労働安全コンサルタント試験 2020年 産業安全一般 問02

日常的な安全活動




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合格

 このページは、2020年の労働安全コンサルタント試験の「産業安全一般」問題の解説と正答を示しています。

 解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除しました。

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2020年度(令和02年度) 問02 難易度 きわめて基本的な知識問題である。試験協会のサービス問題か。確実に正答できる問題である。
日常的な安全活動

問02 日常的な安全活動に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。

(1)ツールボックス・ミーティング(TBM)では、監督者(リーダー)は、作業現場の全員が発言するようにリードする。

(2)安全パトロールでは、その場限りの指摘だけに終わらせずに、安全パトロール実施後に、問題点の背後要因、基本的な原因を追跡・調査分析し、本質的な解決に結びつける。

(3)指差し呼称の活動では、指差しで不具合が発見された場合には、次の作業ステップへ進むことを中止し、不具合の是正を行う必要がある。

(4)危険予知(KY)活動において、各作業員から出された危険事象及び対策のうち機械・設備の改善など根本的な検討が必要なものについては、別途、職場懇談会や安全委員会などで詳細に検討して対策を講じることが必要である。

(5)ヒヤリ・ハット活動で提出される案件は、現場レベルで対策できる範囲にとどめておくことが望ましい。

正答(5)

【解説】

(1)適切ではないとはいえない。ツールボックス・ミーティング(TBM)では、監督者(リーダー)は、作業現場の全員が発言するようにリードするという考え方は、必ずしも誤ったものではない。むしろ、全員に発言をさせることは望ましいことであろう。

なお、岐阜労働局が作成したリーフレットは、TBMの基本手順を4段階に分けて説明しているが、「第2段階:意見を引き出す」として「導入したテーマについて、参加者の意見や考え方を引き出す過程。質問も出させ出来るだけ全員に発言させるようにすること」としている。

(2)適切である。当然のことを言っている。安全パトロールで問題点が発見された場合、その場限りの指摘だけで終わらせてしまえば、また同じことが繰り返されることになる。

パトロールの実施後に、問題点の背後要因、基本的な原因を追跡・調査分析し、背後要因、基本的な原因を解消して本質的な解決に結びつけることが望ましい。

(3)適切である。これも当然のことである。指差し呼称の活動では、指差しで不具合が発見された場合には、次の作業ステップへ進むことを中止し、不具合の是正を行う必要がある。不具合を是正せずに、次の段階へ進んでしまったら、なんのための指差呼称だか分からない。

(4)適切である。これも当然のことである。危険予知(KY)活動において、各作業員から出された危険事象及び対策のうち機械・設備の改善など根本的な検討が必要なものについては、別途、職場懇談会や安全委員会などで詳細に検討して対策を講じることが必要である。

(5)適切ではない。ヒヤリ・ハット活動で提出される案件は、現場レベルで対策できないものであったとしても、対応しなければ災害につながる恐れがある。本肢は、あり得ないことである。

2020年11月14日執筆