労働安全コンサルタント試験 2019年 産業安全一般 問09

機械の包括的な安全基準に関する指針




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合格

 このページは、2019年の労働安全コンサルタント試験の「産業安全一般」問題の解説と正答を示しています。

 解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除しました。

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2019年度(令和元年度) 問09 難易度 これは機械設備の安全に関する一般的な知識があれば、正答できるだろう。たんなる常識問題である。
機械・設備の安全化

問09 厚生労働省の「機械の包括的な安全基準に関する指針」に基づき、誤操作による危害を防止するため、機械の操作装置等に講じる措置に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。

(1)操作装置等の操作部分は、迅速かつ確実で、安全に操作できる位置に配置されていること。

(2)作業に従事する労働者の人数に応じて起動装置を設け、いずれの箇所からも操作できること。

(3)操作装置等の操作部分については、操作の方向とそれによる機械の運動部分の動作の方向とが一致していること。

(4)キーボードで行う操作のように操作部分と動作との間に一対一の対応がない操作については、実行される動作がディスプレイ等に明確に表示され、必要に応じ、動作が実行される前に操作を解除できること。

(5)操作が適正に行われるために必要な表示装置が操作位置から明確に視認できる位置に設けられていること。

正答(2)

【解説】

本問は、問題文にもあるように、厚生労働省の「機械の包括的な安全基準に関する指針」(以下本問の解説で「指針」という。)別表第2の14からの設問である。

(1)適切である。指針別表第2の14(1)サ。

(2)不適切である。指針別表第2の14(2)イにおいて、「複数の起動装置を有する機械で、複数の労働者が作業に従事したときにいずれかの起動装置の操作により他の労働者に危害が生ずるおそれのあるものについては、一つの起動装置の操作により起動する部分を限定すること等当該危害を防止するための措置が講じられていること」とされている。

一つの機械に複数の起動装置が設けられていて、どの装置からでも作動するのでは、不具合があって対処しようとしている労働者がいたとき、それに気付かず他の労働者が機械を起動するおそれがあるので危険であろう。

なお、高所作業車では、バケットなどの作業台と下部の運転席の双方に操作盤が設けられており、通常は作業台側で作業台等を動かすための操作をするが、運転席側には優先スイッチが設けられており、作業台側にいる作業者が気を失ったりしたような場合に対応できるようになっている。

(3)適切である。指針別表第2の14(1)ウ。エルゴノミクスの観点から適切である。

(4)適切である。指針別表第2の14(1)キ。

(5)適切である。指針別表第2の14(1)コ。

2020年01月02日執筆