問23 機械器具製造業等で発生する火災に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1)作業場の壁・骨組みなどに多量の油滴が付着していると火災の発生の原因となる。
(2)潤滑油は、保管しているドラムや缶を開口していると、気化した油が常温で容易に引火する。
(3)塗装作業近傍での溶接作業は、火災の原因となりうる。
(4)油の付着した金属切削くずは発火しやすい。
(5)油圧機器に使用されている高圧の作動油は、漏れると霧状に噴出して引火しやすくなることがある。
このページは、2019年の労働安全コンサルタント試験の「産業安全一般」問題の解説と正答を示しています。
解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除しました。
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2019年度(令和元年度) | 問23 | 難易度 | 機械製造業で働いた経験があり、現場を知っていれば容易な問題である。また、知識がなくても正答できる。 |
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火災の防止 | 2 |
問23 機械器具製造業等で発生する火災に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1)作業場の壁・骨組みなどに多量の油滴が付着していると火災の発生の原因となる。
(2)潤滑油は、保管しているドラムや缶を開口していると、気化した油が常温で容易に引火する。
(3)塗装作業近傍での溶接作業は、火災の原因となりうる。
(4)油の付着した金属切削くずは発火しやすい。
(5)油圧機器に使用されている高圧の作動油は、漏れると霧状に噴出して引火しやすくなることがある。
正答(2)
【解説】
(1)正しい。これは考えれば分かるだろう。実際に事故事例もある。
(2)誤り。潤滑油が常温で容易に引火するようなことはない。
潤滑油は、摺動部や歯車のかみ合い部などの他、金属切削や研磨によって高温となる部分の冷却などにも用いられる。常温で容易に引火するようなことはない。
ただし、高温で発火することはよくある。日本工作機械工業会「工作機械の火災安全指針」を参照のこと
本肢は、うっかりすると有機溶剤などの容器に蓋をしなければならないことと混同して、正しいと考えた受験者もいたようである。
(3)正しい。塗装作業近傍での溶接作業での爆発・火災の事例は多い。
(4)正しい。金属くずの酸化や油の分解による熱がたまり、高温となって油分が発火するのである。実際に事故事例がある。
なお、金属でも、アルミニウム、チタン、マグネシウムの切削屑は、簡単に発火・燃焼することがある。これについては、駒宮功額「金属材料の火災危険性」を参照されたい
(5)正しい。油圧機器に使用されている高圧の作動油は、漏れると霧状に噴出して引火しやすくなることがある。