労働安全コンサルタント試験 2022年 産業安全一般 問19

個人用保護具一般




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※ イメージ図(©photoAC)

 このページは、2022年の労働安全衛生コンサルタント試験の「産業安全一般」問題の解説と解答例を示しています。

 解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等を削除した場合があります。

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2022年度(令和04年度) 問19 難易度 個人用保護具についての問題は頻出である。やや意地の悪い肢もあるが正答しておきたい。
個人用保護具一般

※ 難易度は本サイトが行ったアンケート結果の正答率に基づく。
5:50%未満 4:50%以上60%未満 3:60%以上70%未満 2:70%以上80%未満 1:80%以上

問19 保護具に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。

(1)墜落制止用器具はフルハーネス型を使用することが原則である。

(2)墜審制止用器具の取付設備は、ランヤードが外れたり、抜けたりするおそれのないもので、墜落制止時の衝撃力に対し耐え得るものとする。

(3)墜落制止用器具の点検、保守及び保管は責任者を定めて行い、管理台帳にそれらの結果や管理上必要な事項を記録しておく。

(4)保護帽の衝撃吸収ライナーは、物体の飛来落下により頭部に加わる衝撃を緩和するためのものである。

(5)安全靴には、爪先保護のために先端部の強度が必要である。

正答(4)

【解説】

問19試験結果

試験解答状況
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(1)適切でないとはいえない。やや引っ掛け的な問題だが、「墜落制止用器具の安全な使用に関するガイドライン」(以下「ガイドライン」という。)の第4の1の(1)に「墜落制止用器具は、フルハーネス型を原則とすること。ただし、墜落時にフルハーネス型の墜落制止用器具を着用する者が地面に到達するおそれのある場合は、胴ベルト型の使用が認められること」とされている。6.75メートル以下の作業であっても、墜落制止用器具はフルハーネス型を使用することが望ましいのである。

なお、ガイドラインによれば、ワークポジショニング作業を伴わない場合(通常の作業の場合)で、足下にフック等を掛けて作業を行う必要があるときは、フルハーネス型を選定することとされている。またワークポジショニング作業(電柱などでU字吊りで体を固定してこなう作業など)を伴う場合は、頭上にフック等を掛けられる構造物がないことによりフルハーネス型の着用者が地面に到達するおそれがあるときを除き、フルハーネス型を選択することとされている。

安全帯が墜落製紙用器具に変更された当時、一部に誤った情報=6.75メートル(建設業では5メートル)より低い位置では同ベルト型が推奨されている=が流布されたことがあるが、このような誤解がないようにしたい。

(2)適切である。安衛則第521条の趣旨からも当然のことであろう。なお、ガイドラインの第5の1の(2)に「墜落制止用器具の取付設備は、ランヤードが外れたり、抜けたりするおそれのないもので、墜落制止時の衝撃力に対し十分耐え得る堅固なものであること」との記述がある。

【労働安全衛生規則】

(要求性能墜落制止用器具等の取付設備等)

第521条 事業者は、高さが二メートル以上の箇所で作業を行う場合において、労働者に要求性能墜落制止用器具等を使用させるときは、要求性能墜落制止用器具等を安全に取り付けるための設備等を設けなければならない。

 事業者は、労働者に要求性能墜落制止用器具等を使用させるときは、要求性能墜落制止用器具等及びその取付け設備等の異常の有無について、随時点検しなければならない。

(3)適切である。ガイドラインの第6に「墜落制止用器具の点検・保守及び保管は、責任者を定める等により確実に行い、管理台帳等にそれらの結果や管理上必要な事項を記録しておくこと」とされている。

(4)適切ではない。「保護帽の規格」第3条に「物体の飛来又は落下による危険を防止するための保護帽は、帽体、着装体及びあごひもを有し」とあり、第4条に「墜落による危険を防止するための保護帽は、帽体、衝撃吸収ライナー及びあごひもを有し」とされている。すなわち、保護帽の衝撃吸収ライナーは、墜落による頭部に加わる衝撃を緩和するためのものなのである。

(5)適切である。JIS T 8101:2020には、安全靴には先芯が取り付けられていることとされている。

2022年12月02日執筆