5)ニ  ホ

正答(5)

【解説】

問26試験結果

試験解答状況
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労働衛生の3管理の見分け方については「労働衛生3管理の見分け方」を参照して欲しい。本ページの末尾に示した「受験テクニック」はそこからの再掲である。

イ 適切ではない。腰部に著しい負担のかかる作業に従事する労働者に対し、腰痛予防体操を実施するのは、作業者の体内の“もの”あるいは“現象”を管理しているので健康管理である。

ロ 適切ではない。保護具は作業者の体内に存在する“モノ”ではないが、作業者が存在して初めて意味を持つ“モノ”である。従って保護具の使用は作業管理となる。これは、覚えておいた方が良い。

ハ 適切ではない。局所排気装置は、人がいなくても存在している“モノ”である。従って、その管理である気流の測定・調整は作業環境管理となる。

ニ 適切である。健康診断結果に基づく事後措置として就業制限は健康管理である。これは説明するまでもないであろう。

ホ 適切である。土石又は岩石を湿潤な状態に保つための設備を稼働することは、人がいなくても存在している“モノ”を管理しているので作業環境管理となる。

【受験テクニック】

①  作業環境管理 : 音や電磁波のような物体ではないものを含めて、人がいなくても存在している“モノ”を管理する。
②  作業管理 : 作業者の体内に存在する“モノ”ではないが、作業者が存在して初めて意味を持つ“モノ”を管理する。
③  健康管理 : 作業者の体内の“もの”あるいは“現象”を管理する。
2024年01月05日執筆