問8 厚生労働省の「高年齢労働者の安全と健康確保のためのガイドライン」に示された事項に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。
(1)通路を含めた作業場所の照度を確保し、照度が極端に変化する場所や作業を解消する。
(2)警報音等は高音域の音を採用し、指向性スピーカーを用いる。
(3)有効視野を考慮した警告・注意機器(パトライト等)を採用する。
(4)段差や滑りやすい箇所等の危険箇所を解消することができない場合には、安全標識等の掲示により注意喚起を行う。
(5)介護作業等では、リフト、スライディングシート等を導入する。
このページは、2021年の労働安全衛生コンサルタント試験の「産業安全一般」問題の解説と解答例を示しています。
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2021年度(令和03年度) | 問08 | 難易度 | 高年齢者の労働災害防止対策についての基本的な知識問題である。正答できなければならない。 |
---|---|---|---|
高齢者の労働災害防止 | 1 |
※ 難易度は本サイトが行ったアンケート結果の正答率に基づく。
5:50%未満 4:50%以上60%未満 3:60%以上70%未満 2:70%以上80%未満 1:80%以上
問8 厚生労働省の「高年齢労働者の安全と健康確保のためのガイドライン」に示された事項に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。
(1)通路を含めた作業場所の照度を確保し、照度が極端に変化する場所や作業を解消する。
(2)警報音等は高音域の音を採用し、指向性スピーカーを用いる。
(3)有効視野を考慮した警告・注意機器(パトライト等)を採用する。
(4)段差や滑りやすい箇所等の危険箇所を解消することができない場合には、安全標識等の掲示により注意喚起を行う。
(5)介護作業等では、リフト、スライディングシート等を導入する。
正答(2)
【解説】
本問は、問題文にもあるように「高年齢労働者の安全と健康確保のためのガイドライン」(以下、本問の解説文中で「ガイドライン」という。)(概要/報道発表)に関する設問である。
(1)適切である。ガイドラインに「視力や明暗の差への対応力が低下することを前提に、通路を含めた作業場所の照度を確保するとともに、照度が極端に変化する場所や作業の解消を図ること。
」とされている。
本肢は、当然のことを言っている。ガイドラインにこれが記されていないとすればガイドラインの不備である。仮にガイドラインにそのことが記載されていないとすれば、こんな問題を厚労省の試験に出すわけがないのである。
(2)適切ではない。ガイドラインに「警報音等は、年齢によらず聞き取りやすい中低音域の音を採用する、音源の向きを適切に設定する、指向性スピーカーを用いる等の工夫をすること」とされている。
高年齢者は、高音域の音が聞きづらくなるのである(2018年問8の解説(3)を読み込んでいれば分かる。)。そのことを知っていれば、本肢が誤りだとわかるであろう。
(3)適切である。ガイドラインに「有効視野を考慮した警告・注意機器(パトライト等)を採用すること
」という、本肢そのままの記述がある。
(4)適切である。ガイドラインに「やむをえず、段差や滑りやすい箇所等の危険箇所を解消することができない場合には、安全標識等の掲示により注意喚起を行うこと
」という、本肢そのままの記述がある。
唯一、迷うとしたらこの肢であろうか。しかし、段差や滑りやすい箇所等の危険箇所を解消することができない場合というのはあるだろう。この場合に対処する方法としては、安全標識等の掲示くらいしかないであろう。
(5)適切である。ガイドラインでは、<介護作業等への対応>として「リフト、スライディングシート等の導入により、抱え上げ作業を抑制すること
」とされている。