労働安全コンサルタント試験 2023年 産業安全一般 問15

コンクリートについての試験・検査方法




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※ イメージ図(©photoAC)

 このページは、2023年の労働安全衛生コンサルタント試験の「産業安全一般」問題の解説と解答例を示しています。

 解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等を削除した場合があります。

 他の問題の解説をご覧になる場合は、「下表の左欄」、グローバルナビの「安全衛生試験の支援」又は「パンくずリスト」をご利用ください。

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2023年度(令和05年度) 問15 難易度 コンクリートの各種試験方法に関する知識問題。やや詳細な内容だったが、正答率は極端に低くはなかった。
コンクリートの試験

※ 難易度は本サイトが行ったアンケート結果の正答率に基づく。
5:50%未満 4:50%以上60%未満 3:60%以上70%未満 2:70%以上80%未満 1:80%以上

問15 コンクリートについての試験・検査方法に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。

(1)コンクリートの圧縮強度を推定するための非破壊検査として、リバウンドハンマーを用いてコンクリート表面の反発度を測定する方法がある。

(2)コンクリートのコア抜き検査とは、コンクリート構造物の劣化の状況等をべるため、円筒形の供試体をくり抜いて実施する検査である。

(3)スランプ試験は、フレッシュコンクリート(生コンクリート)を詰めた状態からスランプコーンを引き上げた後の、試料の広がりを測定する試験である。

(4)コンクリートの中性化の程度を調べる試験として、コア抜きした供試体にフェノールフタレイン溶液を噴霧して、変色を確認する方法がある。

(5)工事現場で実施することの多いフレッシュコンクリート(生コンクリート)の試験には、スランプ試験、空気量試験、塩化物イオン濃度試験等がある。

正答(3)

【解説】

問15試験結果

試験解答状況
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(1)適切である。リバウンドハンマーによる強度推定は、その名の通り、ハンマーをコンクリート表面に打ち付けて反発度を測定して、コンクリートの強度を推定する。コンクリートを破損するわけではなく、非破壊検査である。

(2)適切である。コンクリートのコア抜き検査とは、コンクリートの圧縮強度、中性化深さ、単位容積質量、静弾性係数、塩化物イオン量などを測定するため、円筒形の供試体をくり抜いて実施する検査である。

コンクリートの劣化の調査のために行うことがあるが、孔を開けることになるという問題がある。このため、配管、配線などのためのスリーブが必要となったときに行なわれることもある。

(3)適切ではない。スランプ試験は、フレッシュコンクリートの軟らかさの程度を示す指標の一つであるスランプを測定する試験である。スランプは試料の「広がり」ではなく「下がり」で表すので、本肢は適切ではない。

しかし、スランプ試験について知らなければ、本肢の問題文は何を言っているのか理解できないような文章である。スランプ試験を知らない方には分かりにくいと思うので、岡山県生コンクリート販売協同組合の公式チャンネルの動画を埋め込んでおくので参照して欲しい。

なお、スランプフローは、フレッシュコンクリートの流動性を示す指標の一つで、スランプ試験後のコンクリート試料の直径の広がりで表す。その意味で本問は、引っ掛け問題としか言いようがない。これについては建材試験センターの公式チャンネルの動画を埋め込んでおく。

(4)適切である。コンクリートの中性化もコンクリートの劣化である。コア抜きした供試体にフェノールフタレイン溶液を噴霧して、赤く変色しないようなら中性化している。

(5)適切である。本肢に示された通り、工事現場で実施することの多いフレッシュコンクリート(生コンクリート)の試験には、スランプ試験(※1)、空気量試験(※2)、塩化物イオン濃度試験(※3)等がある。

※1 JIS A 1101:2020(コンクリートのスランプ試験方法)。

※2 JIS A 1128:2019(フレッシュコンクリートの空気量の 圧力による試験方法−空気室圧力方法)。

※3 JIS A 1144:2010(フレッシュコンクリート中の水の塩化物イオン濃度試験方法)。なお、桝田佳寛「フレッシュコンクリートの塩化物含有量の試験方法」(コンクリート工学 Vol.25 No.2 1997年)など

2023年12月28日執筆