労働安全コンサルタント試験 2020年 産業安全一般 問16

クランプメーターの特性




問題文
トップ
合格

 このページは、2020年の労働安全コンサルタント試験の「産業安全一般」問題の解説と正答を示しています。

 解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除しました。

 他の問題の解説をご覧になる場合は、グローバルナビの「安全衛生試験の支援」か「パンくずリスト」をご利用ください。

 柳川に著作権があることにご留意ください。

2020年度(令和02年度) 問16 難易度 クランプメーターの特性に関する知識問題。過去問に類問がなく、電気以外の受験者には難問だろう。
クランプメーターの特性

問16 クランプメーターに関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(1)電流がつくる磁界によって電流を測定する測定器である。

(2)測定方式には、CT(変流器)方式、ホール素子方式などのものがある。

(3)測定方式によらず、直流電流は測定できない。

(4)漏れ電流を測定する種類のものがある。

(5)測定対象の回路と電気的接触をすることなく電流を測定できる。

正答(3)

【解説】

クランプメータ

クランプメータは、電路を挟むことによって、電路を流れる電流値を測定するための装置である。電路が絶縁されたままで、電路を挟むだけで簡易に測定できるというメリットがある。簡易な漏れ電流計として使用できる機種もあるが、過信することは危険である。

(1)正しい。本肢の通りである。

(2)正しい。測定方式には、交流専用のCT(変流器)方式や、交流と直流が測定できるホール素子方式などのものがある。

(3)誤り。直流電流が測定できるタイプのものも存在している。

なお、交流のみを測定する機種は誘導電流を測定するCT方式が多い。一方、直流を測定できる機種はホール素子を用い、ホール効果を利用して測定しているものが多いが、高価な機種ではフラックスゲート素子を用いて、精度を高めたものもある。

(4)正しい。原理的に、電路をすべてクランプすれば漏れ電流を測定できる。実際には漏れ電流を測定するタイプは感度を上げたものが多い。

(5)正しい。クランプメーターとは、測定対象の回路と電気的接触をすることなく電流を測定する測定器である。

2020年11月21日執筆