労働安全コンサルタント試験 2022年 産業安全一般 問07

ロールボックスパレットの取扱い




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※ イメージ図(©photoAC)

 このページは、2022年の労働安全衛生コンサルタント試験の「産業安全一般」問題の解説と解答例を示しています。

 解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等を削除した場合があります。

 他の問題の解説をご覧になる場合は、「下表の左欄」、グローバルナビの「安全衛生試験の支援」又は「パンくずリスト」をご利用ください。

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2022年度(令和04年度) 問07 難易度 ロールボックスパレットは昨年に引き続いての出題。基本的な内容であり、正答できる必要がある。
ロールボックスパレット

※ 難易度は本サイトが行ったアンケート結果の正答率に基づく。
5:50%未満 4:50%以上60%未満 3:60%以上70%未満 2:70%以上80%未満 1:80%以上

問7 ロールボックスパレット(カゴ車)の安全な取扱いに関する次のイ~ホの記述について、適切でないものの組合せは(1)~(5)のうちどれか。

イ 倒れそうになったら支えず逃げる。

ロ 停止時にはキャスターストッパーを使用する。

ハ 素手で取り扱う。

ニ できる限り低い位置で持つ。

ホ 両手で取り扱う。

(1)イ  ロ

(2)イ  ハ

(3)ロ  ホ

(4)ハ  ニ

(5)ニ  ホ

正答(4)

【解説】

問7試験結果

試験解答状況
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イ 適切である。「ロールボックスパレット起因災害防止に関する手引き」(以下「手引き」という。)の「6.1基本事項」の「(1)遵守事項」に「ロールボックスパレットが傾いたら、支えようとせず、直ちに逃げること」とされている。

ロ 適切である。厚生労働省の「ロールボックスパレット 使う前の5つの基本チェックリスト」によると、「停止時は必ずキャスターストッパーを使用すること」とされている。

※ なお、このチェックリストでは、「キャスターストッパー」という用語はロールボックスパレットのキャスタのストッパを意味し、テールゲートリフタのストッパはたんに「ストッパー」と表示されている。しかし、安全衛生総合研究所の「テールゲートリフター使用時における労働災害の特徴と対策」では、「キャスターストッパー」という用語をテールゲートリフタの昇降板からの転落防止のための装置(ストッパ)の意味で使用し、ロールボックスパレットのキャスタのストッパをたんに「ストッパ」と表現している。

テールゲートリフター

※ テールゲートリフター(安全衛生総合研究所の「テールゲートリフター使用時における労働災害の特徴と対策」より)

本問は、たんに「キャスターストッパー」としているが、テールゲートリフターの使用になれた受験生は、テールゲートリフターのストッパーだと誤解をするのではなかろうか。

しかも、本問は、日本語としてややあいまいであり、テールゲートリフターの昇降板の上でロールボックスパレットを停車させるときに、テールゲートリフタのストッパに当てて止めると読めるのである。そのような行為はロールボックスパレットの転倒につながりかねない。その意味ではやや疑問の残る肢であった。

なお、ロールボックスパレットはテールゲートリフターの昇降板での停止時にはストッパーに当てておくのが原則である。

ハ 適切でない。「手引き」の「6.1基本事項」の「(3)禁止事項」に「素手で取扱わないこと」とされている。

ニ 適切でない。「手引き」の「6.1基本事項」の「(1)遵守事項」に「両手の高さは肩から腰の高さを基本」とされている。なお、「(3)禁止事項」に「肩よりも高い位置を持って操作しないこと」とあるが、だからといって、できる限り低い位置で持つべきではない。

ホ 適切である。「手引き」の「6.1基本事項」の「(1)遵守事項」に「両手で持って操作すること」とされている。

2022年11月30日執筆 2022年12月28日最終改訂