労働安全コンサルタント試験 2022年 産業安全一般 問17

安全上考慮すべき事項




問題文
トップ
受験勉強に打ち込む

※ イメージ図(©photoAC)

 このページは、2022年の労働安全衛生コンサルタント試験の「産業安全一般」問題の解説と解答例を示しています。

 解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等を削除した場合があります。

 他の問題の解説をご覧になる場合は、「下表の左欄」、グローバルナビの「安全衛生試験の支援」又は「パンくずリスト」をご利用ください。

 柳川に著作権があることにご留意ください。

2022年度(令和04年度) 問17 難易度 安全の基本原理に関する基本的な知識問題。正答率がやや低かったのは残念なところ。
安全上考慮すべき事項

※ 難易度は本サイトが行ったアンケート結果の正答率に基づく。
5:50%未満 4:50%以上60%未満 3:60%以上70%未満 2:70%以上80%未満 1:80%以上

問17 安全上重要な機構や制御システムの故障等による危害を防止するため、考慮すべき次の方策のうち、適切でないものはどれか。

(1)自動監視の使用

(2)対称故障モードの構成品の使用

(3)構成品の冗長化

(4)点検間隔の短い点検

(5)設計が異なる複数の安全装置の使用

正答(2)

【解説】

問17試験結果

試験解答状況
図をクリックすると拡大します

本問は、「機械の包括的な安全基準に関する指針」の「別表第2 本質的安全設計方策」からの出題であろう。

別表第2の13に「安全上重要な機構や制御システムの故障等による危害を防止するため、当該機構や制御システムの部品及び構成品には信頼性の高いものを使用するとともに、当該機構や制御システムの設計において、非対称故障モードの構成品の使用構成品の冗長化自動監視の使用等の方策を考慮すること」とされている。

すなわち、「対称故障モードの構成品の使用」ではなく「対称故障モードの構成品の使用」をするべきであり(2)が誤りである。常識的に考えても、例えば安全カバーが故障するときに、開きっぱなしになる確率と閉じっぱなしになる確率が同じであっては困るだろう。ここは、閉まりっぱなしになる故障の確率の方が高くなって欲しいわけである。対称故障モードになるメリットは何もない。

なお、平成19年7月31日基安安発第0731004号「「機械の包括的な安全基準に関する指針」の解説等について」の記の7の(13)のイに「「冗長化」とは、複数の回路を並列的に設けることにより、一部に故障が生じても機能を維持する構造としたものであること。ただし、自動監視又は点検間隔の短い定期的な点検により故障を可能な限り検出できるようにする必要があること。また、冗長化には、設計、技術、原理等の異なる複数の系を設けて、同一原因による故障を避けるようにする異種冗長化構成があること」とされていることも覚えておこう。

2022年12月02日執筆