労働安全コンサルタント試験 2019年 産業安全一般 問04

建設工事に使用される機材や工法




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合格

 このページは、2019年の労働安全コンサルタント試験の「産業安全一般」問題の解説と正答を示しています。

 解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除しました。

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2019年度(令和元年度) 問04 難易度 あまりにも誤った肢が明らかすぎるため、間違えた受験者はほとんどいなかったのではないだろうか。
建設工事の機材・工法

問04 建設工事に使用される機材や工法などに関する次の記述のうち、適切なものはどれか。

(1)メッシュシートは、鉄骨建方作業や足場上での作業中に墜落・転落により作業者が被災するおそれがある場合に、鉄骨躯体や足場に水平に張って使用する合成繊維製のネットである。

(2)親綱支柱は、鉄骨建方作業において、作業者が鉄骨柱などを昇降中に墜落するおそれがある場合に、鉄骨柱の上下端に取り付けて、これに垂直親綱をかけ渡して墜落制止用器具を使用するための支柱である。

(3)平板載荷試験は、地盤に載荷板を通じて荷重を加え、この荷重の大きさと載荷板の沈下の関係から、地盤の変形強さ等の支持特性を調べるために行う試験である。

(4)足場先行工法は、足場の組立て等の作業を行うに当たり、労働者が足場の作業床に乗る前に、当該作業床の端となる箇所に適切な手すりを先行して設置して行う工法のことである。

(5)土止め先行工法は、通常、大規模な掘削工事において、最初に高強度で自立性の高い矢板を打ち込むことにより、腹起しや切りばりの建て込み作業を簡素化し、その分早期に安全な作業を可能にする工法のことである。

正答(3)

【解説】

本問が出題された年はフルハーネス型墜落制止用器具を用いる作業に特別教育が義務付けられているが、その教育の講師を務めていれば容易に答えられる問題だっただろう。

とはいえ、適切ではない肢が、あまりにも常識を逸脱しているので、かえって迷ったかもしれない。

(1)適切ではない。本肢は「防網」についての記述である。メッシュシートとは、通常は工具や資材などが足場の外に落下しないように、足場の外側に張るメッシュ状のシートのことを指す。

(2)適切ではない。親綱支柱は、親綱機材を構成する要素で、鉄骨建方作業等において、水平親綱を用いて水平に移動するときに、親綱の両端や途中で親綱を支えるための支柱である。

(3)適切である。平板載荷試験(Plate Loading Test)とは、地盤に直径 300 mm の載荷板を通じて荷重を加え、この荷重の大きさと載荷板の沈下の関係から、地盤の変形強さ等の支持特性や変形特性を調べるために行う試験である。荷重は計画最大荷重を5から8段階に分けて載荷する。

(4)適切ではない。本肢は「手すり先行工法」についての記述である。「足場先行工法」とは、低層住宅の建設工事において、建方作業開始前に足場を先行して 設置する工法のことである。

(5)適切ではない。土止め先行工法とは、労働者が入る前に土留め支保工を先行して設置する工法であり、高強度で自立性の高い矢板を打ち込むことを先行させる工法ではない。

2020年01月01日執筆