問22 爆発下限界[vol%]と燃焼熱[kJ/mol]の積は、メタンやエタンで代表される飽和炭化水素ではほぼ一定であることが知られている。
メタンの燃焼熱が891 kJ/molであり、メタンとエタンの爆発範囲が次のように知られているとき、エタンの燃焼熱の推定値は、(1)~(5)のうちどれか。
メタンの爆発範囲 5.0 vol%~15.0 vol%
エタンの爆発範囲 3.0 vol%~12.5 vol%
(1) 178 kJ/mol
(2) 356 kJ/mol
(3) 535 kJ/mol
(4)1,069 kJ/mol
(5)1,485 kJ/mol
※ イメージ図(©photoAC)
このページは、2023年の労働安全衛生コンサルタント試験の「産業安全一般」問題の解説と解答例を示しています。
解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等を削除した場合があります。
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2023年度(令和05年度) | 問22 | 難易度 | 燃焼熱を推定する計算問題。考え方も前提となる数値も与えられているので単純な計算問題である。 |
---|---|---|---|
燃焼熱の推定 | 5 |
※ 難易度は本サイトが行ったアンケート結果の正答率に基づく。
5:50%未満 4:50%以上60%未満 3:60%以上70%未満 2:70%以上80%未満 1:80%以上
問22 爆発下限界[vol%]と燃焼熱[kJ/mol]の積は、メタンやエタンで代表される飽和炭化水素ではほぼ一定であることが知られている。
メタンの燃焼熱が891 kJ/molであり、メタンとエタンの爆発範囲が次のように知られているとき、エタンの燃焼熱の推定値は、(1)~(5)のうちどれか。
メタンの爆発範囲 5.0 vol%~15.0 vol%
エタンの爆発範囲 3.0 vol%~12.5 vol%
(1) 178 kJ/mol
(2) 356 kJ/mol
(3) 535 kJ/mol
(4)1,069 kJ/mol
(5)1,485 kJ/mol
正答(5)
【解説】
本問は数値も考え方も与えられているので、単純な計算問題である。出題者のサービス問題であろう。このような問題を取りこぼしてはならない。
ところが、正答率が 50 %をわずかに下回る程度なのである。このような単純な計算問題をなぜ誤答したのだろうか。
おそらく(3)と解答した受験者は爆発範囲のメタンとエタンを取り違えたのであろう。これは単純な問題文の誤読と思われ、ケアレスミスであろう。
また、(4)と解答した受験者は爆発上限と爆発下限を取り違えたものであろう。これもケアレスミスと思われるが、勘違いで思い込みをして見直しでも気付かなかったものであろう。
ありがちなことではあるが、このような問題文の誤読やケアレスミスで点数を失うことは避けなければならない。これは過去問を繰り返して解くことによりある程度、防げるようになる。
さて、本問の解き方であるが、爆発下限界[vol%]と燃焼熱[kJ/mol]の積は、メタンとエタンでほぼ一定だというのであるから、エタンの燃焼熱をXとすると、
3.0 vol% ✕ X [kJ/mol] = 5.0 vol% ✕ 891 kJ/mol
であるから、X=1,485 kJ/mol となり、(5)が正解である。もっとも、爆発限界の有効桁数が2桁なのに、燃焼熱の有効桁数を4桁としているのには違和感を覚える。