労働安全コンサルタント試験 2019年 産業安全一般 問16

接地式電路における絶縁抵抗の測定




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 このページは、2019年の労働安全コンサルタント試験の「産業安全一般」問題の解説と正答を示しています。

 解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除しました。

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2019年度(令和元年度) 問16 難易度 絶縁抵抗に関する一般的な問題であるが、専門的な内容である。難問と言えよう。
絶縁抵抗の測定

問16 絶縁抵抗計による接地式電路における絶縁抵抗の測定に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(1)測定するときは、電路の電源側の開閉器は開にしておく。

(2)電路の分岐ブレーカーを開閉して測定することなどにより、漏電した機器を特定することができる。

(3)測定するときは、確実に接地されたアース端子が必要である。

(4)測定には、直流電源内蔵の計器は用いられていない。

(5)測定する対象によって印加する電圧を選択する。

正答(4)

【解説】

改めて「接地式電路における絶縁抵抗の測定」などと言われると、何のことかと思うかもしれない。たんに、B種接地工事を施した通常の電路の絶縁抵抗の測定という意味である。

特殊な「非接地式電路」という言葉にはなじみがあるが、通常の電路は中性線が接地されているのが当然なので、あえて「接地式電路」などとは言わないのが普通である。そのため「接地式電路」と言われると特殊な電路のことかと思ってしまうがそうではない。

(1)正しい。絶縁抵抗計とは、測定対象(この場合は電路)と大地(アース)の間に電圧を加えて、その間に流れる微小な電流を測定することによって抵抗の測定を行うのである。

測定するときに電路の電源側の開閉器を開にするのは当然であろう。電圧がかかった状態で、どうやって絶縁抵抗を測定するというのか。また、仮に停電状態だったとしても、電源側の電路が接地されていれば、絶縁抵抗はゼロに近くなってしまうので測定できるわけがない。

(2)正しい。電路の分岐ブレーカーを開閉して測定することなどにより、どの電路に接続された機器が漏電しているかを調べる方法は実務でもよく行われる。

(3)正しい。(1)の解説で述べたことからも分かるように、絶縁抵抗計で絶縁抵抗を測定するときは、一方の端子を電路に接触させ、もう一方はアースに接触させる。確実に接地されたアース端子がなければ、絶縁抵抗を測定できるわけがない。

(4)誤り。むしろ、直流電源内蔵の計器が用いられていることの方が多いのではないか。

(5)正しい。絶縁抵抗計と言っても、メータそのものは電流計であり、ある電流の範囲でなければ測定できない。測定する対象によって印加する電圧を変えないと、同じメータで測定できるわけがない。

2020年01月03日執筆