労働安全コンサルタント試験 2020年 産業安全一般 問21

気体の分解爆発




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合格

 このページは、2020年の労働安全コンサルタント試験の「産業安全一般」問題の解説と正答を示しています。

 解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除しました。

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2020年度(令和02年度) 問21 難易度 気体の分解爆発に関する思考問題。試験場で考えることによって正答できる問題。
気体の分解爆発

問21 気体の分解爆発に関する次のイ~ニの記述について、正しいものの組合せは(1)~(5)のうちどれか。

イ 成分である各元素から生成されるときに熱量を吸収する化合物は分解爆発を起こす可能性がある。

ロ 分解爆発を起こす代表的な物質はアセトンである。

ハ 分解爆発の着火エネルギーは、高圧になるほど小さくなる。

ニ 分解爆発を起こす物質を保存するときには、酸素ガスで希釈する。

(1)イ   ロ

(2)イ   ハ

(3)ロ   ハ

(4)ロ   ニ

(5)ハ   ニ

正答(2)

【解説】

イ 正しい。生成されるときに熱量を吸収するなら、分解するときには熱量を放出する。その熱で分解が促進される可能性がある。

ロ 誤り。アセトンは引火性のものではあるが分解爆発しない。分解爆発を起こす代表的な化合物というなら、アセチレンか酸化エチレンが挙げられるだろう。

ハ 正しい。気体の圧力が高くなれば、エネルギーが高くなるので、最小着火エネルギーは小さくなる。なお、橋口他は、アセチレンの圧力と最小点火エネルギーの関係を調べており、当然のことではあるが、実際に最小点火エネルギーは高圧になるほど小さくなっている。

※ ハ 橋口幸雄他「高圧アセチレンの静電気放電火花による分解爆発」(工業科学雑誌1958年)

ニ 誤り。一般に、分解爆発を起こす物質を保存するときは、支燃性のない他の気体で希釈することで爆発性を抑制することができる。そのため、酸化エチレンのボンベには窒素が充填されている。

しかし、酸素には支燃性があるので、希釈すればかえって危険である。爆発性の物を酸素で希釈するなど、あり得ない話である。

なお、アセチレンガスのボンベには、アセトン又はN,N-ジメチルホルムアミド(DMF)を浸潤させた多孔質の固体を内蔵している。アセチレンの充填は、マスに浸潤されたアセトンやDMFに溶融させる方法で行われる。

2020年11月21日執筆