労働安全コンサルタント試験 2022年 産業安全一般 問14

材料の各種試験方法




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 このページは、2022年の労働安全衛生コンサルタント試験の「産業安全一般」問題の解説と解答例を示しています。

 解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等を削除した場合があります。

 他の問題の解説をご覧になる場合は、「下表の左欄」、グローバルナビの「安全衛生試験の支援」又は「パンくずリスト」をご利用ください。

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2022年度(令和04年度) 問14 難易度 材料の各種試験方法に関する基本的な知識問題。過去に多くの出題例がある。正答できなければならない。
材料の各種試験方法

※ 難易度は本サイトが行ったアンケート結果の正答率に基づく。
5:50%未満 4:50%以上60%未満 3:60%以上70%未満 2:70%以上80%未満 1:80%以上

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問14 材料についての試験方法に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。

(1)引張試験は金属材料の機械的性質を調べるための一般的な試験法であり、これによって、降伏点又は耐力、伸び、絞り、引張強さなどを求めることができる

(2)圧縮試験は、石材、ねずみ鋳鉄などのぜい性材料の圧縮強度を知るために行われているが、この試験によって、鋼などの延性材料の圧縮強度についても、脆性材料の場合と同等の精度で求めることができる。

(3)樹脂の耐候性試験には、太陽光に直接ばく露するものと、人工光源による人工促進ばく露試験がある。

(4)引張リラクセーション試験は、一定の温度に保持された試験片に所定の大きさの初期ひずみを加えて初期応力を発生させ、試験中はこの初期ひずみ量を一定に保持し、発生した負荷応力の減少量を連続的に測定するものである。

(5)溶接部のアンダカットやオーバラップの確認は、外観試験により行う。

正答(2)

【解説】

問14試験結果

試験解答状況
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(1)適切である。本肢の通りである。

(2)適切ではない。圧縮試験は、石材、ねずみ鋳鉄などのぜい性材料や低延性材料の圧縮強度や弾性、比例限界、圧縮降伏点、圧縮降伏強度などを知るために行われている。

これに対し、鋼などの延性材料については引張試験を行うことが多い。延性材料について、圧縮試験によって、脆性材料の場合と同等な精度で圧縮強度を求めることはできない。

その理由には、延性材料を圧縮すると扁平状になり、不均一に変形することがある。また、圧盤が弾性変形するため、試料の高さは、試料の不均一な歪が小さい間は試料そのものの高さを測定し、不均一な歪が大きくなると圧盤間の距離を測定するようにするべきだが、精度には一定の限界がある。

(3)適切である。樹脂だけではないが、耐候性試験は光、温度、湿度(水)によるものに分かれる。光によるものは、太陽光に直接ばく露するもの(JIS K 7219-1:2011JIS K 7219-2:2011)と、人工光源による人工促進ばく露試験(JIS K 7350-1:2020JIS K 7350-2:2008)がある。

人工光源による人工促進ばく露試験では、劣化因子を特化させることにより、太陽光に直接ばく露するよりも短時間で評価が可能となる。

(4)適切である。引張リラクセーション試験(JIS Z 2276:2012)は、「試験片を規定された温度に保持して、試験片の長手方向に試験力を加えて規定の初期試験力Fo(初期応力)又は全ひずみに達した後、全ひずみが一定に保たれた条件の基で、試験力(応力)の時間的変化を求めるものである」とされている。

(5)適切である。溶接部のアンダカットもオーバラップも外観で確認できる。

2022年12月02日執筆