労働安全コンサルタント試験 2018年 産業安全関係法令 問03

機械による危険の防止




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合格

 このページは、2018年の労働安全衛生コンサルタント試験の「産業安全関係法令」問題の解説と解答例を示しています。

 解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除しました。

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2018年度(平成30年度) 問03 難易度 機械に規制に関するやや詳細な知識問題だが、合否を左右する難易度レベル。正答できる必要がある。
機械による危険の防止

問3 機械による危険を防止するため事業者が講じた措置に関する次のイ~ニの記述について、労働安全衛生法令上、違反となるものの組合せは(1)~(5)のうちどれか。

イ フライス盤作業で、切削加工により切削屑が飛来するが、機械に覆い又は囲いを設けることが作業の性質上困難であったため、保護具を使用させて作業を行わせた。

ロ ベルトコンベアのベルトの掃除の作業において、機械の運転を止めて作業を行うことが作業の性質上困難であり、また、危険な箇所に覆いを設ける等の措置を講じることができなかったため、機械を運転したまま労働者に作業を行わせた。

ハ 木工用の面取り盤を使用する作業において、刃の接触予防装置を設けることが作業の性質上国難であったため、労働者に治具を使用させて作業を行わせた。

ニ 金属加工用の帯のこ盤を使用する作業において、歯の切断に必要な部分以外の部分を含め覆い又は囲いを設けることが作業の性質上困難であったため、労働者に治具を使用させて作業を行わせた。

(1)イ   ロ

(2)イ   ハ

(3)ロ   ハ

(4)ロ   ニ

(5)ハ   ニ

正答(4)

【解説】

以下により、(4)が正答となる。

イ 違反とはならない。安衛則第105条第1項但し書きの規定による。

【労働安全衛生規則】

第105条 事業者は、加工物等が切断し、又は欠損して飛来することにより労働者に危険を及ぼすおそれのあるときは、当該加工物等を飛散させる機械に覆いい又は囲いを設けなければならない。ただし、覆い又は囲いを設けることが作業の性質上困難な場合において、労働者に保護具を使用させたときは、この限りでない。

 (略)

ロ 違反となる。安衛則第107条第1項本文の規定により違反となる。また、本肢の場合については、本条但書やその他の条文に例外規定はない。

【労働安全衛生規則】

(掃除等の場合の運転停止等)

第107条 事業者は、機械(刃部を除く。)の掃除、給油、検査、修理又は調整の作業を行う場合において、労働者に危険を及ぼすおそれのあるときは、機械の運転を停止しなければならない。ただし、機械の運転中に作業を行わなければならない場合において、危険な箇所に覆いを設ける等の措置を講じたときは、この限りでない。

 (略)

ハ 違反とはならない。安衛則第127条第1項但し書きの規定により違反とはならない。

【労働安全衛生規則】

(面取り盤の刃の接触予防装置)

第127条 事業者は、面取り盤(自動送り装置を有するものを除く。)には、刃の接触予防装置を設けなければならない。ただし、接触予防装置を設けることが作業の性質上困難な場合において、労働者に治具又は工具を使用させたときは、この限りでない。

 (略)

ニ 違反となる。 安衛則第115条の規定により違反となる。また、本肢の場合については、本条但書やその他の条文に例外規定はない。

【労働安全衛生規則】

(丸のこ盤の歯の接触予防装置)

第115条 事業者は、丸のこ盤(木材加工用丸のこ盤を除く。)には、歯の接触予防装置を設けなければならない。

2018年10月28日執筆 2021年11月11日最終修正