労働安全コンサルタント試験 2019年 産業安全関係法令 問04

荷役運搬機械等による労働災害防止




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合格

 このページは、2019年の労働安全衛生コンサルタント試験の「産業安全関係法令」問題の解説と解答例を示しています。

 解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除しました。

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2019年度(令和元年度) 問04 難易度 やや詳細な内容を問うている。難問の部類に入るだろう。
荷役運搬機械等

問4 荷役運搬機械等による労働災害を防止するため事業者が講ずべき措置に関する次の記述のうち、労働安全衛生法令上、誤っているものはどれか。

(1)フォークリフト、ショベルローダー、フォークローダー及びストラドルキャリヤーについては、1年を超えない期間ごとに1回、定期に、自主検査を行わなければならない。ただし、1年を超える期間使用しないこれらの荷役運搬機械等の当該使用しない期間においては、この限りでない。

(2)構内運搬車(運行の用に供するものを除く。)については、走行を制動し、及び停止の状態を保持するために有効な制動装置、警音器等を備えていないものは使用してはならない。

(3)荷台にあおりのない貨物自動車の荷台に労働者を乗車させて走行させるときは、移動により労働者に危険を及ぼすおそれのある荷について、歯止め、滑止め等の措置を講じなければならない。

(4)労働者の身体の一部が巻き込まれる等労働者に危険が生ずるおそれのあるコンベヤーについては、非常の場合に直ちに運転を停止することができる装置を備えなければならない。

(5)車両系荷役運搬機械等を用いて作業(不整地運搬車又は貨物自動車を用いて行う道路上の走行の作業を除く。)を行うときは、あらかじめ、当該作業に係る場所の広さ及び地形、当該車両系荷役運搬機械等の種類及び能力、荷の種類及び形状等に適応する作業計画を定めなければならない。

正答(3)

【解説】

(1)正しい。フォークリフト、ショベルローダー、フォークローダー及びストラドルキャリヤーについては安衛令第15条第1項(第1号)の規定により定期自主検査の対象となる。また、それぞれ、安衛則において「1年を超えない期間ごとに1回、定期に、自主検査を行わなければならない。ただし、1年を超える期間使用しないこれらの荷役運搬機械等の当該使用しない期間においては、この限りでない」旨の規定がある。

【労働安全衛生法】

(定期自主検査)

第45条 事業者は、ボイラーその他の機械等で、政令で定めるものについて、厚生労働省令で定めるところにより、定期に自主検査を行ない、及びその結果を記録しておかなければならない。

2~4 (略)

【労働安全衛生法施行令】

(厚生労働大臣が定める規格又は安全装置を具備すべき機械等)

第13条 (第1項及び第2項 略)

 (柱書 略)

一~七 (略)

 フオークリフト

九~二十九 (略)

三十 シヨベルローダー

三十一 フオークローダー

三十二 ストラドルキヤリヤー

三十三及び三十四 (略)

4及び5 (略)

(定期に自主検査を行うべき機械等)

第15条 法第45条第1項の政令で定める機械等は、次のとおりとする。

 第12条第1項各号に掲げる機械等、第13条第3項第五号、第六号、第八号、第九号、第十四号から第十九号まで及び第三十号から第三十四号までに掲げる機械等、第14条第二号から第四号までに掲げる機械等並びに前条第十号及び第十一号に掲げる機械等

二~十一 (略)

 (略)

【労働安全衛生規則】

(定期自主検査)

第151条の21 事業者は、フオークリフトについては、1年を超えない期間ごとに1回、定期に、次の事項について自主検査を行わなければならない。ただし、1年を超える期間使用しないフオークリフトの当該使用しない期間においては、この限りでない。

一~九 (略)

 (略)

(前照灯及び後照灯)

第151条の27 事業者は、シヨベルローダー又はフオークローダー(以下「シヨベルローダー等」という。)(以下略)

(定期自主検査)

第151条の31 事業者は、シヨベルローダー等については、1年を超えない期間ごとに1回、定期に、次の事項について自主検査を行わなければならない。ただし、1年を超える期間使用しないシヨベルローダー等の当該使用しない期間においては、この限りでない。

一~五 (略)

 (略)

(定期自主検査)

第151条の38 事業者は、ストラドルキヤリヤーについては、1年を超えない期間ごとに1回、定期に、次の事項について自主検査を行わなければならない。ただし、1年を超える期間使用しないストラドルキヤリヤーの当該使用しない期間においては、この限りでない。

一~五 (略)

 (略)

(2)正しい。安衛則第 151 条の 59 そのままの条文問題である。

【労働安全衛生規則】

(制動装置等)

第151条の59 事業者は、構内運搬車(運行の用に供するものを除く。以下この条において同じ。)については、次に定めるところに適合するものでなければ、使用してはならない。ただし、(以下略)

 走行を制動し、及び停止の状態を保持するため、有効な制動装置を備えていること。

 警音器を備えていること。

三~四 (略)

(3)誤り。安衛則第 151 条の 72 により、そもそも事業者は、荷台にあおりのない貨物自動車を走行させるときは、当該荷台に労働者を乗車させてはならない。本肢は荷台にあおりのある貨物自動車を走行させる場合のことである。

【労働安全衛生規則】

(荷台への乗車制限)

第151条の72 事業者は、荷台にあおりのない貨物自動車を走行させるときは、当該荷台に労働者を乗車させてはならない

 (略)

第151条の73 事業者は、荷台にあおりのある貨物自動車を走行させる場合において、当該荷台に労働者を乗車させるときは、次に定めるところによらなければならない。

 荷の移動による労働者の危険を防止するため、移動により労働者に危険を及ぼすおそれのある荷について、歯止め、滑止め等の措置を講ずること。

 (略)

 (略)

(4)正しい。安衛則第 151 条の 78 のままの条文問題である。

【労働安全衛生規則】

(非常停止装置)

第151条の78 事業者は、コンベヤーについては、労働者の身体の一部が巻き込まれる等労働者に危険が生ずるおそれのあるときは、非常の場合に直ちにコンベヤーの運転を停止することができる装置(第151条の82において「非常停止装置」という。)を備えなければならない。

(5)正しい。安衛則第151条の3のままの条文問題である。

【労働安全衛生規則】

(作業計画)

第151条の3 事業者は、車両系荷役運搬機械等を用いて作業(不整地運搬車又は貨物自動車を用いて行う道路上の走行の作業を除く。以下第151条の7までにおいて同じ。)を行うときは、あらかじめ、当該作業に係る場所の広さ及び地形、当該車両系荷役運搬機械等の種類及び能力、荷の種類及び形状等に適応する作業計画を定め、かつ、当該作業計画により作業を行わなければならない。

2及び3 (略)

2019年12月14日執筆 2024年11月12日最終改訂