問13 設備や構造物の強度計算に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。
(1)両端が閉じられた薄肉円筒が内圧を受けるとき、内圧による応力は、円周方向応力が軸方向応カの2倍になる。
(2)トラス構造の計算では、一般に、部材は摩擦のないピンで接合されており、外力は接合点(節点、格点)に作用するものと仮定する。
(3)オイラー式によれば、銅製の長柱の弾性座屈荷重は鋼材の降伏点に比例して大きくなる。
(4)基礎の設計では、地盤の強度から許容支持カを、地盤の変形量から許容沈下量を求め、双方の条件を満足するように許容地耐力を求める。
(5)銅製の梁の計算で鋼材の許容曲げ応力が明らかにされている場合には、それに断面係数を乗ずることにより許容曲げモーメントを求めることができる。
※ イメージ図(©photoAC)
このページは、2022年の労働安全衛生コンサルタント試験の「産業安全一般」問題の解説と解答例を示しています。
解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等を削除した場合があります。
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2022年度(令和04年度) | 問13 | 難易度 | 難問だが、設備・構造物の強度計算は過去に多くの出題例がある。合否を分けるのはこのような問題である。 |
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設備・構造物の強度計算 | 4 |
※ 難易度は本サイトが行ったアンケート結果の正答率に基づく。
5:50%未満 4:50%以上60%未満 3:60%以上70%未満 2:70%以上80%未満 1:80%以上
問13 設備や構造物の強度計算に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。
(1)両端が閉じられた薄肉円筒が内圧を受けるとき、内圧による応力は、円周方向応力が軸方向応カの2倍になる。
(2)トラス構造の計算では、一般に、部材は摩擦のないピンで接合されており、外力は接合点(節点、格点)に作用するものと仮定する。
(3)オイラー式によれば、銅製の長柱の弾性座屈荷重は鋼材の降伏点に比例して大きくなる。
(4)基礎の設計では、地盤の強度から許容支持カを、地盤の変形量から許容沈下量を求め、双方の条件を満足するように許容地耐力を求める。
(5)銅製の梁の計算で鋼材の許容曲げ応力が明らかにされている場合には、それに断面係数を乗ずることにより許容曲げモーメントを求めることができる。
正答(3)
【解説】
(1)正しい。両端が閉じられた厚さ 、内径 の薄肉円筒が内圧 を受けるとき、内圧による応力は、円周方向応力が 、軸方向応カがとなる。
(2)正しい。本肢の通りである。なお、本肢は、2014年の問14の(4)と同じ内容である。
(3)誤り。オイラー式とは、座屈荷重は、次式のように表せるとするものである。弾性座屈荷重が鋼材の降伏点に比例して大きくなるとはされていない。
Pcr:座屈荷重、
C:端末条件係数、
E:ヤング率、
I:断面2次モーメント、
L:長さ
本肢は、2014年の問14の(3)と同じ内容である。すなわち、2014年まで過去問を遡って学習しておけば本問は正答できる問題なのである。
(4)正しい。許容沈下量とは、上部構造の機能及び構造特性を損なわない範囲で許容される基礎の沈下量のことである。地盤の条件、基礎の形式、上部構造の構造特性や周囲の状況等を総合的に判断して設定することになる。地盤の変形量だけから求めるべきものではないが、(3)が明らかに誤りなのでこちらは正しいとしておく。
なお、許容支持カは、建築基準法施行令第93条により、国土交通省告示第1113号(平成13年7月2日)によって定めるものであり、地盤の強度から求められる。また、許容沈下量と許容支持カの双方の条件を満足するように許容地耐力を求めることは正しい。
本肢は、2016年の問14の(4)と同じ内容である。
(5)正しい。銅製の梁の計算で鋼材の許容曲げ応力が明らかにされている場合には、それに断面係数を乗ずることにより許容曲げモーメントを求めることができる。2014年の問14の(2)と同じ内容である。