労働安全コンサルタント試験 2019年 産業安全関係法令 問05

明り掘削の作業における労働災害防止




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合格

 このページは、2019年の労働安全衛生コンサルタント試験の「産業安全関係法令」問題の解説と解答例を示しています。

 解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除しました。

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2019年度(令和元年度) 問05 難易度 かなり詳細な内容を問うている。土木以外の試験区分の受験生にとっては難問だろう。
明り掘削作業

問5 明り掘削の作業における労働災害を防止するため事業者が講ずべき措置に関する次の記述のうち、労働安全衛生法令上、誤っているものはどれか。

(1)掘削機械、積込機械及び運搬機械の使用によるガス導管、地中電線路その他地下に存する工作物の損壊により労働者に危険を及ぼすおそれのあるときは、誘導者を配置し、その者にこれらの機械を誘導させなければならない。

(2)物体の飛来又は落下による労働者の危険を防止するため、作業に従事する労働者に保護帽を着用させなければならない。

(3)埋設物等又はれんが壁、コンクリートブロック塀、擁壁等の建設物に近接する箇所で作業を行う場合において、これらの損壊等により労働者に危険を及ぼすおそれのあるときは、これらを補強し、移設する等当該危険を防止するための措置が講じられた後でなければ、作業を行ってはならない。

(4)土止め支保工の構造については、当該土止め支保工を設ける箇所の地山に係る形状、地質等の状態に応じた堅固なものとし、土止め支保工を組み立てるときは、あらかじめ作成した組立図により組み立てなければならない。

(5)土止め支保工の切りばり又は火打ちの接続部及び切りばりと切りばりとの交さ部は、当て板をあててボルトにより緊結し、溶接により接合する等の方法により堅固なものとしなければならない。

正答(1)

【解説】

(1)誤り。安衛則第363条の規定により、事業者は、明り掘削の作業を行なう場合において、掘削機械、積込機械及び運搬機械の使用によるガス導管、地中電線路その他地下に存する工作物の損壊により労働者に危険を及ぼすおそれのあるときは、これらの機械を使用してはならない。

誘導者を配置すればよいというものではない。誘導者にしても、地下のことを熟知しているわけではなかろう。

【労働安全衛生規則】

(掘削機械等の使用禁止)

第363条 事業者は、明り掘削の作業を行なう場合において、掘削機械、積込機械及び運搬機械の使用によるガス導管、地中電線路その他地下に存する工作物の損壊により労働者に危険を及ぼすおそれのあるときは、これらの機械を使用してはならない。

(2)正しい。安衛則第366条そのままの条文問題である。

【労働安全衛生規則】

(保護帽の着用)

第366条 事業者は、明り掘削の作業を行なうときは、物体の飛来又は落下による労働者の危険を防止するため、当該作業に従事する労働者に保護帽を着用させなければならない。

 (略)

(3)正しい。安衛則第 362 条そのままの条文問題である。

【労働安全衛生規則】

(埋設物等による危険の防止)

第362条 事業者は、埋設物等又はれんが壁、コンクリートブロツク塀、擁壁等の建設物に近接する箇所で明り掘削の作業を行なう場合において、これらの損壊等により労働者に危険を及ぼすおそれのあるときは、これらを補強し、移設する等当該危険を防止するための措置が講じられた後でなければ、作業を行なつてはならない。

 (略)

(4)正しい。安衛則369条と第370条そのままの条文問題である。

【労働安全衛生規則】

(構造)

第369条 事業者は、土止め支保工の構造については、当該土止め支保工を設ける箇所の地山に係る形状、地質、地層、き裂、含水、湧水、凍結及び埋設物等の状態に応じた堅固なものとしなければならない。

(組立図)

第370条 事業者は、土止め支保工を組み立てるときは、あらかじめ、組立図を作成し、かつ、当該組立図により組み立てなければならない。

 (略)

(5)正しい。安衛則第371条(第三号)そのままの問題ではあるが、かなり詳細な内容である。

【労働安全衛生規則】

(部材の取付け等)

第371条 事業者は、土止め支保工の部材の取付け等については、次に定めるところによらなければならない。

一及び二 (略)

 切りばり又は火打ちの接続部及び切りばりと切りばりとの交さ部は、当て板をあててボルトにより緊結し、溶接により接合する等の方法により堅固なものとすること。

四及び五 (略)

2019年12月14日執筆