労働安全コンサルタント試験 2020年 産業安全関係法令 問09

ボイラーに関する安衛法令の規定




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合格

 このページは、2020年の労働安全衛生コンサルタント試験の「産業安全関係法令」問題の解説と解答例を示しています。

 解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除しました。

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2020年度(令和02年度) 問09 難易度 ボイラーに関するやや詳細な知識問題である。比較的、難問だったかもしれない。
ボイラーに関する規定

問9 特定機械等であるボイラーについて事業者が講ずべき措置に関する次の記述のうち、労働安全衛生法令上、正しいものはどれか。

(1)ボイラーの吹出しについては、2基のボイラーまでなら同時に一人で行わせることができる。

(2)労働者がそうじ、修繕等のためにボイラー又は煙道の内部に入るときは、ボイラー又は煙道を冷却しなければならない。

(3)圧力計は、その内部が最高使用温度以上の温度にならない措置を講じなければならない。

(4)圧力計の目もりには、ボイラーの常用圧力を示す位置に、見やすい表示をしなければならない。

(5)ボイラーの安全弁が2個以上ある場合は、全ての安全弁を最高使用圧力以下で作動するように調整しなければならない。

正答(2)

【解説】

(1)誤り。ボイラーについては、ボイラー則第 31 条第1項(第二号)により、一人で同時に2以上のボイラーの吹出しを行ってはならない。

【ボイラー及び圧力容器安全規則】

(吹出し)

第31条 事業者は、ボイラーの吹出しを行なうときは、次に定めるところによらなければならない。

 1人で同時に2以上のボイラーの吹出しを行なわないこと。

 (略)

 (略)

(2)正しい。ボイラー則第 34 条(第一号)により、労働者がそうじ、修繕等のためにボイラー又は煙道の内部に入るときは、ボイラー又は煙道を冷却しなければならない。

【ボイラー及び圧力容器安全規則】

(ボイラー又は煙道の内部に入るときの措置)

第34条 事業者は、労働者がそうじ、修繕等のためボイラー(燃焼室を含む。以下この条において同じ。)又は煙道の内部に入るときは、次の事項を行なわなければならない。

 ボイラー又は煙道を冷却すること。

二~四 (略)

(3)誤り。ボイラー則第 28 条第1項(第四号)の規定により、圧力計は、その内部が80℃以上の温度にならない措置を講じなければならない。

【ボイラー及び圧力容器安全規則】

(附属品の管理)

第28条 事業者は、ボイラーの安全弁その他の附属品の管理について、次の事項を行なわなければならない。

一~三 (略)

 圧力計又は水高計は、使用中その機能を害するような振動を受けることがないようにし、かつ、その内部が凍結し、又は80度以上の温度にならない措置を講ずること。

五~八 (略)

 (略)

(4)誤り。ボイラー則第 28 条第1項(第五号)の規定により、圧力計の目もりにはボイラーの最高使用圧力を示す位置に見やすい表示をしなければならないが、ボイラーの常用圧力を示す位置に見やすい表示をしなければならないという規定はない。

【ボイラー及び圧力容器安全規則】

(附属品の管理)

第28条 事業者は、ボイラーの安全弁その他の附属品の管理について、次の事項を行なわなければならない。

一~四 (略)

 圧力計又は水高計の目もりには、当該ボイラーの最高使用圧力を示す位置に、見やすい表示をすること。

六~八 (略)

 (略)

(5)誤り。ボイラー則第 28 条第2項の規定により、安全弁が2個以上ある場合に、そのうち1個の安全弁を最高使用圧力以下で作動するように調整したときは、他の安全弁を最高使用圧力の3パーセント増以下で作動するように調整することができる。

【ボイラー及び圧力容器安全規則】

(附属品の管理)

第28条 (第1項略)事業者は、ボイラーの安全弁その他の附属品の管理について、次の事項を行なわなければならない。

 安全弁は、最高使用圧力以下で作動するように調整すること。

二~八 (略)

 前項第一号の規定にかかわらず、事業者は、安全弁が2個以上ある場合において、1個の安全弁を最高使用圧力以下で作動するように調整したときは、他の安全弁を最高使用圧力の3パーセント増以下で作動するように調整することができる。

2020年11月08日執筆 2024年11月09日改訂