労働安全コンサルタント試験 2022年 産業安全一般 問04

建設工事に使用される足場




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※ イメージ図(©photoAC)

 このページは、2022年の労働安全衛生コンサルタント試験の「産業安全一般」問題の解説と解答例を示しています。

 解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等を削除した場合があります。

 他の問題の解説をご覧になる場合は、「下表の左欄」、グローバルナビの「安全衛生試験の支援」又は「パンくずリスト」をご利用ください。

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2022年度(令和04年度) 問04 難易度 一部にかなり詳細な知識を問う肢もあるが、全体として基本的な問題。正答できなければならない。
建設工事の足場

※ 難易度は本サイトが行ったアンケート結果の正答率に基づく。
5:50%未満 4:50%以上60%未満 3:60%以上70%未満 2:70%以上80%未満 1:80%以上

問4 建設工事に使用される足場に関する次のイ~ニの記述について、適切でないものの組合せは(1)~(5)のうちどれか。

イ 建物に沿って建てた枠組足場において、台風が予想されたので、足場上に仮置きした資材を固縛又は撤去した上で、足場の内部に風が吹き込まないように足場の外側の全面にわたって帆布製シートを張った。

ロ くさび緊結式足場では、はり間方向、桁行き方向ともに支柱の下端付近に根がらみ(水平材)を設ける必要があるが、桁行き方向に長尺の木製足場板を敷板として用い、その上に建てた支柱下端のジャッキ型ベース金具を2本の釘で固定したので、桁行き方向の根がらみを省略した。

ハ 建物に沿って単管足場を建て、足場の建地(支柱)と建物外壁との間に壁つなぎ用金具を設けるとき、できるだけ建地と布(水平材)の交さ部付近を避けた。

ニ 低層住宅の工事を足場先行工法によって行うこととしたが、敷地が狭あいで二側足場の設置が困難であったので、ブラケット一側足場とした。

(1)イ  ロ

(2)イ  ハ

(3)イ  ニ

(4)ロ  ハ

(5)ロ  ニ

正答(2)

【解説】

問4試験結果

試験解答状況
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イ 適切ではない。台風など強風が予想されるとき、足場の外側の全面にわたって帆布製シートを張ると、風圧を受けるので足場が倒壊するリスクが増加する。

ロ 適切でないとはいえない。(一社)仮設工業会「くさび緊結式足場の組立て及び使用に関する技術基準」に「桁行方向、梁間方向それぞれに根がらみを設置する。ただし、ねじ管式ジャッキ型ベース金具を2本以上の釘等により敷板に固定した場合は、桁行方向の根がらみを省略できる」との記述がある。

ハ 適切ではない。壁つなぎ用金具は建地と布(水平材)の交さ部とすることが効果的である。

ニ 適切でないとはいえない。「足場先行工法に関するガイドライン」に「足場は、二側足場とする。ただし、敷地が狭あいな場合等二側足場の設置が困難な場合には、ブラケット一側足場等とすることができる。」とされている。

2022年11月29日執筆